世界初&国産初のエポック車を一挙掲載 #09

V4スーパースポーツ発進!「世界初スーパースポーツ&BTL(バックトルクリミッター)ほか」編~時代を切り拓いた革新のマシンたち~[1965-1984]

  • 2019/12/10
時代を切り拓いた革新のマシンたち

暗闇に遠くから幾多の光芒が射す。あるものは一際強い光を放って過ぎ去り、あるものは留まり今も輝き続ける。――過去半世紀に及ぶ二輪史において、数々の革新的な技術と機構が生み出された。定着せず消えていった技術もあれば、以降の時代を一変させ、現代にまで残る技術もある。しかし、その全てが、エンジニアのひらめきと情熱と努力の結晶であることに疑いはない。二輪車の「初」を切り拓き、偉大なる足跡を残した車両を年代順に紐解いていく。

※本稿で取り挙げる「初」は、“公道走行可能な量産二輪市販車”としての「初」を意味します。また、「初」の定義には諸説ある場合があります。

世界初スーパースポーツ&BTL「伝説の始祖となる、真打ちV4登場」HONDA VF750F[1983]

スポーツ車へのV4採用を望む声は多く、ついに’83年、V4初のスーパースポーツ「F」が発売される。スラント型VDキャブの採用によりエンジン搭載角を起こしてコンパクト化を実現。上下分割ラジエターやチェーン駆動、ビキニカウルも投入した。さらに急激なエンブレを緩和して後輪のホッピングを防ぐBTLと、スチール角断面フレームも世界初採用だ。後に耐久レーサーRVF750Rのベースとなり、世界で猛威を奮うことになる。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【HONDA VF750F[1983]】■車重218kg(乾) 水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ
748cc 72ps/9500rpm 6.1kg-m/7500rpm F=120/80-16 R=130/80-18■当時価格:74万8000円

「発展形はカムギアトレーン搭載」HONDA VFR750F[1988]

第2世代は、VF1000Rが初採用したカムギアトレーンを獲得。ヘッドを小型化すると同時にストレートポート化し、海外仕様で100psを発生した。アルミフレームも導入し、上質ツアラー路線を歩んだ。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
HONDA VFR750F[1988]】■車重199kg(乾) 水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ 748cc 77ps/9500rpm 6.5kg-m/7500rpm F=110/90-16 R=130/80-18■当時価格:84万9000円

バリエーション

400仕様のV4も初登場。クラストップの最高出力を発揮し、750と異なる丸断面パイプフレームに搭載した。’84〜’85鈴鹿4耐も連覇。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【HONDA VF400F[1983]】■車重173kg(乾) 水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ 399cc 53ps 3.5kg-m■当時価格:52万8000円

海外では1000が最高峰モデル。750より大型のハーフカウルを備え、フロントに16インチを履く。BTLは非採用。ホンダはV4大攻勢を始め、VF-Fには500や700もラインナップする。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【HONDA VF1000F[1984]】■車重233kg(乾) 水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ 998cc 116ps/10000rpm 9.3kg-m/8000rpm■輸出車

フルカウルを備えたツアラーで、ペットネームは伝統のボルドール。1枚レンズのデュアルヘッドライトが特徴だ。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【HONDA VF1000F II[1985]】

世界初可変バルブ機構「レースを視野に入れた“R”」HONDA CBR400F[1983]

時代を切り拓いた革新のマシンたち

’80年代に入ると、TT-F3など市販車レースの人気が出てきた。そこでCBX400Fを上回る高性能マシンとして本作を開発。CBXベースの空冷直4は低回転で2バルブ、高回転で4バルブに変化する可変バルブ機構=REVを2輪初導入し、当時ダントツの58psを発生。角パイプ鉄フレームやライト下オイルクーラーも独特だ。最初にCBRの名を冠したモデルでもある。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【HONDA CBR400F[1983]■車重176kg(乾) 空冷4スト並列4気筒DOHC4バルブ 399cc 58ps/12300rpm 3.6kg-m/11000 rpm F=100/90-16 R=110/90-18■当時価格:53万9000円
時代を切り拓いた革新のマシンたち
センサーにより8500回転超で2→4バルブに切り替わるREV。低中回転の豊かなトルクと高回転域のハイパワーを両立する。ハイパーVTECの元祖だ。

ノーマル登場の半年後、2灯式ハロゲンヘッドライトにハーフ&アンダーカウル付きが追加。その名の通り耐久マシンのイメージだ。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【HONDA CBR400F ENDURANCE [1984]】

エンデュランスにフルカウルを装備した1代限りの特別仕様。’85では集合管を採用。シングルシートが標準のフォーミュラ3も追加した。

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【HONDA CBR400F F-3[1984]】

世界初アルミフレーム/国内初セパハン「レプリカ戦国時代の幕を開けた」SUZUKI RG250Γ[1983]

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憧れのレーシングマシンに酷似し、公道走行まで可能なレーサーレプリカ。その本格第1号がRG250Γだ。レース、市販車の両面で活躍する開発責任者、横内悦夫氏が指揮を執り、軽量&高剛性なアルミフレームを市販車初採用。フレームマウントの大型カウルや、ついに国内で認可が降りたセパレートハンドルを与え、流行のF16インチ、サイレンサー別体チャンバーも投入。’81〜’82WGPのライダー&メーカー部門を連覇したRG-Γの名を受け継ぐ通り、レーサーそのままのスタイルとメカは前代未聞だった。こうしてΓはわずか1年で3万台の大ヒットを記録する。

2スト水冷パラツインも新作で、クラス最強の45psをマーク。車体はRZより軽い131㎏で抜群に戦闘力が高かった。RZが火を点けたレプリカ人気は、Γ以降、空前の大ブームとなっていく。

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【SUZUKI RG250Γ[1983]】■車重131kg(乾) 水冷2スト並列2気筒パワーリードバルブ 247cc 45ps/8500rpm 3.8kg-m/80000rpm F=100/90-16 R=110/80-18■当時価格:46万円
時代を切り拓いた革新のマシンたち
量産車初のアルミフレームはRG-Γと同様、ダブルクレードルタイプの「ALBOX」。単体重量7.6kgはライバルより4〜6kg軽く、クラス最高のパワーウェイト比に貢献した。リンク式リヤサスのピボットもアルミ製で高剛性だ。
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メーカー値でゼロヨン13・46秒を叩き出すクラス最強のエンジン。ボア×ストロークは54×54㎜の伝統的なスクエア。単体でも34㎏と軽い。
時代を切り拓いた革新のマシンたち
セパハンに加え、3000rpm以下では作動しない回転計がレーシー。さらにアンチノーズダイブやマニア垂涎のミシュランタイヤも標準だった。

世界初250cc水冷直4「4ストでクラス最高の36馬力を達成」SUZUKI GS250FW[1983]

VツインのVT250Fを打倒するため、250㏄で世界初の水冷直4を搭載。VTや2ストのRZ250を1ps上回る36psをマークした。車体は、角型の鉄フレームやアンチノーズ機構付きのF16インチが特徴。’84年に2psアップしたが、ライバルに押され、殿堂入りした。

時代を切り拓いた革新のマシンたち
【SUZUKI GS250FW[1983]】■車重157kg(乾)水冷4スト並列4気筒DOHC2バルブ 249㏄36ps/11000rpm 2.3kg-m/10000rpm F=100/90-16 R=100/90-18■当時価格:47万9000円
時代を切り拓いた革新のマシンたち
2連キャブ×2などで出力特性は穏やかだが、発売時は4スト250で最高馬力。メーターには1万3000rpmまで刻む。

「空冷は’70年代に登場」Benelli 250Quatro[1975]

世界初の250㏄直4は空冷で、モトグッチ傘下のベネリが発売。軽量なボディと独特な味わいで好事家に愛された。モトグッチから姉妹車も併売。

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【Benelli 250Quatro[1975]】■車重125kg(乾) 空冷4スト並列4気筒SOHC2バルブ 231.1cc 27ps

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ヌマ王

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ヤングマシン編集部出身の敏腕フリーライター。特にバイクの社会&時事ネタに詳しく、20年以上にわたって特ダネを追い続けている。趣味はユーラシア大陸横断。