KTMが誇るネイキッドのデュークシリーズにブランニューの790DUKEが国内に登場。これに合わせて2018年4月12日、筑波サーキットのコース1000でサーキット試乗会が開催された。本誌メインテスター・丸山浩の全開インプレをお届けしよう。 ※ヤングマシン2018年6月号(4月24日発売)より
ヤマハMTのガチンコ対抗馬だ!
まずは今回、国内でも発売開始となった最新の790デュークからだ。このモデルはいわゆるミドルクラス帯をターゲットとしており、これまでの690デュークの後継となるもの。単気筒だった690に代わって、新たにKTMとしては初となる並列2気筒エンジンが搭載された。「LC8c」と名付けられたこの新エンジンは、435度という特徴的な爆発間隔を持ち、1290スーパーデュークRに搭載されているVツインのようなフィーリングを持っている。まあ、ここは味付けというより速さを求めたためだろう。
それだけに実にパワフルだ。ヤマハのMT‐07(688㏄・73㎰)に近いパラツインながら、パワーは3気筒のMT-09 (845cc・116ps)に近い103㎰を発揮。そして、フルカラー液晶のメーター、豊富なモードが選べるトラコンやコーナリングABSといった電子制御、足まわりのクオリティでは、その09を超えている部分も持っている。MTの07か09のどちらにしようかなとユーザーが迷っている中間部分へストレートに突っ込んできたという感じだ。
それはライディングモードを通したマシンの性格にも表れている。ストリートモードではスロットルレスポンスだけでなく、早めのトラコン介入や予期せぬウイリーの抑制具合など、実にマイルドな仕上がりだ。しかし、スポーツや最強のトラックモードを選ぶとやっぱりKTMらしい過激なマシンへと変貌。ABSにはリヤのみキャンセルするスーパーモトモードまであり、テールスライドだって楽しませてくれる。これまでのKTMは「READY to RACE」な過激さが前面に出ていたけど、これからは乗りやすさとの両立も目指していると感じた。 ※テスター:丸山浩
主要諸元■全長・全幅・全高未発表 軸距1475 シート高825(各㎜) 乾燥重量約169㎏■水冷4スト並列2気筒DOHC4バルブ 799㏄ 103㎰/9000rpm 8.77 ㎏-m/8000rpm 燃料タンク容量約14ℓ ■ブレーキ F=W ディスク R= ディスク■タイヤサイズ F=120/70ZR17 R=180/55ZR17
「2018新型790DUKEはMT-09といい勝負」記事はこちらへ
ニュース提供:ヤングマシン2018年6月号(4月24日発売)
テスター:丸山浩
まとめ:宮田健一
撮影:山内潤也