第47回マシン・オブ・ザ・イヤー2019

駐車場問題は身近な経済活動にも影響を与えていた

「仕事でバイクを使えない!」………二輪車利用環境改善を考える[#03]

  • 2019/10/9

二輪車の利用環境には課題が多い。今回は、「駐車できない」ことが発端となり、身近な経済活動が脅かされている問題について考えたい。

●文:田中淳磨(輪)

「停める場所がない!」都心にバイクを停められず、軽トラに乗り換える事業者

【概 要】クルマと同じようにバイクも駐車違反が切られることになった駐車場法改正と、駐車違反取締りが民間委託されるようになった道交法改正により、バイクは気軽に停められないモビリティとなった。

【現 状】これにより、通勤通学を電車やバスで行うようになったという声はとても良く聞く。しかし、もっと切実なのはバイクを仕事で使っていた事業者だ。東京オートバイ協同組合(AJ東京)理事長の野間健児さんは言う。

「一昨年に組合員さんのバイク販売店(当時121店)を全て回り、お客さん(事業者)の実態について聞き取り調査を行いました。中でも23区の東側、葛飾・江戸川・台東区の販売店からは『お客さんがバイクを降りちゃった』という声が多数聞かれました。大工さんや左官屋さん、ビルの水道工事業者といった方が、以前は都心までバイクで行っていたけど、停めるところがなくなって、軽トラに乗り換えてしまったんです」

【課 題】こんな話をずいぶん聞いたと言う。仕事道具を積めて機動力があってランニングコストも抑えられるバイクは、そうした事業者にとって最適なモビリティとなっていた。なのに、ある日突然、仕事を終えてバイクに戻って来たら黄色いシールが貼られているのだ。放置駐車は原付でも9000円の違反金となる。こんなことが続いたら、もうバイクは使いたくなくなるだろう。軽自動車に買い替えれば都心でも駐車場に停められるが、今度はそこから仕事現場まで道具を抱えて歩かなければならない。

バイク用の駐車場を整備せず、業務実態も考慮せずに法規制を強行したことがこうした弊害を招いた。これはもう、法律が経済活動を阻害していると言っても良いだろう。

2018年2月に開催された与党オートバイ議連勉強会では、公明党副代表の北側一雄議員が「駐車場がないのにバイクを使わなければいけない人たちが大勢いる。実情を見た上で対応してほしい。東京が一番の問題なので23区に対して国交省からお願いしてほしい」と要請。国交省は「都と連携して進める」と回答した。また、自民党の今村雅弘議員は「そば屋さんが停められないってのは常識的におかしいよ。ステッカーを貼って“除く”とかにすべきだ」と庶民感覚でシンプルな提案を警察庁に伝えた。事業者の不利益は料金の値上げなど市民の生活に降りかかることになる。

[左]本文中で紹介している東京オートバイ協同組合(AJ東京)理事長の野間健児さん。[中央]公明党の北側一雄副代表は国交省に対して都と連携した駐車場の対応を強く求めた。[右]自民党の今村雅弘議員は警察庁交通局交通企画課の桜澤課長に“常識”という言葉を使い率直な意見を述べた。

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