二輪車利用環境改善部会レポート#07

バイクの駐車場、利用者は減っていた!【二輪車利用環境改善を考える】

  • 2019/12/11

二輪車の利用環境には課題が多い。特に、さまざまな課題の根本ともなっている「三ない運動」「駐車できない」という2つの問題について考える。今回は、バイク駐車場の先駆エリアのはずだった渋谷が今どうなっているのかに迫る。

●文:田中淳磨(輪)

バイク駐車場の先駆エリア「渋谷」に見る厳しい現実

前回に引き続き、「歩道にバイクは停められないのか?」という視点で進めたい。今回は、渋谷区等で「エコステーション21」という自転車・バイク駐車場の設置・運営管理に携わる事業者「日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社」にお話を伺った。事業者から見た歩道駐車の課題や展望とは?

【経 緯】駅前の放置駐車が社会問題となっていた平成16年頃、渋谷駅の周辺では自転車で約5000台、バイクで千数百台の放置駐車があった。同社は渋谷区と協定を結び、宮下公園ほか区内各所に自転車・バイク駐車場を設置、2年間で40か所にも上 った。平成18年(2006年)に道路法が改正されると、歩道(歩道も道路)上に駐輪用器具等を設置することが認められ、同社は区内でも路上駐車がひどかった「あおい通り」の歩道上に自転車・バイク駐車場を設置した。この設置は法改正後の東京都第一号事例として特に力を入れて行われ、警察の指導により精算機やガードパイプの位置など30回ほど図面を書き直したと言う。こうして官民協働により渋谷区はバイク駐車場の充実したエリアとなった。

渋谷区あおい通りの「エコステーション21 あおい通り自転車・バイク駐車場」。24時間オープンで2時間ごとに100円、しかも始めの30分は無料という嬉しい料金設定。しかし、利用者が減るなか、この安さが事業継続を危うくする諸刃の剣でもある。利用者が減り過ぎてバイク駐車場は岐路に立たされている。

【現 状】平日の昼時にあおい通りを訪れると、通りの数か所に設置されたバイク用駐車場はどこも満車の状態だった。排気量等の制限はなく原付一種も大型二輪も並んでいる。同時に造られた2か所の荷捌き所も機能し、トラックの路上駐車もない。広い道ではないが整然としていた。

【課 題】同社パーキングシステム事業部公共推進部の小高部長は言う。「区内の駐車場も設置当初は駐車待ちの行列ができるほどでしたが、今では利用者が減り、黒字で運営できているのはあおい通りと渋谷インフォスタワー沿いの2か所のみです。渋谷区と当社は放置対策の一環として協定を結んでいるので、黒字や赤字に関係なく、やめますとはいかない。区の駐車場の料金設定は安く工事費用も回収しにくいので撤去したい駐車場もありますが…」

バイク駐車場の利用者はなぜ減ったのか? 小高氏は即答した。「行き先(目的地)にバイク置き場がないからです。そうなったら乗らなくなるし、販売台数も減ってますよね? 電動アシスト自転車は好調ですし」

歩道と車道の高さは同じで切り下げなどはしていない。道路法では車道側から出入りすることが明文化されており、柵状のラックでバイクが歩道側に乗り入れないようにデザインしてある。「歩道は歩行者のもの」で道路構造令に従い、歩行者にストレスをかけない造りが求められる。

【展 望】歩道を利用したバイク駐車場の今後についても考えを伺った。「歩道に造る条件は『喫緊の放置対策が必要な土地(駅周辺)であるが、周りに民地等で用意できる場所がない」ことであり、それが用意できるまでの暫定期間として特別に認めるものです。当社も平成23年3月の設置が最後で渋谷区内はやりつくした感じ。利用者がお店に行くなら、そのお店が駐車場を用意するのが大前提です。現在は自治体からの設置要望もなく、自転車で大変なのに、バイクはかまってられないという印象です」

【所 感】事業者としても難しい現状だが、駐車場所としての道路(歩道・車道)活用を模索したい。

あおい通りは区道で対面通行となっている。通り沿いには喫茶店やコンビニ、オフィスビル等が並ぶ。渋谷区だが新宿駅が直近だ。

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