●文:モーサイ編集部(根本健) ●イラスト:藤原らんか
上半身をインへズラす→曲がり始まるレスポンスが遅い/路面コンディションが良くないと効果が低い
寒ければ路面温度も低く、当然のことながらタイヤも滑りやすい。そうした状況で曲がりくねったワインディングを走るとき、バイクのバンク角を抑え身体だけ重心を内側へズラす“リーンイン”のフォームをとるライダーが多い。
ただこのリーンイン、上半身だけ内側へ入れるフォームだと、条件が揃っていないと効果もそれほどでなかったりする。
まず、曲がり始まるまでのレスポンスが遅くなる。上半身を横へズラしている動きの間、バイクはやや曲がり始めるものの、重心位置が安定したときの旋回まで曲がり方は鈍い。
またサーキットならともかく、あまり上半身が車体から離れた位置関係となると、バンク角は浅くてもリヤタイヤへ横方向に遠心力が働き、ズズーッと外側へ徐々にスライドする可能性もある。
旋回時間が長いコーナーで、路面も良好であればウエットなどで効果を発揮するが、条件が良くないときはあまりお奨めできない。
少しズラしたお尻のアウト側でシートへ体重を載せ、アウト側の膝頭と太ももで車体をホールド
路面温度の低さにタイヤのスリップを警戒するリーンインは、ツーリングなど一般道路では下半身だけにしたほうが安心だ。
カーブが始まる箇所のひと呼吸だけ手前から、お尻の片方のほっぺひとつ分だけイン側へズラし、そのアウト側のお尻でシートへ体重を載せ、曲がろうと思うときに上半身から腰までの内側でダラッと支えていたのを緩めると、体幹で重心が内側の下方向へ移動するので、遅れることなく曲がり始める……
※本記事は2023年2月23日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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