国内で試乗会が開催

2018新型790DUKEはMT-09といい勝負

2018年4月12日、筑波サーキットのコース1000でKTMのDUKE=デュークシリーズの試乗会が開催された。今やKTMの主力シリーズになるまで勢力を拡大したこのシリーズに、2018年モデルで待望のアッパーミドル「790デューク」が新登場。丸山浩さんのインプレを速報でお届けしよう。

ネイキッド戦線に名乗り

1994年から歴史が始まったKTMのデュークシリーズ。2005年にはVツインエンジンの990スーパーデューク、2011年は125デューク、2014年は1290スーパーデュークRが発売するなど、24年間で小排気量から大排気量までフルレンジのラインナップを完成させている。しかし、苦戦していたのがアッパーミドルクラスで、ヤマハのMT-07/MT-09などの人気モデルに対抗できる機種が単気筒エンジンの690デュークしかない状況だった。そこで2018年、KTMは600~900ccのネイキッド市場に本格的に参入するため完全ブランニューとなる790デュークを投入した。799ccの並列2気筒エンジンは完全新設計で、上級モデルが採用している75度Vツインエンジンの設計思想を受けついで、75度位相のクランクシャフトを採用。フレームはこれまでのデュークシリーズにはない新コンセプトとなり、電子制御はフル装備。最も戦いが熾烈なクラスでKTMはトップを狙う構えだ。

800ccの性能を備えた600ccサイズのエンジンとなるように開発されたLC8cの最高出力は77kW=104.7ps(799cc)で日本仕様は103ps。ターゲットとなるMT-07(688cc/73ps)、MT-09(845cc/116ps)よりも真横からの面積が小さくなるようコンパクトに設計されている。75度位相のクランクシャフトを採用するが、エンジン自体も剛性部材となるようにするためバランサーシャフトを装備した。吸気系は電子制御スロットルを採用だ。

軽量化を果たすため790デュークは、他のデュークシリーズのトレリスタイプと異なりダイヤモンドフレームを採用した。エンジンも剛性部材とすることでこのパッケージが可能となっている。ダイキャストのシートレールは、それ自体が外装デザインの一部となるように造形が施され、パーツ点数や重量増を抑えるように意図された。

790デュークのハンドルまわりは可変ポジションを採用。クランプ位置が4ポジション、ハンドルバーが3ポジションの計12通りから好みの位置を選ぶことができる。また、シート高は825mmと高めとなるがオプションのローシートで805mm、さらに車体に手を加えることで780mmまで調整することが可能だ。

丸山インプレは「MT-09といい勝負!」

これはストリートモードだと乗りやすいネイキッドバイク。だけど、トラックモードでABSを切ったり、ウイリーコントロールを切ったり、トラコンも切ったりすると、気持ちよく走るねぇ! 比較対象はMT-07、MT-09になるだろうけど09の面白さがこの排気量である程度手に入る。液晶とかトラコンとかの電子制御が満載で、MT-09の美味しいところをパラツインで上手く作っているという形で、ここは07より上、値段なりなんですよね。MT-07かな、09かなというところに思いっきりどストレートに790デュークが入ってくるっていう感じがしましたね。※談、詳細なインプレは4月24日発売のヤングマシン6月号に掲載予定

【KTM 790DUKE 2018年型日本仕様 価格:112万9000円 発売時期:5月中旬】ライダー及びインプレはヤングマシンメインテスター丸山浩さん。筑波サーキットでライディングモードを細かくチェックした。写真はトラックモードでウイリー制御をオフにした時の走り。MT-09も過激さが身上だったが、負けていないという。撮影:山内潤也

電子制御は最高峰スーパースポーツ並み

790デュークは電子制御スロットルと5軸の姿勢センサーを活用したMTC(=モーターサイクル トラクション コントロール)とMSR(=モーター スリップ レギュレーション)を装備した。MSRはブレーキング時にリヤのホッピングを防ぐためエンジンブレーキをコントロールする制御となる。また、姿勢センサーはコーナリングABSにも活用され、クイックシフター+(プラス)はアップだけでなくダウンシフトでもクラッチを握る必要がないタイプ。これに加え、スポーツ、ストリート、レイン、トラックの4つのモードからなるライディングモードを用意している。

これで電子制御サスが装備されれば300万円クラスのSSと同じレベルとなるくらい盛りだくさんの電子制御機能を持つ。インフォテインメントの部類では、ブルートゥースで接続したスマートフォンの着信や再生中の音楽がメーターに表示され、ハンドルのスイッチで操作することができるKTM MY RIDEをオプション設定している。

主要諸元

<エンジン>
エンジン型式: 水冷4ストローク並列2気筒DOHC 4バルブ
総排気量: 799 cc
ボア×ストローク: 88 x 65.7 mm
最高出力: 77 kW (105 hp)/ 9,000 rpm
最大トルク: 86 Nm / 8,000 rpm
圧縮比: 12.7 : 1
始動方式: セル式
変速機: 6速
燃料供給方式: Dell’Orto製DKK(スロットルボディ: 42 mm)
潤滑方式: オイル圧送式(2 ポンプ)
一次減速比/二次減速比: 39 : 75 / 16 : 41
クラッチ: PASCスリッパークラッチ
マネージメント / イグニッション:BOSCH製EMS / RIDE-BY-WIRE (RBW)
トラクションコントロール:BOSCH製 MTC ※3モード+トラックモード ※MTC解除可能
<シャシー>
フレーム: クロームモリブデン鋼 フレーム(パウダーコート)
サブフレーム: アルミニウム(パウダーコート)
ハンドルバー: アルミニウム Φ28 / 22 mm
サスペンション (F): WP製倒立フォーク Φ43 mm
サスペンション (R): WP製モノショック
サスペンションストローク(F / R):140 mm / 150 mm
ブレーキ (F / R): ダブルディスクΦ300 mm /ディスクΦ240 mm(BOSCH 9.1 MP)
※Super Moto モード・解除可能
※コーナリングABS付
ホイール (F / R): 3.50 x 17” / 5.50 x 17”
タイヤ (F / R): 120 / 70 ZR – 17” / 180 / 55 ZR – 17”
キャスター角: 66°
ホイールベース: 1,475 mm ± 15 mm
最低地上高(無負荷): 186 mm
シート高 : 825 mm
燃料タンク容量: 約14 ℓ
乾燥重量: 約169 kg
乗車定員: 2名
カラーバリエーション: オレンジ / ブラック
保証期間: 2年間
生産国: オーストリア

いち

いち

記事一覧を見る

本誌編集長。雑誌は生き残りタイアップ全盛期だというのに、ひとり次期型ネタを嗅ぎまわって反感を買う現代のスクープ魔王。
■1972年生まれ
■愛車:BMW R100GS(1988)

この著者の最新の記事

関連記事