リッタースーパースポーツより軽量コンパクトさが魅力のクラス。サーキットを見据えた600ccはラインナップが縮小したが、YZF-R6、そして’19年にニンジャZX-6Rがモデルチェンジし、気を吐く。さらに、入門向けながら痛快なミドルスポーツとしてアプリリアが新作を投入予定。アグスタが新機軸のネオクラシックをデビューと、にわかに活況を呈してきた。
WEBヤングマシンで全33回にわたってお送りした新車アルバムをまとめたのがこのページ。カテゴリー別に分け、さらには排気量区分によりライバル車を直接比較しやすいように各ページにまとめてある。記事があるも[…]
- 1 正統派に加え、規格外の本格仕様やレトロ路線も
- 2 カワサキ ニンジャ ZX-6R/KRTエディション:余裕の+36㏄、126㎰のモアパワーが利く
- 3 ヤマハ YZF-R6:次世代ミドルSSの先陣を切った韋駄天
- 4 アプリリア RS660 コンセプト:新時代の扉を開く快楽FUNミドル
- 5 MVアグスタ スーパーヴェローチェ800:GP黄金期を再現したネオクラシックスーパースポーツ
- 6 スズキ GSX-R750:孤高のナナハン、北米で新色が登場
- 7 MVアグスタ F3 800/RC/アゴスチーニ:公道でも楽しい3気筒シリーズの上級版
- 8 MVアグスタ F3 675/RC:辛口マシンが斬新カラーでイメチェン
- 9 北米のみで継続販売ユーロ5対応はあるか?
- 10 写真をまとめて見る
正統派に加え、規格外の本格仕様やレトロ路線も
扱い切れないほどハイパワーのリッタースーパースポーツに対し、600〜800ccのスーパースポーツはより軽く小柄なボディと適度な出力が魅力。価格帯も控えめだ。
’90年代〜’00年代前半に600スーパースポーツが欧州でブームを呼んだが、今や市場が変化。’16年から欧州で適用された排ガス規制=ユーロ4に対応せず、そのまま消滅する可能性さえあった。しかし、ヤマハのYZF-R6が’17年型でいち早く規制に対応。同じくサーキット指向のニンジャZX-6Rが’19年型でモデルチェンジして話題になっている。
’19最新潮流は?
・一世を風靡した600SS路線の火は消えない
・アプリリアから魅惑の公道スポーツが登場予定
・人気のネオクラがこのクラスにも波及?
そもそも600ccという排気量はスーパースポーツ世界選手権などレース規則に準じた設定だったが、ピークパワーを重視した高回転型のため、公道では低中速域の力強さに欠ける場面も。そこでレースに縛られないチョイ足しの排気量帯が充実しているのが現状だ。
さらに昨年秋のショーで魅力的なコンセプトモデルが発表された。アプリリアのRS660は、操って楽しいスポーツ性を本気で追求した意欲作。MVアグスタのスーパーベローチェ800は、中身がスーパースポーツ、外観はネオクラシックの新機軸だ。クラスに新風を吹き込む2台の登場が待ち遠しい。
カワサキ ニンジャ ZX-6R/KRTエディション:余裕の+36㏄、126㎰のモアパワーが利く
サーキットから公道まで楽しめる絶妙な排気量636ccの直4を搭載。’19ではユーロ4に対応しつつ、ハイパワーの126psを発生する。さらに’18年型ニンジャ400/250と同様に逆スラントノーズの尖ったルックやフルLEDライトを手に入れた。同時にアップ対応のクイックシフターやブリヂストンS22タイヤを採用し、走りも強化されている。2段階式のパワーモードや3段階+オフが選べるトラコンは、従来型から継承。ETC2.0車載器を標準で搭載する。
'19でユーロ4対応とともにスタイルを一新するモデルチェンジを受けたカワサキNinja ZX-6R。600スーパースポーツの中にあってレースレギュレーションに縛られないプラス37ccの636ccを設定[…]
ヤマハ YZF-R6:次世代ミドルSSの先陣を切った韋駄天
サーキット指向のスパルタンな600スーパースポーツとして知られるYZF-R6。’17年型で9年ぶりにモデルチェンジを受け、YZF-R1譲りの技術を注入した。電制スロットルや可変ファンネルを備える従来型を基に、3種類のパワーモードや6段階トラクションコントロールシステムを追加。外観は、現行R1より最新デザインで、睨みの利いたLEDヘッドライトやアルミタンクが特徴。空気抵抗値を8%改善し、最高速もアップした。’19では青のグラフィックを変更し、新色の艶消しグレーを追加。国内には上記2色と’18継続の白、艶消し黒が入荷する。
'19でユーロ4対応とともにスタイルを一新するモデルチェンジを受けたカワサキNinja ZX-6R。600スーパースポーツの中にあってレースレギュレーションに縛られないプラス37ccの636ccを設定[…]
アプリリア RS660 コンセプト:新時代の扉を開く快楽FUNミドル
シンプルな設計で軽量コンパクト化を追求し、手軽に本格スポーツ可能なモデルとして提案される1台。心臓はRSV4 1100ファクトリーのV型4気筒から派生したミニマムな並列2気筒660ccを新設計。車体は、簡素なフレームにピボットレス構造を採用する一方、足まわりはオーリンズ+ブレンボと豪華だ。さらにボックス型ウイングまで備える。スペックは非公表ながら、俊敏かつしなやかな走りが期待できる。小排気量車からステップアップする若い世代に向けた戦略モデルの役割も担う。
ミラノショー(EICMA 2018)で発表されたアプリリアのコンセプトRS660は、そのエンジン形式と排気量の選定や、高い技術力によって極限までシンプル化されたフレームワーク、そしてRSV4を超えると[…]
MVアグスタ スーパーヴェローチェ800:GP黄金期を再現したネオクラシックスーパースポーツ
’60~’70年代前半のWGPを席巻した往年の500GPをモチーフとする1台。3気筒のF3 800をベースに、丸みを帯びたカウルに黄色のゼッケン風丸眼LEDライトを与えた。専用マップで出力をアップし、当時を再現した片側2本+1本出しマフラーも備える。ほぼ同じ姿で’19年後半に市販予定だ。
1945年に初のバイクを生産して以来、2輪史に数多の栄光を刻んできたMVアグスタ。その輝かしい足跡を支えた伝説的なバイクをトリビュートしたマシンは、'19年後半の市販化が予告されている。 アゴスチーニ[…]
スズキ GSX-R750:孤高のナナハン、北米で新色が登場
大型SSの祖となった初代’85年モデルから進化し続ける伝統マシン。欧州仕様はユーロ4に対応せず生産終了したが、北米仕様に新色としてホワイト×ブラックのツートン、単色のブラックを設定。日本では’18モデルがまだ購入可能となっている。
MVアグスタ F3 800/RC/アゴスチーニ:公道でも楽しい3気筒シリーズの上級版
675cc版を798ccにアップし、ストリートでも扱いやすい特性が自慢だ。’17でユーロ4に対応し、各部を改良。’19ではSTDに新色の赤と白を設定。WSSカラーのRCに新色と赤ホイールを採用し、付属レースキットの内容を変更した。アゴスチーニはアルミ鍛造ホイールを与えた豪華版。
MVアグスタ F3 675/RC:辛口マシンが斬新カラーでイメチェン
ショートストロークで超高回転型の3気筒に、モトGPマシンも採用する逆回転クランクを投入。675cc版はレースに対応した排気量設定となる。’19ではユーロ4に対応。従来にはない鮮やかなブルーを設定し、大胆にイメチェンした。800と同様、RCには新色と赤ホイールを与えた。
数々のロードレース世界選手権を制した輝かしい歴史を有するイタリアの名門バイクブランド・MVアグスタ。"Reparto Corse"(レパルト・コルセ=レーシング部門)を意味する「RC」の名を冠する20[…]
北米のみで継続販売ユーロ5対応はあるか?
欧州排ガス規制のユーロ4への対応を見送り、ついに現地でCBR600RRとGSX-R600が生産終了に。ただし、規制基準が異なる北米では今だ従来モデルが継続販売されている。600SSクラスが再び隆盛を見せれば、’20年から適用が開始される次期規制=ユーロ5に合わせて新型が投入される可能性はありそうだ。復活に期待!
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