
フロントフォークの調整は減速時のノーズダイブ量しかイメージできません。乗りやすさとかどう変わるのですか?
●記事提供: ライドハイ編集部
A.リーンの軽快性と旋回初期の前輪追従性が変わります
スポーツバイクのサスペンション調整で、リヤサスに関するハウツーはかなり見かけますが、フロントフォークとなるといきなり激減。さしたる情報がありません。
とはいえ’80年代のレプリカブーム時代から、フロントフォームの一番上にマイナスドライバーで回すプリロード・アジャスターが走り屋マシンには必ずついてました。でもその当時から、どう調整するのかとか、やってみたらどうなったといった話題が飛び交った形跡がありません。
なぜなら、ハッキリ言って違いがわからなかったからです。それはメーカー側についてもで、設計したり開発テストに従事したスタッフは当然違いを知っていますが、それはサーキットなど限られた環境でのことで、一般に走るワインディングとなると曖昧な答えしかなかったからです。
そもそもフォークに封入されているスプリングのバネレートは、リヤのスプリングと比べるとフロント側はその30パーセントしかない弱さです。
その理由は前輪の機能で一番重要なのが路面追従性で、後輪が旋回していく方向へ路面をきれいにトレースしていかないと、曲がれないだけでなくスリップすれば容易く転倒するため、路面の小さな凸凹にも舐めるように追従できるよう柔らかいバネを予め縮めるセット荷重(プリロード)をかけ、ストロークしても荷重差がない設定にしています。
なのでブレーキングで簡単に前のめりするノーズダイブが起きやすく、フォークの中にこのノーズダイブでフルボトムしないよう一番奥に特別な油圧が高くなる仕組みが入っています。
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