
都会の喧騒から逃れてアクアラインを通れば、そこは潮の香りが漂うツーリングエリア。江戸時代には日本橋との船が行き交った木更津には、今も風情を感じられるスポットが多く点在している。
●文と写真:酒井正樹
高速に乗らないと行けない海ほたるPA
編集部がある上野を出発して渋滞している国道4号線に入った。車重が137kgと軽くてスリムなので市街地はとても走りやすい。通勤通学にはもってこいのバイクだ。そして目的のICから首都高速に入った。高速に入るレーンで加速していくと、バルブタイミングが高速向けに可変するVVAにより7,000回転ぐらいからグンとスピードが伸びていく。そのおかげで高速を走る車の流れに余裕を持って乗ることが出来た。
後で館山自動車道でも感じたが、高速に入るレーンの短い距離で加速して高速の流れに不安なく乗れるというのは、高速道路を走る上で恐怖心を減らす一つの要素ではあり、このVVAのおかげで高速の合流は全く心配なく出来た。
アクアラインを渡るとそこは…
首都高速の環状線から横浜方面に向かい、レインボーブリッジを渡った。ここから見る東京湾の景色は、東京を象徴する景観の一つと言ってもいいくらい素晴らしい景色だといつも思う。当初、155ccだから高速走行はどうかな…とちょっと懸念していたが、それはすぐに払拭されて、周囲の景色を楽しみながら高速を走れるのが楽しい。
海に浮かぶ東京湾アクアラインの海ほたるPAからアクアブリッジを望む。
お台場に入り、湾岸線の多摩川トンネルから分岐路を通りアクアトンネルに入った。全長9.5kmで最長の海底道路トンネルとしてギネスに登録されたこともあるアクアトンネルを抜け、海ほたるPAに入った。高速に乗らなければいけない場所、海に囲まれた海ほたるPAもその一つだ。
恐怖の風速18mのアクアブリッジ
海ほたるPAで小休止をして、橋梁部の全長が4.4kmと日本一の長さを誇るアクアブリッジに入った。生憎、風速18mという強風(20mくらいでバイクは通行止め)で、車体が軽いのでかなり煽られるのでは…という心配はあったが、突風による恐怖心とは別にフレームの剛性が高いおかげで強風でも安定して走れて不安なく橋を渡ることができた。
袖ヶ浦海浜公園タワーからの眺望。左手には千葉フォルニアが見える
さて、木更津市に入り、まずは袖ヶ浦公園に向かった。千葉フォルニアと言われて映えスポットして人気の高かったヤシの木並木も、今は木の枝に「路駐禁止」のシートが巻かれて風情は少ない。しかし、袖ヶ浦公園の展望塔から見る海とヤシの木の景観は素晴らしく、ぜひ、立ち寄って欲しいポイントだ。
江戸日本橋と船が往来していた木更津
お勧めのアクアブリッジ直下のポイント。沖縄に行かなくてもこんな写真が撮れる。
ヤシの木並木の他にも木更津市内には映えスポットが点在していたのだが、海上に並ぶ電柱の景色で有名となった江川海岸の海中電柱は撤去され、また、同じく海中電柱が立つ牛込海岸は私有地により入れず、久津間海岸もゲートが閉まっていて鳥居が地中に埋まっているような水神社の一の鳥居にも近づけなくなっていた。
SNS時代なので、映えスポットが拡散すると多くの人が訪ねてトラブルが起きやすくなり、結果立ち入り禁止になってしまう。各々のマナーに委ねるべきだろうが残念である。
高さ27m、長さ236mと日本一高い歩道橋の中の島大橋。「木更津キャッツアイ」のロケ地としても有名だ。
そして、木更津市のシンボルとも言える中の橋大橋や歌舞伎の舞台でもある見染め松などがある鳥居崎海浜公園に立ち寄り、木更津市街を後にして富津岬へと向かった。
木更津グルメと戦争遺跡
東京湾のパノラマビューが望める富津岬 展望台。富士山の夕陽スポットでもある。
好天時には東京湾越しに富士山が見える風光明媚な富津岬だが、岬一帯には明治時代に東京湾要塞の一部として築かれた砲台跡や監視的所などが点在している。特に中の島公園は富津元洲堡塁砲台があったところで多くの戦争遺跡が点在しているので、興味のある方はぜひ散策してみてはいかがだろうか。
さて、木更津富津のグルメだが、海沿いということで海鮮を食せる食事処が点在している。特に中の島大橋がある鳥居先海浜公園周辺は美味しいお店も多い。ランチタイムや定休日を事前にチェックしておくのがお勧めだ。
今回のルート
YAMAHA XSR155
とにかくエンジンがパワフル。7000回転くらいでバルブを可変するVVAにより、低中速ではトルクフルに、そしてアクセルを回すとグワっとエンジンが回る。ギアは6速。高速道路での巡航や追い越しはもとより、車の動きに瞬時に対応して走る市街地ではイメージしたラインを走れるのが嬉しい。単気筒ながら最高出力を1万回転で、最大トルクを7500回転で発生させているのも頷ける。そして、そのエンジンの出力以上にフレームの剛性が高く、よく効く前後ディスクブレーキとヤマハらしい軽快なハンドリングで、乗って操る楽しみを享受できる。しかもアクセルを回しっ放しで走って燃費が37km/L! 155ccだから…と思っていた自分を恥じたいほどに驚かされた走るのが楽しいバイクだ。
●全長×全幅×全高(mm):2,005×805×1,075 ●シート高:810mm ●車両重量:137kg ●燃料タンク容量:10L ●エンジン:水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ155㎤ ●最高出力:14kW(19PS)/10,000r/min ●車両価格:539,000円
※今回の平均燃費:37.4km/L
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