前回の記事ではバイクに乗りたい! 教習所に行こう! と決断に至るまでの至極個人的な歴史を20代後半~40代にかけて簡潔に振り返った次第だが、教習所に通いはじめて早々にそんな想いは打ち砕かれた。よくエンストし、よく転び、そして人知れず涙しながら登校拒否? まで頭の片隅によぎった日々をお伝えしようと思う。
●文/まとめ:ミリオーレ編集部(村田奈緒子) ●写真:長谷川徹、ホンダ ●外部リンク:ロイヤルエンフィールド東京ショールーム
4月に申し込んだ教習が6月からようやくスタート!
4月に訪れた教習所に再び足を踏み入れたのは6月のこと。どこの教習所も激混みという噂は本当で、私の場合は2カ月待ちで普通二輪免許の教習が開始となった。このとき私が持っている運転免許は普通自動車のAT限定のみ。お金のない学生時代にMT分をケチったため、今日までAT限定でしか運転というものをしたことがなかった。
そもそもMTの仕組みが理解できていない上に、両手両足を動かすことに瞬時に反応できず、さらには怖いからアクセルは回せないし、エンストはしょっちゅうだし、転んで痛いし、あと教官が言っている意味が理解できないし、なにをどうすればいいのかすら分からないし……(延々と愚痴が続く)。梅雨の大雨が重なると本当に最悪で、とにかく散々だった。普通二輪1段階で何度か補習も重ね、なんとか2段階にステップアップしたときには「しばらく休みたい……というか、もうバイク乗れなくてもいいかも……」とまで思い詰めていた。
ありがとう! YouTube「マッスルバイクちゃんねる」と「つばめ中央自動車学校」、そして漫画『ばくおん!!』
そんなある日、更衣室で声をかけてくれたのが20代前半の女性だった。彼女はお父さんとお兄さんがバイク乗りだそうで、2人に影響されて免許取得を決意したとのこと。補習もほぼなく、スムーズにステップアップしていた。コツというか学びの方法を聞いたら、「ほとんどYouTubeです〜」とのこと。
ということで、その日からいろんなYouTubeをチェック! とくにお世話になったのが、バイクと筋肉を愛する「マッスルバイクちゃんねる」と新潟県の女性専用合宿校「つばめ中央自動車学校」だ。
なかでも「つばめ中央自動車学校」の「分かりやすい! 4分で分かる! バイクの発進停止」は牧歌的なBGMと、いい意味でゆる〜いテキスト解説がなんだかほっこりできておすすめ。バスで移動中はバスの発進と停止を感じながら動画でイメトレ、寝る前にも必ず1回はチェックしてイメトレと、とにかく数え切れないほど繰り返し視聴した。
そして最終段階までつかめなかった“半クラ”は、「指を『谷啓のガチョーン』の形にしてレバーを保持する」ー漫画『ばくおん!!』1巻 のセリフで解決。ちなみに、半クラのあまりに分かりやすい表現に刺激され、20代にこのセリフのすばらしさを語ったのだが「谷啓って誰ですか?」と返されて会話が終了したのも今ではよい思い出だ。
教本だけでなく、現代のあらゆるコンテンツを駆使? したおかげで、2段階~卒業検定まではスムーズに修了。7月下旬、無事に普通二輪免許を取得したのだが、この段階ではバイクって楽しい! 早く乗りたい! という思いはなかった。
暑さにノックアウトされながら、9月からは大型二輪の教習が開始
7月下旬に卒検合格したにも関わらず、仕事が忙しかったこともあり免許の手続きに行ったのは8月末。大型二輪の教習が始まる数日前だった。大型がスタートする前に一度くらいレンタルバイクで走ってみようかなと思ったりもしたのだが、実行に移すほどの熱意もなく……。それくらい、普通二輪の教習なのか? バイクそのものなのか? とにかく楽しくなかったのだ。
だから、大型二輪教習の開始直前まではすこぶるテンションが低かった。「ついに大型だね。バイクは乗ってた?」と声をかけてくれた教官もいたが、正直なところYouTubeのイメトレもしておらず、発進と停止の手順を覚えているのかすら怪しかった。
不安を抱えて、バイク乗りへの道を再始動したわけだが、前回のような悪夢は起きなかった。ホンダNC750Lはこの感じのバイク好きかも! と思えたし、何しろ1回も転ぶこともなく、乗るたびに楽しい! 楽しい! を積み重ねていく感じだ。補習を追加することなく教習はスムーズに終わったのだが、卒検時に一本橋で変に頑張りすぎて脱輪し(教官にも「次回は頑張ってタイムをねらわなくていいです」と言われた)、2回目を受け直した。
バイクが楽しくなると、必然的にマイバイクが欲しくなるわけで……
そんなこんなで大型二輪の教習が楽しく進むうちに、それまでまったく考えていなかった思いが湧き上がってきた。ただただシンプルに、「自分のバイクが欲しい」。この思いとともにイメージが浮かび上がったのは、やはりロイヤルエンフィールドのヒマラヤだった。
「まずはレンタルバイクから始めてみれば?」と言う人もいたのだが、いかんせん借りたバイクでの立ちゴケが怖くてレンタルする勇気が出ず。一方で「はじめてのバイクだし、中古で探してみたら?」と言う人もいたのだが、そもそもヒマラヤの中古が当時は見当たらなかった。さらに「411ccの大型にするより、400ccのシングルエンジンでいいのでは?」とアドバイスをくれた人もいたのだが熟考した結果、乗りたいのは数値やスペックではなくヒマラヤだという思いに着地。
タイミング的に排気ガス規制のユーロ5に対応した最新モデルの発売を待つことにし、無事に納車されたのが今年2月だった。
次回は納車からの公道デビューと、少しずつ慣れつつあるターンバイターンナビゲーションシステム「Royal Enfield Tripper」についてお届けする予定。
I want to go to the Himalayas someday with Himalayan!
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