
「自分が使いやすいスタンドを作りたい」そんな動機でガレージREVOが開発をスタートしてから10年。バイクを特定の位置で固定するのではなく、押し歩きでき、限られたスペースで複数のバイクを置きたいユーザーから絶大な支持を集めてきた。その既成概念を覆した新発想と独自構造に注目しよう。
●文/写真:モトメカニック編集部 ●外部リンク:ガレージレボ
スペースの有効活用戦力になるバイクスタンド。“自由自在のスライド”によって実用面積が拡がる!!
自在キャスターで前後左右に自由に押して歩けるガレージREVOは、既存のメンテナンススタンドとはまったく異なる発想から誕生したガレージアイテムだ。
開発者・向山弘康さんは、複数のバイクを所有。かけにくく降ろしにくく、一度セットしたら移動できない従来タイプのスタンドに不満を覚え、本業である金属板金加工業の技術を生かして理想のスタンド作りに着手。
向山さん自身、「このスタンドでメンテナンスしようとは、開発当初から考えていませんでした」と言うとおり、ガレージREVOの狙いは、スタンドをかけた状態で押し歩きできること。そして数々の試作を繰り返してたどり着いたのが、バイクを持ち上げるスタンド部分と、自由に移動できるキャスター付きフレーム部分を分けたセパレート構造である。
部品点数が多く、一般的なメンテナンススタンドに比べると不思議な見た目だが、スタンド外側のフレームにそれぞれ2個の自在キャスターを取り付け、スタンドの持ち手部分にもキャスターをセットすることで、ビッグバイクでも車重が分散して、上げ降ろしに必要な力が大幅に軽減された。
そしてこのキャスターによって、限られたスペースでもバイクを自由に移動できるようになった。
たとえば、左右の隙間をギリギリまで詰めて並べたバイクの中から1台を出す際、バイクの前方からハンドルを引くだけで車体を引き出せる。また壁際にバイクを寄せたい時には、先にフロントタイヤを壁に近づけてからリヤタイヤを壁に向けて押せば、円弧を描くように壁に寄せられる。
さらに、ハンドルを左右どちらかに切りながら斜め後方から車体を押すと、斜め方向に移動することも可能で、ガレージ内で何度もハンドルを切り返しながら向きを変えるストレスから解放されるのだ。
明確な開発目的と卓越した加工技術によって作り出されたガレージREVOは、まさにワン&オンリーのバイクスタンドである。
【スタンダードショートタイプ】●価格:4万150円
汎用性の高いスタンダードショートタイプは、C型フックアダプターと中空アクスルシャフト対応の貫通シャフトが付属する。貫通シャフト径はφ13mmが標準で、別途希望に応じてφ10/11/12mmも対応可能。
C型フックも、貫通シャフトと同様、サイドスタンド状態で左右のスプール(スイングアーム下部に取り付けるアタッチメント)にフックをかけた状態から持ち上げる。車体左面を壁際に寄せたい時も、右側から押し引きできてラク。向山社長自ら「メンテスタンドとして使うことは想定していない」と言うが、ホイール清掃やドライブチェーンの給油は可能だ。
ドゥカティやBMWの片持ちスイングアーム車用も
ガレージREVOは、スタンドアップ状態で移動できることが主目的なので、ドゥカティやBMWの片持ちスイングアーム車用も、スタンドの足は左右にある。ホイールの着脱はできないが、アクスルの中空部分を貫通するシャフトの強度は抜群で、重量級のGSシリーズを押し歩いても、ねじれやヨレはまったくなく、ガレージ内での位置替えや方向転換も余裕。
「部品点数や各部の精度を考えると、現在の価格でも採算ギリギリですが、今後も自社製造の強みを生かして多くのユーザーにご利用いただきたいです」と語る向山弘康さん。ガレージREVOは、キャスター付きのスタンドがあれば便利に違いないという信念と、本業の板金加工技術が見事にマッチした製品なのだ。
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