モーターサイクル的な車体構成と大排気量ユニットを持つスポーティなスクーター群。メインストリームはSS風のオンロード系だ。これに切り込んだ新機軸のアドベンチャースクーター、X-ADVがヒットを飛ばし、SS系の牙城を崩しているのが現状だ。これに3輪モデルや電動といったトレンドが入り込みつつある。次の主流になるのは果たして?
WEBヤングマシンで全33回にわたってお送りした新車アルバムをまとめたのがこのページ。カテゴリー別に分け、さらには排気量区分によりライバル車を直接比較しやすいように各ページにまとめてある。記事があるも[…]
大きな動きこそないが新時代の予感ヒシヒシ
’01年の発売以来、当クラスの代表格に君臨しているのがTMAX530だ。一般的なスクーターは、エンジンと駆動系を一体化したユニットスイング式だが、TMAXは通常のモーターサイクルと同様、エンジンをフレームに搭載したスイングアーム式を採用。フロントフォークも上下ブラケットで固定した高剛性タイプで、「スクーターの皮を被ったスーパースポーツ」として大ヒットを記録した。幾度かのモデルチェンジを経ながら長らくTMAXの牙城は崩れなかったが、’12年にBMWが送り込んだC650シリーズが健闘を見せている。
’19最新潮流
・王者TMAXとX-ADVのガチンコ対決が続く
・新たな3輪や電動車の市販版が発表か?
勢力図が変わったのは’17年。車体構成はスポーツ系と同様ながら、「アドベンチャー」というコンセプトを注入したX-ADVが登場。瞬く間に欧州でヒットし、国内でも昨年の大型スクータークラスで販売台数1位を記録した。以降フォロワーもなく、TMAXらスポーツ軍団に対し、孤軍奮闘している。
’19年は今のところ大きな動きはないが、昨秋のショーで多数のコンセプトモデルが出品。キムコの3輪=CV3、プジョーの電動3輪、スイスのクアドロビークルスによるオフロード電動4輪など、「2輪+α」「電動」「クロスオーバー」が今後のカギになりそうだ。
ホンダ X-ADV:新たなジャンルを切り拓いたスクーター風アドベンチャー
スクーターの利便性に、高級SUVの外観とオフロードを意識した本格装備を融合し、’17でデビュー。ベースはNC750系のインテグラだが、チューブラースチールフレームは専用品となる。F17&R15インチのスポークホイールをはじめ、ロングストローク設定のφ41mm倒立フォーク+プロリンクモノサス、アフリカツイン譲りのラジアル4ポットキャリパーにダブルディスクなど足まわりは超豪華だ。セミオートマのDCTが標準で、場所を問わずイージーに駆け回れるのも美点。’19年モデルでは標準装備のETC車載器を2.0にバージョンアップし、新色を追加した。
アドベンチャーモデルの力強さとコミューターモデルの利便性を高次元で両立することを目指したホンダX-ADV。燃費性能に優れる直列2気筒745ccエンジン、ホンダ独自の二輪車用「デュアル・クラッチ・トラン[…]
ヤマハ TMAX 530 SX/DX:元祖にして至高、鍛錬を重ね続けるオートマチックスーパースポーツ
初代’01年モデル以来、進化を重ね、現行型は’17年登場の6代目となる。独自のバランサーを備えた360度クランクの並列2気筒は、滑らかなパワーが自慢。さらに電制スロットルや2種類の走行モード、オンオフ可能なトラコンと電脳が豊富だ。軽量アルミフレームの車体に、倒立+ラジアルキャリパーの脚も鋭い走りに貢献する。国内で標準のSXは’19年モデルで新色の艶消し青を追加。オートクルーズや電動スクリーンなどを備えるDXには艶消しグレーを設定した。
スポーツバイクの遺伝子を受け継ぎ、"コミューター"の枠を超えた存在感を放つヤマハMAXシリーズ。トップモデルであるTMAXと、'18年に国内デビューした新星XMAXの2台をピックアップし、その本質を探[…]
“Master of Scooter”をコンセプトに、電子制御スロットルや軽量アルミフレームなどによる優れた走行性能で人気のヤマハTMAXシリーズ。スタンダード仕様の「TMAX530 SX ABS」と[…]
BMW C650スポーツ/GT:パワフルで質感抜群、BMWらしさ満点だ
’12年に登場した同社初のスクーターは、プレミアムな外観と走りが特徴だ。チェーン駆動の270度クランク並列ツインは、60psのハイパワーを発生し、トラコンも備える。特に運動性能が高いのは「スポーツ」で、若干前傾するライポジと軽い車重で峠道も楽しい。一方「GT」は大型カウルと電動シールドなどを備えた安楽ツアラー仕様。2輪初のサイドビューアシストも備える。’19年モデルではスポーツにレーシーなHPカラー、GTに特別色の茶色を用意。
BMW Cエボリューション:大型クラスの高性能に普通二輪免許で乗れる!
C650ベースの車体に、最新バッテリーと高出力モーターを備えた電動車で、TMAX超えの48psを発生。さらに瞬時に最大トルクを発生するモーターの特性により0→50km/h加速は2.8秒と圧巻。現行制度では軽2輪(250cc)の扱いになり、大型相当のマシンに普通2輪免許で乗れる!
2018年10月のインターモトショーから11月のミラノショーにかけて、世界のニューモデルが一気に登場したことは記憶に新しいだろう。WEBヤングマシンでは新車情報を逐一お届けしてきたが、本特集「2019[…]
キムコ AK550/55th:自慢のフラッグシップ、豪華バージョンも登場
キムコ渾身のスポーツモデルで、270度クランクの550ccパラレルツインをアルミフレーム+φ41mm倒立フォークの車体に搭載。深いバンク角と鋭いハンドリングは、クラス随一だ。’19年モデルでは同社の55周年を祝う特別仕様「55th」が登場。オーリンズ製サスペンションやアクラボヴィッチ製マフラーなどを奢る。
キムコ CV3:カスタマイズ自由なスポーティ3輪
’17年のミラノで公開されたキムコ初の3 輪スクーターコンセプト。AK550をフロント2輪化し、必要に応じて装着可能なルーフやパニアケースなど様々なオプションを用意。フロントフォークはトリシティと同様の内側配置で、電子ロックによりボタンを押すだけで自立できる。発売時期は未定だが、登場が待たれる。
2017年4月より欧州で発売を開始したキムコのAK550が、この11月末までに世界販売台数8000台を突破したと発表された。台湾では発売から半年で1000台のセールスを達成するという記録的なヒットに。[…]
アプリリア SRV850:RSV4の魂が息づく世界最大スクーター
スクーター最大の839ccを誇るモンスター。電子制御式CVTにチェーン駆動を組み合わせた90度Vツインを堅牢なスチールダブルクレードルフレームに搭載する。RSV4譲りの顔や、ブレンボキャリパー、2モード+オフのトラコンなど、随所に同社らしいレースDNAが息づく。
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