小さなポケットバイクをベースに往年の名車を再現する。ホンダ社内で行われる若手モデラー育成プロジェクト「模刻」のデキがあまりにも見事なのでWEBでもご紹介しよう。
●文:牧田哲朗 ●撮影:長谷川徹 ●撮影協力:本田技術研究所二輪R&Dセンター ※ヤングマシン2016年4月号掲載記事をベースに再構成 ※本内容は記事公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
造形のキモを解釈してまったく違う寸尺で再現
模刻によって小さな車体が光り輝く宝石へと昇華する。「模刻?」とはなにやら普段聞き慣れない言葉。ウィキペディアによると、僧侶が修行の一環として仏像の複製を制作することなどとある。造語ではなく昔からある言葉らしい。このホンダの模刻というプロジェクトで制作されたマシン達は、まさに小さな宝石のような輝きを放つ。
ホンダの模刻プロジェクトは、入社5年以内のモデラー達の勉強として、自分が好きなデザインのマシンを選択し、ポケバイの74 ダイジロウをベースにひとりで作り上げる一種の研修作業。もちろん日常業務をしっかりこなしつつ、時間をやりくりしてコツコツと作り上げていく。なるほど、イメージとしては仏像を複製していく僧侶の修行に相通じるものがある。
デザインを知らない人なら、「ただ現車を縮小するだけで簡単じゃん」と思うかもしれないが、デザインとはそんな甘いものではない。まずポケバイのホイールベースやタイヤ、しかも乗車できなければならないという、かなり厳しい制約がある。だから単純にデザインを縮小すればいいというものじゃなく、この制約の中にベースマシンの持つデザインを破綻させないようなデフォルメ。つまり小さくても完結したデザインを作る必要があるのだ。
だからひと目で、どんなマシンなのかがわかる。へたをすると原寸車と見間違えてしまうほどの特徴が、小さな車体サイズに集約され光り輝いているのだ。
クレイに約2カ月・制作に約2カ月。すべての工程を1人行う
マシンの選択からクレイモデルの制作、さらに各種パーツ類の制作や塗装に至るまで全てを、モデラー1人が1台を担当し作り上げる。
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