日本メーカーはイタリアンにどこまで迫れるか?

2023年も空力合戦が続く?【セパンテストはドゥカティ&アプリリアが9番手までを独占!】

MotoGPテストがマレーシアのセパン・インターナショナルサーキットで開催された。2022年に強さを発揮したドゥカティの勢いはそのまま。国産メーカーはまだまだタイムアタックで結果を出せず、さまざまなテストを繰り返しているようなイメージだ。


●文:ミリオーレ編集部(小川勤) ●写真:ミシュラン

総合トップはドゥカティ3年目のルカ・マリーニ!

3日間に渡って開催されたオフィシャルライダーのセパンテストが終了。3日目トータルで速さを見せたのはドゥカティ、最終日もドゥカティ&アプリリアが圧倒的な速さを披露。9番手までをイタリアンが占める結果となった。

2022年王者のフランチェスコ・バニャイヤ(2番手)はゼッケン1のマシンを駆り、2023年モデルのデスモセディチを、新しいチームメイトのエネア・バスティアニーニ(4番手)と共に着々と仕上げている印象だ。

アプリリアファクトリーのマーベリック・ビニャーレスは3番手、アレイシ・エスパルガロは6番手。

10番手にホンダのマルク・マルケスが入ったが「まだまだタイトルを狙えるマシンではない」と厳しいコメント。ホンダはマルケスのために4台ものテスト車を用意していたようだ。

ヤマハはトップスピードが若干改善に向かっている模様。しかし、ファビオ・クアルタラロは、この日最多の63ラップをこなすが19番手だった。

2022年から車両メーカーを変えたライダーでもっとも素早く順応したのは、ホンダからドゥカティに移籍したアレックス・マルケス。昨年の自身のセパンテストのタイムよりも0.415秒も速い1分58.385を記録して9番手に入った。

一方で、スズキからホンダに移籍したアレックス・リンスとジョアン・ミルはまだまだ時間がかかりそうだ。

この日、1分57.889のトップタイムをマークしたのはルカ・マリーニ。マリーニは今シーズンの土曜日に開催されるスプリントレースのシミュレーションも実施している。

中上貴晶はチームのコメントを見る限り、指の怪我の具合がよくない模様で、21番手だった。

次回のテストは開幕戦が行われるポルトガルのポルティマオ。3月11、12日に開催される。

MotoGPでゼッケン1のマシンが走るのは、2011年のチャンピオンであるケイシー・ストーナー(ホンダ)以来、11年振りのこと。1の中にはバニャイヤのパーソナルナンバーである63があしらわれている。「みんなに気に入ってもらえるといいけどね」とバニャイヤ。

2023年も空力合戦が続きそうな予感

シートカウルのウイングに注目。昨年も何度かテストしていたが、今回は多くのライダーが試していた。

ホンダのRC213Vもシートカウルの羽が標準に。2枚仕様と4枚仕様がある?

ドゥカティ(左)とホンダ(右)のシートカウルの形状を比較。フロントカウルやヘルメットなども影響しそうだ。

フロントゼッケンの上あたりにピトー管を装着。アプリリアは昨年から使っていたがKTMも採用。

KTM(左)とドゥカティ(右)はアプリリアタイプのアンダーカウルをテスト。フルバンク時に路面とのクリアランスを最小限にする形状。

アプリリアがテストしていたブレーキディスクまわりの空力デバイス。一体どんな効果があるのだろう?

KTMが装着していた怪しげなパーツ。タイヤの摩耗や温度を調べている?

ゼッケンの横に新しい形状のダクトを装備。電装部品を冷やしている?

2023年シーズンからジャック・ミラー(左)とホルヘ・マルティン(右)がアルパインスターズのヘルメットを使用。ミラーはレーシングスーツもダイネーゼからアルパインスターズに変更。

ファビオ・クアルタラロはヘルメットをスコーピオンからHJCに変更。

ホンダはマフラーメーカーをSCからアクラポヴィッチに変更。KTMはオイルメーカーをモトレックスからモービル1に変更。それにしてもどちらのマフラーも長い。

ホンダは2022年はカーボンとアルミのスイングアームを使用していたが、2023年はアルミがメインになるようだ。アルミスイングアームは2022年まではカレックス製だったが、2023年はカレックス製でないものもテストしているようだ。またフレームやエンジンも数種類をテストしていた模様。

2022年のバレンシアテストでも好感触だったアレックス・マルケスはセパンでも好調。今はドゥカティがもっとも順応しやすいマシンなのかもしれない。

3日目をトップタイムで終えたMotoGPは3年目となるルカ・マリーニ。2022年の後半戦は明らかにバイクとのマッチングが良かっただけに楽しみだ。


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