![[旧車DIYメンテ] ホンダGB250クラブマン(1983):キャブには10年以上前のガソリンの名残が! 洗浄メンテでエンジン始動なるか?!](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
筆者が近所のバイクショップでひと目惚れして購入した、ホンダGB250クラブマン初期型。幾度も不動状態だったのをメンテしながら乗っていたようだが、メーターはまさかの481km。キャブのOHだけで、はたして目覚めるのでしょうか?
●文/写真:宮下豊史(モトメカニック編集部) ●外部リンク:キースター(岸田精密工業) 丸中洋行
オーバーホール完了後の初期型用純正キャブレターを車体に装着。初期シリーズはツインキャブ!!
不動状態で近所のバイク屋から引き上げてきたGB250クラブマンですが、走行距離の少なさとその素性の良さを信じ、最低限のメンテナンスのみでエンジン始動できるかのチェックをすることに。まずは、常日頃からモトメカニック編集部が発信している“良い混合気、良い火花”を作ることに専念します。
良い混合気を作るために、キャブレターのオーバーホールから開始。部品の経年劣化をチェックしつつ、外装を外していきます。ゴム類やプラスチックパーツの状態は思いの外良いのですが、フレームのサビの酷さに落胆し、動態確認が取れしだい全バラをすることを決意します。
サービスマニュアルを参考にしただけではキャブレターが外せません。レギュレーターなどの電装パーツを取り外し、エアクリーナーボックスをずらし隙間を作ることで、やっとキャブレターを取り外すことができました。
フロートチャンバー内のガソリンは干からびており、ニカワ状に固着。ドライバーでなめないように丁寧にジェット類を外していきます。これらはキースター製の燃調キットに組み替えます。
スロットルバルブの固着もなく、燃調キットに含まれていないパーツは洗浄だけで再使用できそうなので、ひと安心。エアクリーナーはやや汚れていた程度ですが、新品のNTB製の規格パーツに交換しました。これで“良い混合気”はクリア。部品を車体に組み上げます。
一方で“良い火花”。プラグ/バッテリーを新品に交換し、セルボタンを押したところ、クランクは元気よく回り、火花もバッチリ飛びました。
ガソリンタンクの内部に、軽いサビを確認していたので、これは後日、花咲Gのタンククリーナーでサビ取りをすることにします。燃料はサブタンクからキャブレターに流し入れます。オーバーフローすることなくキャブレター内に収まり、すごろくで言うところの“ふりだしに戻る”にならずにホッと胸を撫で下ろします。
準備も整ったので、いよいよエンジンを始動します。チョークレバーを引き、メインキーをオンに。そして、恐る恐るセルボタンを押します。
「キュルキュル!」バッテリーを新品にしてあるだけあり、力強くセルモーターが回ります。何度もセルを回したところ、エンジンがやや甲高い音で「ブルルン」とかかりました。エンジンからも異音はありません。低走行に偽りはないようです。良い個体に出会い、大満足です。
次はタンク内のサビを取りをし、さらにフレームの粉体塗装/スポークの張り替えなどを予定。作業が進行しだい、『モトメカニック』誌とWEBにて紹介予定です。
プラグホールからオイルを少量垂らしたのち、外側からクランクを手動で回して、焼き付きやサビでクランクまわりが固着していないかのチェック中。問題はなさそう!? 良かった。
外装/エアクリーナー上部の電装部品/ワイヤー類を取り外す。エアクリーナーボックスを後ろにずらすことで、隙間を作ることができてキャブレターの取り外しが楽になる。
フロートチャンバー内には…。もともとはガソリンだったものが、ニカワ状に変質していた。その表現、わかりますか!? キャブクリーナーで漬け置きし、ブラシでこすり洗浄。
ジェット類にも汚れが堆積している様子がわかる。ジェット類はキースターの燃調キットを利用し、新品に交換。その他、再利用するパーツは取り外したのちにキャブクリーナーで洗浄。
GB250クラブマンは初期型のみツインキャブ。左右でスロットルバルブの開き具合が異なる。写真向かって右側のボディは、中速から高速域で機能するキャブ。
キースターが販売する燃調キット。ツインキャブ分をワンセットにパッケージ。左右で構成数や番手が違う。ガスケットも同梱されているので、ユーザーにはありがたいですね。
ニードルバルブ(フロートバルブ) の当たり面を綿棒とコンパウンドで清掃しておいた。ここに小さくてもゴミが堆積してしまうと、面倒なオーバーフロー原因となる。
ボディ各部を洗浄した後に、キースター製燃調キットの真鍮色が美しいジェットやニードル組み込んだ。番手は純正相当を選択。ガスケットももちろん新品に交換した。
ツインキャブをつなぐ「燃料ジョイントパイプのOリング」も燃調キットに同梱されていた。シリコングリスを薄く塗り、滑らせるように左右キャブレターを合体した。
エアクリーナーは、丸中洋行が取り扱う純正と同じ品質を誇る規格部品に交換した。新しい部品には外側の金属製のメッシュが装着されていた。GB後期がそうなのだろう。
バッテリーももちろん新品に交換した。MFバッテリーにするかを悩んだが、まずは純正と同じ開放型バッテリーをチョイス。しっかりと初期充電を行ってから、準備万端で搭載。
プラグも当然新品部品に交換。エンジンへ装着する前に、プラグキャップにセットしてセルモーターを回し、チカチカと火花が飛ぶことを確認した。点火系もバッチリ!!
ガソリンタンクは花咲Gタンククリーナーでサビ取り中。ガソリンはキャブレターからオーバーフローすることなく、フロートチャンバー内に納まってくれた。
キーをひねり、ハンドルのチョークレバーを引き、セルを回す。メンテナンス後は誰もが緊張する瞬間ですね。キュルキュルキュルという音ののち、エンジンがかかった!!
最初はアイドリングを高めにし、安定するのを見守った。エンジンから気になる異音はない。アクセルを開けるとスムーズにタコの針が回くことを確認。いよいよ本格的にレストアすることを決意。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
バイクいじりの専門誌『モトメカニック』のお買い求めはこちら↓
モトメカニックの最新記事
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
燃料キット開発時は現物確認と現物採寸が大前提 キースターでは、原付からオーバー1000ccモデルまで、500車種以上のキャブレターに対応した燃調キットを開発してきました。現在でもコンスタントに新製品を[…]
ガレージで眠っているマシンを引っ張りだそう! 今後の展開も期待されるポテンシャルの高さが魅力 コンストラクターの手によるオリジナルフレームを用いたシングル&ツインレースが流行した1990年代、オーヴァ[…]
赤サビの上から直接塗って黒サビに転換。愛車を守るBAN-ZIのラストロックシステム 【RUSTLOCK(サビ転換下処理剤)サビキラープロ】赤サビの上から直接塗ることで黒サビに変化する転換剤機能と、上塗[…]
熱膨張率の均一化によって様々なアドバンテージがある 2ストローク/4ストロークエンジンを問わず、エンジン性能を向上するためには様々な課題や問題がある。特に大きな課題は、“熱膨張率”に関わる問題だ。 「[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
ユーザーからのリクエストで開発! ホイールの鉄粉をスプレーひと吹きで溶解 バイク/クルマを問わず、ディスクブレーキでもドラムブレーキでも発生するブレーキダスト。制動時にブレーキローターやブレーキドラム[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
タイヤの内圧規定ってなんだ? 今シーズン、MotoGPクラスでたびたび話題になっているタイヤの「内圧規定」。MotoGPをTV観戦しているファンの方なら、この言葉を耳にしたことがあるでしょう。 ときに[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」、今回はホンダCL250を洗車します。 洗車ポイントは“黒い部分をしっ[…]
燃料キット開発時は現物確認と現物採寸が大前提 キースターでは、原付からオーバー1000ccモデルまで、500車種以上のキャブレターに対応した燃調キットを開発してきました。現在でもコンスタントに新製品を[…]
人気記事ランキング(全体)
PROUDMEN. グルーミングシートクール 16枚入り×3個セット PROUDMEN.のグルーミングシートクールは、横250×縦200mmの大判サイズと保水力約190%のたっぷり液で1枚で全身を拭け[…]
3つの冷却プレートで最大-25℃を実現 2025年最新モデルの「ペルチェベスト」は、半導体冷却システムを採用し、背中に冷たい缶ジュースを当てたような感覚をわずか1秒で体感できる画期的なウェアです。小型[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
ツーリングの持ち物【最低限必要な基本アイテム】 オートバイ趣味のもっとも一般的な楽しみ方は、オートバイならではの機動力や爽快さを満喫しながら好きな場所へ自由に行くこと。いわゆるツーリングです。 初心者[…]
ファン+ペルチェでダブル冷却 山善のペルチェ ベストは、外径約100mmの大型ファン(厚み約38mm)で風を取り込み、さらに内蔵のペルチェデバイスで空気やウェア表面を冷やす仕組みを採用。保冷剤用メッシ[…]
最新の投稿記事(全体)
電子制御サスペンションとブレンボ製Stylemaを採用する上位モデル『SE』 最新の排出ガス規制に適合したバランス型スーパーチャージドエンジンを搭載し、“SUGOMI”スタイリングと“SUGOMI”パ[…]
二輪史に輝く名機「Z1」 いまだ絶大なる人気を誇る「Z1」こと、1972年に発売された900super4。後世のビッグバイクのベンチマークとなる名機は、いかにして世に出たのか──。 1960年代、カワ[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
取り付けから録画までスマートすぎるドライブレコーダー ドライブレコーダーを取り付ける際、ネックになるのが電源確保のための配線作業だ。バイクへの取り付けともなると、専門知識や工具、あるいは高めの工賃が必[…]
kokuu たんぱくプラス 雑穀米 日々の食生活でタンパク質を強化したいライダーへ。国産15種の厳選雑穀米で、100gあたり約30gのタンパク質を摂取可能だ。白米に混ぜるだけで高タンパク・グルテンフリ[…]
- 1
- 2