
●文/写真:モトツーリング編集部(カン吉)
直径50m、巨大風車の足元を駆けろ!
三重方面を訪れた際に外せない絶景ロードが、この青山高原公園線だ。津市と伊賀市の境に位置しており、近畿地方東部沿岸のライダー達にとっては比較的メジャーな定番ロードと言える。
標高は約750m。走り応え満点のワインディングルートを約10kmに亘って堪能できる。かつての有料観光道路を現在無料にて開放しているルートだが交通量はまばら。序盤は展望も開けず、雑木林の中を抜ける凡庸なワインディングロードといった様相だが、そのピークまで駆け登ると風景は一変する。
彼方には対岸まで遠望する伊勢湾。目前の稜線には無数に立ち並ぶ風車の群れ。国内最大級、直径50mを超す巨大な風車が計24基も林立しているのだ。まるで巨人の園のような異世界感溢れる様相は、ダイナミックという言葉ではあまりにも足りない。まさに度肝を抜かれる風景が飛び込んでくる。
しかも、その巨大風車の間を縫うように線形はループ。路面も上々で、バイクにとって最も走りやすい中高速コーナーの宝庫だ。至極の喜びを味わえる感激ルートと言っても過言でない。
現在は災害による通行止めも解除されており、よりアクセスしやすくなっているが標高が比較的高めの為、冬季は積雪も心配される地域。十分に天候状態を確認した上で訪れて頂きたい。
直径50mもの風車が24基も林立する青山高原ウインドファーム。国内最大級の風車群は津市からも遠望できる。遠く伊賀方面も遠望できる絶景スポットだが、食事スポット等は皆無なのでスケジュールを上手く組んで訪れよう。
超激穴スポット ルーブル彫刻美術館
青山高原の麓に第2のルーブル美術館を発見! でも、展示物は全部レプリカ。しかし、ここの凄い所はパクリではないと言う事。本家ルーブル美術館から全て正式に許可を取り、実物から直接型をとって製作した作品なのだ。つまり、本家ルーブル美術館が正式に認めたレプリカを見学できる、実はとても貴重な美術館なのである。
当然、日本唯一。サイズ感や展示レイアウト等、カオス感も満点だが見応えは十分。共通券を買えば“純金”大観音も見れるし……。 真面目に楽しめるお勧めポイントだ!
【ルーブル彫刻美術館】青山高原の麓に第2のルーブル美術館が?! ●住所:三重県津市白山町佐田東谷1957 ●電話番号:059-262-1111
33mの純金(?)大観音も併設。このカオス感もまた面白みの一つ。マスツーリングで訪れるには中々お勧めのスポットだぞ。
目前に続く200年前の東海道! 現在もバイクで走れる近世の宿場町[宿場町関宿 旧東海道 ~旧国道1号線~]
こちらのバイクロードでは“観て雰囲気を楽しめる”ちょっと変わった道をご紹介。東海道47番目の宿場町“関宿”の町並みだ。現存する東海道旅籠建築街では最大の宿場町であり、旧東海道沿いには現在も旧家の町並みが林立。まさに現代の奇跡と言える、タイムスリップ感抜群の絶景だ。
関町(亀山市に合併前の呼称)は東海道・伊勢街道・大和街道が交差する古代から交通の要所であり“伊勢鈴鹿の関”と呼ばれた関所が設けられたのは何と飛鳥時代の事。現在は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、まさに“風光明媚”という言葉がぴったりの町並み。
さらに驚くべき事は、保存地区と同時に町の生活道路でもあり、郵便屋さんのカブ・宅配便の配送車…とひっきりなしに人々が行き交う。まさに近世当時のままの風景の中で、見事な調和を保ちながら人々が暮らしているのだ。
観光客の車両がこの様な街並みの中を走行できるのは、全国でも大変珍しい。当然バイクでも走行可能だが、ここは一旦降車して町並みを眺めて歩くのがお勧めだ。
現在、ここまで見事な近世の町並みが現存する場所は大変珍しい。しかも、観光地としてではなく、現代においても自らの生活風景として維持している。
いわば、ここは日本最後の江戸時代。この世界観を共有して生きる関の人々は日本で最も“粋”かもしれない。
地区120年(!?)の古民家すぎるゲストハウス〈古民家ゲストハウス 旅人宿石垣屋〉
53ある東海道の宿場町で現在も宿泊可能な場所は実に少ない。こちらは上記の関宿において当時のままのスタイルで宿泊可能なゲストハウスだ。築年数は約120年。民族資料館と見間違う程の重厚な伝統的建造物は必見。リアル近世の旅籠に泊まれる貴重な宿だ。
【古民家ゲストハウス 旅人宿石垣屋】関宿において当時のままのスタイルで宿泊可能なゲストハウスで、築年数は約120年。●住所:三重県亀山市関町中町445 ●電話番号:0595-96-3680
東海道を旅する旅人達で賑わうゲストハウス。かつて往来を行き交った人々と同じように旅の夜を楽しめる空間が関宿にはある。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(モトツーリング)
チェリーパークラインはピストン路 信州とは長野県のことである。古来より信濃国であった同地は、国を表す州の字を用い信州と呼ばれるようになった(他に甲州や武州などあり)。信州と言うと絶景道のビーナスライン[…]
まるで極楽浄土に迷い込んだような景色 例年は、9月ごろが見頃の埼玉県日高市の巾着田の曼珠沙華。2024年は暑さが長引いたせいか、10月前半が見頃とのことで、さっそく、日高市に向けてツーリングに出かけた[…]
市内の対象各店舗で割引やプレゼントが 魚沼市と福島県を結ぶ国道252号線・国道352号線は、風景の良さなどでライダーから好評価を集めている、国道だ。ほかにも、魚沼市には自然景観、グルメ、体験、温泉など[…]
2つのワイヤーシステムで足全体をホールド 足との一体感を構成し、足首まで保護してくれるハイカットシューズ。登山靴やレーシングブーツ、バスケットシューズなどに多いのも足首をしっかりホールドすることで靴の[…]
Screenshot バイクだからこそ行きやすい秘密の絶景を紹介! インバウンドが活況の中、日本の著名な絶景地はどこも混雑していて、せっかくリフレッシュしにツーリングに出かけたのに、人が多くて景色も見[…]
最新の関連記事(ツーリング)
様々な日本の峠を網羅! ワインディングロードを抜け、視界いっぱいに広がる紅葉の絶景を走り抜ける。そんな瞬間こそ、秋のツーリングの醍醐味のひとつではないでしょうか。 ここで紹介する書籍「全国2954峠を[…]
芦ノ湖スカイラインとは? バイク乗りに人気の理由 富士山の麓に点在する富士五湖のひとつ、芦ノ湖は箱根の人気観光地ですが、湖の西側の尾根に沿って通じているのが芦ノ湖スカイラインです。 全長約10.7km[…]
霊山を巡る中部日本トライアングルルート 「日本三霊山ラリー」は、古来より日本の山岳信仰の対象とされてきた富士山、立山、白山の3つの頂を巡るツーリングラリーだ。このルートは「中部日本トライアングルルート[…]
多忙なライダーに送る、半日の自由を快適に! 今回発売するのは、『一日をかけてツーリングに行くことができないライダーに「半日」でも息抜きのツーリングに行っていただきたい!』をコンセプトにハーフデイツーリ[…]
地域の課題をライダーが解決 舞台となるのは、兵庫県北部の養父市と朝来市にまたがる日本遺産「鉱石の道」だ。ここは、かつて日本の近代化を力強く支えた鉱山の史跡群が点在する、歴史ロマンあふれるエリア。しかし[…]
人気記事ランキング(全体)
キジマ(Kijima) バイク スマートディスプレイ SD01 5インチ キジマの「SD01」は、スマートフォンとWi-Fi(2.4GHz)で接続し、スマホのマップをナビ表示できる5インチのモーターサ[…]
次世代を見据えた新技術を随所に投入 ’73年から開発が始まったZ650は、当初は”Z1ジュニア”と位置づけられていた。とはいえ、単なるスケールダウンをヨシとしない開発陣は、次世代を見据えた新技術を随所[…]
メカもライテクもこの1台に教わった 原付というジャンルが、若者にとって比較的手軽にモータースポーツを楽しむ道具として浸透していく中、別の意味で趣味性の高いアイテムとして発展したのがレジャーバイクと呼ば[…]
超えるべき指針はトライアンフ・ボンネビル ’54年に第一号車として、2スト60ccスクーターを手がけたカワサキが、2輪事業に本腰を入れるようになったのは’60年代に入ってからである。 もっとも、当初の[…]
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
最新の投稿記事(全体)
X-ADVの兄弟車として欧州で販売される「フォルツァ750」 ホンダは欧州でフォルツァ750(FORZA 750)の2026年モデルを発表した。主要諸元に変更はなくカラーバリエーションの一部変更でイリ[…]
ライダー本人のサイン入り限定ヘルメットも附属 ホンダUKが発表した「CBR1000RR-RファイアーブレードSP ディーン・ハリソン レプリカ」は、2025年のマン島TT・スーパーストッククラスでディ[…]
岡山国際サーキットとの相性、新しいフロントタイヤと改良されたリヤタイヤ ついにこの日がやって来た。 2025年10月5日、全日本ロードレース第6戦の岡山(岡山国際サーキット)で長島哲太がついに表彰台に[…]
2025モトクロス世界選手権チャンピオンが全日本に参戦! 株式会社カワサキモータースジャパンは、2025年11月1日(土)・2日(日)スポーツランドSUGO(宮城)で開催される第63回 MFJ-GP […]
2025年3月の東京モーターサイクルショー以降、何かと話題のCB1000F!! いよいよかと色んな噂が飛び交っているなか、某日、各パーツメーカーのカスタマイズコンセプトがひっそり発表されました。カスタ[…]
- 1
- 2