スプリントにおける究極の「走る・曲がる・止まる」を追求したカテゴリー。国産勢が200ps足踏みをするなか、海外勢は200psを軽々と超えてきている。まさしくMotoGPレプリカといえるドゥカティに最強直4のBMW、ウイング付き1100ccのアプリリアと百花繚乱だ。
WEBヤングマシンで全33回にわたってお送りした新車アルバムをまとめたのがこのページ。カテゴリー別に分け、さらには排気量区分によりライバル車を直接比較しやすいように各ページにまとめてある。記事があるも[…]
- 1 スペックと個性で日本車を上回る海外勢
- 2 ドゥカティ パニガーレV4R/V4/スペシャル/V4S/コルセ:圧巻221㎰+ウイングを引っ提げ、真打ちの「R」バージョン参上
- 3 BMW S1000RR/Mパッケージ:直4最軽量と207㎰を達成、最強の一角へ
- 4 キムコ スーパーネックス:新時代の電動スーパースポーツ、加速はH2すら凌駕
- 5 アプリリア RSV4 1100ファクトリー:ボックス型ウイングを獲得
- 6 MVアグスタ F4/RR/RC/LH44/クラウディオ:名物社長に捧げる豪華限定車デビュー
- 7 ドゥカティ 1299 パニガーレR ファイナルエディション:フィナーレを飾るSBK系Lツインの究極仕様
- 8 ドゥカティ 959 パニガーレ/コルサ:ミドル版の弟分はLツインの火を守る
- 9 写真をまとめて見る
スペックと個性で日本車を上回る海外勢
2008年頃から国産スーパースポーツの開発競争に陰りが見えるなか、まずBMWが放ってきたのはS1000RRだった。フィンガーフォロワーロッカーアームなどを採用した直4エンジンは当時最強を誇り、本誌が開催した0-1000m加速テストではメガスポーツを打ち負かす場面すらあったほど。このエンジンは約10年にわたってトップパフォーマーであり続けたが、2015年前後からはじまった日本車の逆襲を機に、ついに2019年、新型S1000RRを投入した。
ドゥカティはもっと過激だ。1300ccに迫るVツインエンジンでスーパーバイクシリーズを展開(SBKには1200ccバージョンで参戦)していたが、2018年にドゥカティ量産車初のV4エンジンを搭載したパニガーレV4/Sを発売。1103ccから214psを発揮し、プロライダーでも直線が短く感じるほどの暴れ馬っぷりを発揮したかと思えば、翌年モデルには998ccで221ps、さらにはウイングまで備えるという、スーパーバイク世界選手権のホモロゲーションモデルというよりも単純にモトGPレプリカと言ったほうがいいのでは、というパニガーレV4Rを登場させたのだ。
黒船はこれだけじゃない。アプリリアはRSV4を1078cc化してウイングを搭載。MVアグスタは100台限定の特別仕様で998cc/215psを投入し、台湾からは電動スーパースポーツのスーパーネックスが走行テストを重ねているという。
トータルバランスに秀でる日本車に比べ、きらめくような個性が躍動しているのが外国産スーパースポーツなのだ。
ドゥカティ パニガーレV4R/V4/スペシャル/V4S/コルセ:圧巻221㎰+ウイングを引っ提げ、真打ちの「R」バージョン参上
長年、旗艦スポーツとして君臨したLツインに替わり、’18年に投入された新世代のV4マシン。214psを発生する1103ccのV4/Sに続き、’19では真打ちと呼ぶべきサーキット向けの「V4R」がデビューする。ボアφ81mmはそのままに、ストロークを53.5→48.4mmにショート化し、レース向けの出力特性とした998cc専用エンジンで怒濤の221psをマーク。さらにオプションのアクラポビッチ製レース用マフラーを装着するだけで234psを達成する。外装も空気抵抗を減らした専用設計で、モトGPマシン譲りのウイングレットまで投入。大きな話題を呼んでいる。
2018年に全世界で5万3004台のモーターサイクルを販売したドゥカティは、これによって2015年以来、4年連続で年間5万台以上のモーターサイクル販売を達成。このうちパニガーレファミリーは、マーケット[…]
BMW S1000RR/Mパッケージ:直4最軽量と207㎰を達成、最強の一角へ
’09年に日本車キラーとしてデビュー以来、熟成を重ねるゲルマンスーパースポーツ。’19で初の完全新設計とし、エンジンは従来の199psから8ps増の207ps、車重は208→197kgと大幅な減量を実現した。さらにシフトカムを新採用し、幅広いトルクバンドを獲得している。車体は、フレックスフレームと呼ばれる新作でコンパクトになったほか、サスやスイングアームも全面改良。顔は左右対称となり、LEDヘッドライトも導入。さらに新設定された上級版「Mパッケージ」は、可変ピボットと車高調整機能キット、専用色などのほか、カーボンホイールや軽量バッテリーなどで直4最軽量の193.5kgを達成した。「M」は4輪でおなじみ、スポーツ仕様の称号だ。
ついに正式発表となったBMWの新型S1000RR/M Package(Mパッケージ)。本誌が予想したとおり可変バルブタイミングシステム搭載の約207psモンスターとして登場だ。 STDでも197kg、[…]
キムコ スーパーネックス:新時代の電動スーパースポーツ、加速はH2すら凌駕
世界的に有名な台湾のスクーターメーカー、キムコが放つ電動(EV)スポーツ。ゼロ発進からほぼ100%のトルクを発生させるモーターに、チェーン駆動と6速ミッションを組み合わせ、0→100km/h加速は2.9秒、0→200km/hは7.5秒(ニンジャH2は約7.9秒)と圧倒的。回転数に応じて高まるモーター駆動音により、EVでは難しい感性に訴える要素まで盛り込む。車体はSS定番のアルミツインスパーとや前後オーリンズで武装。4種のパワーモードほか電子制御も充実している。発売時期は未定。
台湾のメーカーであるキムコは、スクーターが主戦力として知られているが、充電インフラへの投資やEVの開発で一気に飛躍しようとしている。アレン・コウCEOの牽引力が時代を動かす! アレン・コウCEOはバイ[…]
アプリリア RSV4 1100ファクトリー:ボックス型ウイングを獲得
パニガーレV4が登場するまで、SBK唯一のV4スポーツとして君臨してきたRSV4。’19ではボアの拡大で排気量を999→1078ccにアップした1100が追加された。従来の204psに対し、220psと大幅なパワー増強を果たしたほか、新型チタンマフラーなどで5kgマイナスの199kgに到達。ボックス形状のウイングやカーボン外装も新たに獲得している。この最新型は3月の東京モーターサイクルショーに出品される予定だ。
元WSSチャンピオンのチャズ・デイビスは、この5年間、ドゥカティのファクトリーチームでVツインのパニガーレRに乗り、2015年、'17年、'18年に選手権の2位を獲得した。だが、ますます速くパワフルに[…]
MVアグスタ F4/RR/RC/LH44/クラウディオ:名物社長に捧げる豪華限定車デビュー
「走る宝石」と称賛される同社の美麗SSがF4。新作のクラウディオは、’11年に死去した社長の名を冠した特別仕様で、最新のF4 Reparto Corseをベースに最高出力を208→215psにアップ。カーボンカウル&ホイール、チタンマフラーなどを与えた。100台限定生産となる。
数々のロードレース世界選手権を制した輝かしい歴史を有するイタリアの名門バイクブランド・MVアグスタ。"Reparto Corse"(レパルト・コルセ=レーシング部門)を意味する「RC」の名を冠する20[…]
ドゥカティ 1299 パニガーレR ファイナルエディション:フィナーレを飾るSBK系Lツインの究極仕様
長らく君臨したスーパーバイク用Lツインのラストモデルが、このFE(ファイナルエディション)。209psにまで磨いた1285ccの最強ツインをカーボンモノコックフレームに搭載し、オールチタンマフラー、オーリンズ製の機械式ショック+マルケジーニ鍛造ホイールで武装する。
2018年10月のインターモトショーから11月のミラノショーにかけて、世界のニューモデルが一気に登場したことは記憶に新しいだろう。WEBヤングマシンでは新車情報を逐一お届けしてきたが、本特集「2019[…]
ドゥカティ 959 パニガーレ/コルサ:ミドル版の弟分はLツインの火を守る
レースに縛られない排気量設定でミドルスポーツとしての楽しさを追求したパニガーレの弟分。Lツイン955ccをアルミモノコックフレーム+両持ちスイングアームに搭載し、ショーワ製フォークとザックス製モノショックで足まわりを固める。コルセは専用色やオーリンズサスなど備える。
2016年に登場した959パニガーレだけでなく、その前モデル・899パニガーレ(2014年登場)時代から1グレード設定だったミドル・パニガーレに、初となる上級バージョンが設定された。その名も「コルサ」[…]
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