HONDA GB250 CLUBMAN 1983~1997model

硬派な生まれからカジュアル路線へ──ホンダ「GB250クラブマン」はデビューから6年で何が変わり、ロングセラーになったのか

硬派な生まれからカジュアル路線へ──ホンダ「GB250クラブマン」はデビューから6年で何が変わり、ロングセラーになったのか

●記事提供: ライドハイ編集部 ●文:根本健 ●写真:ホンダ

ホンダのスポーツバイク原点、CB72とマン島T.T.イメージを詰め込んだクラブマンだった!

ご存じGB250クラブマンは1983年の12月にリリース。同じ年の4月にデビューしたベースモデルのCBX250RSから遅れること僅か8カ月だった。

初のビンテージな雰囲気を纏った250スポーツは、ホンダを世界に知らしめた250cc2気筒のCB72がイメージの先にあったという。

そこにCB72を決定的な優位をもたらした、マン島T.T.での活躍をオーバーラップさせ、さらに先達たる英国シングルレーサーたちのフォルムも採り入れたのだ。

クラブマンの車名どおり、ロングタンクに一文字ハンドルという、1960年代はスーパースポーツの証しのようなもので、低く幅の狭いハンドルでも後輪に身体を委ねて操る、ハンドルなど頼らないまさに硬派なジョンブル・ライダーを象徴した仕様だった。

より広い世代に硬派なベーシックスポーツを認知させ続けた!

60年代を彷彿とさせるトラッドなデザインに、かなり前傾したポジションを強いられるためビギナー向けではない雰囲気が、ちょっと趣味性にこだわるライダーや、硬派好きな女性ライダーを含め幅広い層の購買欲をそそることになった。

とはいえ、250スポーツといえば当時は最大のユーザー層のいるカテゴリー。

レーシーなスポーツバイクが主流な流れに、もっとベーシックに乗れる250スポーツが欲しい……そんな需要をGB250クラブマンでカバーできないかというコンセプトが生まれ、デビュー6年目にしてルックスから大幅にイメージチェンジする新世代が誕生することとなった。

エンジンやフレームなど基本構成は変えず、CBX250RSに搭載していたDOHC単気筒エンジンは、1987年にオリジナルが4バルブの2インテークポートに形式の異なるキャブだったのを、38mm口径のシングルキャブレターとして、中速域のトルクを増やした仕様のままだ。

そもそもこのDOHCは、吸気と排気で2本のカムシャフトをセンターでチェーン駆動、そこから前後にギヤ駆動で繋ぐ高回転域の正確さを期したホンダならではの凝ったメカニズム。

ラジアルバルブという、吸排のバルブをお互いが放射状になる角度をつけ、燃焼室を理想の球形に近づけたカタチを可能にするため、DOHCでも各バルブのロッカーアームで傾斜した動きに変換する奇抜さがホンダらしさの極みだ。

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