「日本GPでポールポジションを取れたのは、X-Fifteenのおかげかもね!」
ーー上田:2022年シーズンはプロトタイプのヘルメットを被っているけど、その特徴やキャラクターを聞きたいです。発売前だけど。
ーーマルク:今シーズンは、弟のアレックスと僕でプロトタイプのX-Fifteenを使ってきたんだ。色々と改善しながらね。僕たちは300km/h以上で走っているから揺れてはいけないし、被った時のフィッティングが重要。風の流れも重要で、しっかり流れるのに揺れないんだ。
もちろんヘルメット内部のベンチレーションも大切。雨も降るし、汗もかく。そんな時もまったく曇らないんだ。曇る心配をしなくていいから安心して使うことができるんだ。日本GPの予選はとても寒くて大雨だったけど、曇らなかった。ポールポジションを取れたのはX-Fifteenのおかげかもね。雨の日は他のヘルメットメーカーのライダーはマスクをしているシーンをよく見るけど、僕らは必要ないんだ。
「X-Fifteenは、風洞でテストしていたから最初から完成度が高かったよ。使ってみてちょっとフォームを増やしたりしたけど今は完璧。タイでは暑くて雨、モテギは寒くて雨だったけど、どちらも問題なかったよ。僕だけでなく色々なSHOEIライダーのコメントが反映されているよ」とマルク。発売を楽しみに待ちたい。
2022年の最終戦のバレンシア後にテスト走行。「腕は100%は完治していいないけど、だいぶ良くなったよ。最後の手術の前は肩とか痛かったけど今は痛みはない。100%で走りたいけど身体が止まってしまうんだ。でもマレーシアとバレンシアではあまり制限を感じなくなっていたけどね。だから2023年の開幕は万全の体制で挑めると思うよ」とマルク。
「怪我をしている間にバイクも変わってしまった。さらにカテゴリー自体も変わってしまったんだ。空力、リヤサスやホールショットのデバイスとかね。それに対して欧州のマニュファクチャラーはすごく速く対応した。日本メーカーは新型コロナウイルスの影響で欧州にエンジニアが来れなかったりで遅れてしまった。でもホンダを信頼しているし期待もしている。2023年はチャンピオンシップを争えるバイクを用意してくれると思う。それが僕のクリスマスのお願いかな(笑)」とマルク。
ここからはユーザーさんとのQ&Aをご紹介
ーーQ1:予定通りに行かなかった時、どのように気持ちを持ち直すんですか?
ーーマルク:この2年間はフィジカルもメンタルも本当に辛かった。それまではずっと勝っていたから余計にね。問題のないレース生活をしていたから、この2年は本当に落ち込んだ。でも、自分のターゲットやモチベーションはとても高かったんだ。
まずは現実的な目的を探して、確実に乗り越えられるようにする。トップ5に入ること、予選で上位にいくこと。トップより10秒以内に入ること、とかね。ステップ バイ ステップしながらどんどん目的を達成していくことでモチベーションを上げていったんだ。そして最終的に元の自分に戻れるように頑張りたいと思っているよ。
ーーQ2:私が初めてマルケス選手を見たのは、8歳の時だったんですが、長く活躍する秘訣はどこにありますか?
ーーマルク:自分だけでなく、周りのチーム、信頼できる人々に囲まれていることが大事かな。はっきりと「これはダメ」と言ってくれる人がいることも大事。信頼できて、任せられる仲間がいると、僕が自分の仕事に集中できる。気の合う人々とチームをつくるのが重要かな。
あとは、自分のプライオリティが何であるかを決めることが大事。僕の場合はバイク。それが仕事でもある。バイクと触れていることがいちばん幸せ。幸せであれば結果がついていくるんだと思うよ。
ーーQ3:2023年はアレックス・リンス選手とジョアン・ミル選手がホンダに加入しますが、彼らが走ることでバイクはよくなりそうですか?
ーーマルク:非常に興味深いし、楽しみにしているよ。2人とも若いしね。ミルはチャンピオン経験者だし、リンスは2022年の最終戦で勝っている。そんな2人がホンダに乗ってどんなパフォーマンスを見せてくれるか興味深いよ。でも僕は彼らより速く走らないといけないんだ。彼らのパフォーマンスを見て、バイクのパフォーマンスを上げないといけないと思っているよ。
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