
●記事提供: ライドハイ編集部
レプリカブームに迎合しないフィロソフィ〈ヤマハSDR〉
’80年代半ばはバイクブーム真っ只中。レーサーレプリカが乱舞し、毎年フルモデルチェンジが繰り返され、ユーザーは最新でいるのが辛くなりかかってもいた。
しかし、これまでブームの過熱を煽ってきたメーカー自身から、何とレプリカに対するアンチテーゼを謳ったバイクがヤマハから登場した。
1987年に登場したそのバイクの名はSDR。スポーツバイク系のネーミング記号になかった組み合わせに、従来のカテゴリーに属さない主張が込められていたのだ。
ゼファーをはじめ、ネイキッドのブームがはじまるまだその前に、バイクをパフォーマンスやテクノロジー進化でばかり語るのに辟易とした(とメーカーが想像していた?)ユーザーに、もっと新しい次元で世間のカルチャーと歩調の合った世界観でバイクに接したい、そんなメッセージが発信されたのだ。
世の中には不必要なものが多すぎる。だから、いちど原点へ帰ってみよう
ヤマハSDRのカタログには、原点復帰をスローガンに、性能やスペック競争に明け暮れるバイクメーカーへの反骨心? と思える言葉が並んでいた。
いつの時代にも主流がある。多くの人が憧れるコト、多くの人が欲しがるモノ、多くの人が認める常講。それが、その時代の主流になる。自分を安心させる材料になる。いいわけの理由になる。でも、できあいの基準だけを頼りにしているなんて、つまらない。流行に振りまわされす飾りに目を奪われることなく、自分らしさを貫いていくことのほうを大切にしたい。
アンディ・ウォホールのイラストをバックに、メジャーにばかり目を向ける空気を否定する文言……バイクブーム渦中の当事者からこんな言葉が発せられる、それもヤマハらしさと思わせてもいた。
メッキのトラスフレームと、メッキのワイヤーで組むラックとをオーバーラップさせ、ライフスタイルのカルチャーから取り残されているバイクの世界に一石を投じようという意気込みが伝わるカタログだ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ライドハイ)
日本のハイオクは海外ではレギュラー!? オートバイに限らずクルマでも輸入車はほぼすべてハイオク指定。世界に誇る高性能な日本車は、基本的にレギュラーガソリンの給油で事足りる。 そういうところが日本の技術[…]
ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意! ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない[…]
自分のミスではないアクシデントで運命を分ける空気圧! タイヤの空気圧は大事……わかっちゃいるけど、つい面倒でチェックが疎かになりがち。 しかし脅かすワケではないけれど、実は空気圧が適正に保たれていない[…]
レバー位置が遠いとチカラが入らないと思いがち フロントブレーキのレバー位置を、握りやすい近い位置にするライダーが多い。とくに手の小さい女性ライダーは指が届きにくいので、遠いレバー位置だとチカラが入らな[…]
そもそもボア×ストロークって? 最近ロングストロークという表現をみる。エンジンのピストン往復が長いタイプのことで、バイクのキャラクターを左右する象徴として使われることが多い。 これはエンジン性能で高い[…]
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
マーヴェリックの愛機「カワサキGPZ900R」劇中車を振り返る 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ90[…]
スペシャルカラーは受注期間限定 2018年にフルモデルチェンジを受けてフレームもエンジンも刷新、走りと質感がともにワンランクアップし、通勤快足などさまざまなシーンで多くのライダーの支持を集めた、ホンダ[…]
カラーリングの変更で新4色ラインナップに 2019年型CBR250RRには、新たなカラーリングが追加された。それが、色鮮やかな「グランプリレッド」と、グランプリレッドに躍動感のあるブルーストライプを配[…]
スロットルバイワイヤでさらに進化 オーバーリッタークラスのフラッグシップネイキッド「CB1300 SUPER FOUR」「CB1300 SUPER BOL D’OR」および各々のSP、すべてのラインナ[…]
6段変速ミッション:スズキ T20(1965) 戦前はGPレーサーも4段変速までだったが、戦後の1952年にモトグッツィが5段変速を、1953年にドイツのNSUのレーサーが6段変速を採用した。そして国[…]
人気記事ランキング(全体)
ツーリングだと腰より肩のほうがカーブで効くと思いがち、でも大きくアクションするほど不確実(遅れる)になるので要注意! ツーリング先のワインディングで、腰を落としたりズラして攻めるのはリスキーでやらない[…]
2025年2月6日改訂 125ccスクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)[…]
目指すはボンネビルの最高速度記録! 前回はエンジンブローで力尽きたが…… 2024年4月の名古屋モーターサイクルショーで初お披露目されたトリックスター「ZX-4ターボ」は、2024年11月に日本自動車[…]
放置車両にやってくるエンジン始動不良 久しぶりにバイクに乗ろうと思ったら、エンジンが始動しない…! セルを回しっぱなしにしてもエンジンに火が入る気配はなく、ガソリンタンクの中身をチェックしてもちゃんと[…]
ニンジャ400と同日発売のストリートファイター カワサキモータースジャパンは、Z250と共通の車体に398ccの並列2気筒エンジンを搭載し、タイヤをラジアルに換装したストリートファイター「Z400」の[…]
最新の投稿記事(全体)
伝説の「ZODIAC MOTORCYCLE CLUB」が代官山に降臨! バイク漫画の金字塔『キリン』の著者・東本昌平が愛した「ZODIAC MOTORCYCLE CLUB」 。発足から50余年の軌跡の[…]
2025新型「KLX230」「KLX230 S」について知るなら… KLX230シリーズの振り返りや、無印/Sについてまずおさらいしたいなら、こちらの記事をチェック。 カワサキがKLX230シリーズを[…]
マーヴェリックの愛機「カワサキGPZ900R」劇中車を振り返る 滑走路で戦闘機と加速競争する姿、美人教官とのタンデム、苦悩を抱えて丘の上に佇む夕暮れ──。数々の印象的なシーンに初代ニンジャ=GPZ90[…]
スペシャルカラーは受注期間限定 2018年にフルモデルチェンジを受けてフレームもエンジンも刷新、走りと質感がともにワンランクアップし、通勤快足などさまざまなシーンで多くのライダーの支持を集めた、ホンダ[…]
プレゼントが当たるデジタルスタンプラリーを3月31日まで開催! 富士山麓のとある町で不思議な出来事が起こったり起こらなかったりする、地元系エイリアン・ヒューマン・コメディー『ホットスポット』が、いよい[…]
- 1
- 2