2016年に登場した959パニガーレだけでなく、その前モデル・899パニガーレ(2014年登場)時代から1グレード設定だったミドル・パニガーレに、初となる上級バージョンが設定された。その名も「コルサ」。イタリア語で競争やレースを意味する言葉通り、レースレギュレーションから外れた排気量設定でストリートユースも守備範囲とする959パニガーレを、見事にレーシングスピリットあふれる仕様へと仕立て直している。
オーリンズ&チタン管で武装。さらにモトGPカラー!
その仕様は兄貴分・1199/1299パニガーレの「S」に相当するもので、前後のサスペンションをオーリンズ製(非・電子制御タイプ)とし、ステアリングダンパーもオーリンズに。さらにアクラポビッチ製のチタンデュアルマフラーとリチウムイオンバッテリーでSTDの959パニガーレ(装備重量200kg)から2.5kgを軽量化。トドメはモトGPレプリカと言えそうな赤/白のツートーンカラーだ。
注目なのはこのチタンマフラーが型式認証済みということ。つまり、このマフラーを装備して日本の公道を走行できるのだ。それでいて2人乗りのビポスト仕様とする点など、959パニガーレ・コルサはミドルスーパーバイクの初心を忘れていない……とも言える。
150ps/10500rpm・102Nm/9000rpmを発揮する955ccのLツインエンジンはもちろん、STDの959パニガーレが持つABSやトラクションコントロール、クイックシフト、ライドバイワイヤによる3つのライディングモードといった電子制御は踏襲。兄貴分よりも扱いやすいと評価の高い走りはそのままに、オーリンズがもたらす上質な乗り味が付加されているはずだ。
兄貴分のビッグ・パニガーレがV4へと移行(Lツインの1299パニガーレR・ファイナルエディションは残るが)したことで、現行ドゥカティでは唯一のモノコックフレーム車となった959パニガーレ。ひょっとしたら、「ミドルV4パニガーレ」も登場を控えているかもしれず、仮にそうなれば、世界中に衝撃を与えた超独創の車体レイアウトも959パニガーレ・コルサが見納めとなるのかもしれない。価格は235万1000円。STDの959(205万9000〜208万9000円)との装備差を考えれば割安な設定と言えるだろう。