パワーと軽量化で国産を引き離しにかかる!

令和に買いたい!【外国車 1000ccクラス スーパースポーツ】 2019ニューモデル大集合

スプリントにおける究極の「走る・曲がる・止まる」を追求したカテゴリー。国産勢が200ps足踏みをするなか、海外勢は200psを軽々と超えてきている。まさしくMotoGPレプリカといえるドゥカティに最強直4のBMW、ウイング付き1100ccのアプリリアと百花繚乱だ。

スペックと個性で日本車を上回る海外勢

2008年頃から国産スーパースポーツの開発競争に陰りが見えるなか、まずBMWが放ってきたのはS1000RRだった。フィンガーフォロワーロッカーアームなどを採用した直4エンジンは当時最強を誇り、本誌が開催した0-1000m加速テストではメガスポーツを打ち負かす場面すらあったほど。このエンジンは約10年にわたってトップパフォーマーであり続けたが、2015年前後からはじまった日本車の逆襲を機に、ついに2019年、新型S1000RRを投入した。

ドゥカティはもっと過激だ。1300ccに迫るVツインエンジンでスーパーバイクシリーズを展開(SBKには1200ccバージョンで参戦)していたが、2018年にドゥカティ量産車初のV4エンジンを搭載したパニガーレV4/Sを発売。1103ccから214psを発揮し、プロライダーでも直線が短く感じるほどの暴れ馬っぷりを発揮したかと思えば、翌年モデルには998ccで221ps、さらにはウイングまで備えるという、スーパーバイク世界選手権のホモロゲーションモデルというよりも単純にモトGPレプリカと言ったほうがいいのでは、というパニガーレV4Rを登場させたのだ。

黒船はこれだけじゃない。アプリリアはRSV4を1078cc化してウイングを搭載。MVアグスタは100台限定の特別仕様で998cc/215psを投入し、台湾からは電動スーパースポーツのスーパーネックスが走行テストを重ねているという。

トータルバランスに秀でる日本車に比べ、きらめくような個性が躍動しているのが外国産スーパースポーツなのだ。

ドゥカティ パニガーレV4R/V4/スペシャル/V4S/コルセ:圧巻221㎰+ウイングを引っ提げ、真打ちの「R」バージョン参上

長年、旗艦スポーツとして君臨したLツインに替わり、’18年に投入された新世代のV4マシン。214psを発生する1103ccのV4/Sに続き、’19では真打ちと呼ぶべきサーキット向けの「V4R」がデビューする。ボアφ81mmはそのままに、ストロークを53.5→48.4mmにショート化し、レース向けの出力特性とした998cc専用エンジンで怒濤の221psをマーク。さらにオプションのアクラポビッチ製レース用マフラーを装着するだけで234psを達成する。外装も空気抵抗を減らした専用設計で、モトGPマシン譲りのウイングレットまで投入。大きな話題を呼んでいる。

【DUCATI PANIGALE V4R 2019】主要諸元■水冷4ストV型4気筒DOHC4バルブ 998cc 221ps/15250rpm 11.4kg-m/11500rpm 193kg 16L シート高830mm ●価格:455万円
【PANIGALE V4R】V4Sから軽量&高剛性化を促進した専用フレームで2kg減を達成。クラス最軽量の193kgに到達した。レースでの使用を前提とし、スイングアームは可変ピボット式。前後サスはオーリンズの機械調整式となる。
【PANIGALE V4R】8段階式トラコンほか電脳の充実度は随一。あらゆる場面に緻密な制御を行う。Rではプロライダーの要求に応える介入ロジックやピットリミッターも新採用。
【DUCATI PANIGALE V4R 2019】●価格:455万円
【DUCATI PANIGALE V4S CORSE 2019】●価格:352万5000円
【DUCATI PANIGALE V4S SPECIALE 2019】●価格:455万円
【DUCATI PANIGALE V4S 2019】●価格:331万円
【DUCATI PANIGALE V4 2019】●価格:265万9000円
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BMW S1000RR/Mパッケージ:直4最軽量と207㎰を達成、最強の一角へ

’09年に日本車キラーとしてデビュー以来、熟成を重ねるゲルマンスーパースポーツ。’19で初の完全新設計とし、エンジンは従来の199psから8ps増の207ps、車重は208→197kgと大幅な減量を実現した。さらにシフトカムを新採用し、幅広いトルクバンドを獲得している。車体は、フレックスフレームと呼ばれる新作でコンパクトになったほか、サスやスイングアームも全面改良。顔は左右対称となり、LEDヘッドライトも導入。さらに新設定された上級版「Mパッケージ」は、可変ピボットと車高調整機能キット、専用色などのほか、カーボンホイールや軽量バッテリーなどで直4最軽量の193.5kgを達成した。「M」は4輪でおなじみ、スポーツ仕様の称号だ。

【BMW S1000RR Mパッケージ 2019】主要諸元■水冷4スト並列4 気筒DOHC4バルブ 999cc 206.7ps /13500rpm 11.5kg-m/10500rpm 193.5kg 16.5L シート高824mm ●価格:267万7000円 ●発売時期:2019年7月
インテーク側のカムシャフトにシフトカム機構を備えることから、特徴的な溝の加工(右側)が見られる。
新設計の直4は単体で4kg軽量化。吸気側バルタイに加え、リフト量まで可変するシフトカムを投入した。圧縮比は13→13.3へ。
従来のアナログタコ+液晶から、6.5インチのフルカラーTFTに変更。常に視認性を確保でき、画面表示は3パターンから選べる。
【BMW S1000RR 2019】主要諸元■水冷4スト並列4 気筒DOHC4バルブ 999cc 206.7ps /13500rpm 11.5kg-m/10500rpm 197kg 16.5L シート高824mm ●価格:227万7000円 ●発売時期:2019年7月
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キムコ スーパーネックス:新時代の電動スーパースポーツ、加速はH2すら凌駕

世界的に有名な台湾のスクーターメーカー、キムコが放つ電動(EV)スポーツ。ゼロ発進からほぼ100%のトルクを発生させるモーターに、チェーン駆動と6速ミッションを組み合わせ、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/hは7.5秒(ニンジャH2は約7.9秒)と圧倒的。回転数に応じて高まるモーター駆動音により、EVでは難しい感性に訴える要素まで盛り込む。車体はSS定番のアルミツインスパーとや前後オーリンズで武装。4種のパワーモードほか電子制御も充実している。発売時期は未定。

【KYMCO SUPERNEX】[Concept Model]
メーターやキーレスエントリーまで造り込まれ、市販化への本気度が伺える。中央には同社製スクーターでおなじみのナビも表示。
通常のエンジンの位置がモーター、タンクの部分がバッテリーと見られる。ラジエターを備え、モーターは水冷式のようだ。
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アプリリア RSV4 1100ファクトリー:ボックス型ウイングを獲得

パニガーレV4が登場するまで、SBK唯一のV4スポーツとして君臨してきたRSV4。’19ではボアの拡大で排気量を999→1078ccにアップした1100が追加された。従来の204psに対し、220psと大幅なパワー増強を果たしたほか、新型チタンマフラーなどで5kgマイナスの199kgに到達。ボックス形状のウイングやカーボン外装も新たに獲得している。この最新型は3月の東京モーターサイクルショーに出品される予定だ。

【APRILIA RSV4 1100 FACTORY FACTORY 2019】主要諸元■水冷4ストV型4気筒 1078cc 220ps 11.7kg-m 199kg 18.5L シート高851mm ●価格:286万2000円 ●入荷時期:5月下旬(受注はすでに開始)
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【MV AGUSTA F4 CLAUDIO】■水冷4 スト並列4気筒 998cc 214.9ps 11.7kg-m 183kg(乾) 17L シート高830mm ●入荷未定
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MV AGUSTA RC MODEL[2019]

ドゥカティ 1299 パニガーレR ファイナルエディション:フィナーレを飾るSBK系Lツインの究極仕様

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【DUCATI 1299 PANIGALE R Final Edition 2019】主要諸元■水冷4ストL型2気筒 1285cc 209ps 14.5kg-m 190kg 17L シート高830mm ●価格:455万円
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2019世界の新車総図鑑(ドゥカティ)

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【DUCATI 959 PANIGALE / Corsa 2019】主要諸元■水冷4ストL型2気筒 955cc 150ps 10.4kg-m 200kg 17L シート高830mm ●価格:207万5000円~
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