2022年、日本メーカーは未勝利……

32歳、200戦目の歓喜! グランプリ初優勝のA・エスパルガロがアプリリアにMotoGP最高峰クラス初勝利をもたらす【アルゼンチンGP】

2022年のMotoGP・第3戦のアルゼンチンGPは全クラスとても感動的なレースが展開された。全クラスラスト数周はテレビの前で立ち上がってしまったほど……。特にMotoGPではアプリリアがMotoGPクラスで初優勝、ライダーのアレイシ・エスパルガロもMotoGPプレミアクラス200戦目、グランプリでもキャリアを通じて284戦目で初優勝という劇的な展開だったのだ。


●文/まとめ:小川勤(ミリオーレ) ●写真:ミシュラン ●外部リンク:ピアッジオグループジャパン

アレイシ・エスパルガロ/スペイン出身、1989年生まれの32歳。MotoGP200戦目で初優勝を飾った。2009年、代役参戦でプラマックレーシングからドゥカティを駆りMotoGPデビュー。2010年からMotoGPにフル参戦するが、2011年はMoto2に。2015年にはチーム・スズキ・エクスターから参戦。これが初のファクトリーチームとなる。2017年からアプリリアへ。

全クラス感動的なレースが展開されたアルゼンチンGP

第3戦アルゼンチンGPは、日本時間だとヨーロッパのレースよりも少し遅い時間から決勝がスタートする。しかし、睡魔に襲われることなく全クラスレースに釘付け。レース後、朝になっても興奮してなかなか眠れなかった……。

Moto3では佐々木歩夢&鈴木竜生が活躍。佐々木は第2戦のインドネシアGPの決勝レースで前を走るライダーに接触したことにより科されていたロングラップペナルティを2周目に消化。一時は18番手までポジションを下げたがそこから追い上げて3位表彰台を獲得。フル参戦6年目の今シーズン、仕上がりは今までで一番良さそうだ。

そしてMoto2でも目の離せない展開が繰り広げられる。イデミツ・ホンダ・チーム・アジアのソムキャット・チャントラと小椋藍が終始トップグループを走行。チャントラは第2戦でのMoto2初勝利が自信となり、良いリズムで走れていたし、小椋は最終ラップの最終セクターでアロン・カネットを抜いて3位表彰台を力強い走りで獲得したのだ。

近年のMotoGPマシンの凝縮感といったらない。ライドハイトコントロールを使用し、加速中にリヤの車高を下げウィリーを抑えている。アプリリアのRS-GPはエアロダイナミクスもかなり先進的だ。

アレイシ・エスパルガロが見事なポールtoウィン!

MotoGP決勝、ホールショットはドゥカティのホルヘ・マルティン。ポールポジションのアレイシは2番手を走行。この2人がファステストラップを塗り替えながらトップ争いを展開。何度かのオーバーテイクをしながらもラスト数周はアレイシがアグレッシブな走りでトップを死守。チェッカーを全開で駆け抜けた。

アレイシは、プレミアクラスでのGP参戦200戦目の記念すべき日に初勝利を挙げ、これはアプリリアにとってもMotoGP最高峰での初勝利となる。まさに歴史的な瞬間に立ち会うことができたのだ。

ホルヘ・マルティンに何度も果敢に挑んだアレイシ・エスパルガロ。とても見応えのあるレース展開だった。

全開でチェッカーを受ける姿が印象的。今のアプリリアのRS-GPはアレイシが築き上げてきたもの。チェッカー後、コース上で感極まる。

以下はアレイシのコメント。

「自分たちが達成したこの結果をとても誇りに思っているよ。我々はこれまでにとても長く取り組んできて、ついに成し遂げたんだ! 素晴らしい週末だったけど、単純なレースでは無かったね。ウォーミングアップセッションと同じように速さはあったけど、レースではグリップ不足で少し苦労したよ。この問題を克服するために電子制御の設定を何回か変更して、最終的にはそれが改善につながったんだ。

私はマルティンよりもコンマ数秒速かったけど、これまでトップ争いをすることが無かったから、それが自分にとって新しい状況だったし、彼を抜くのは簡単ではなかったね。特にファイナルラップは本当にエキサイティングだったね。

アプリリア、私、そして私の家族にとってとてもハッピーだよ。一生懸命頑張ってくれたチームのみんなやノアーレのスタッフ、そしてピアジオグループにお礼を言いたい。そして今、私たちはチャンピオンシップをリードしているけど、このポジティブな瞬間を楽しみつつも、地に足を付けて努力し続けるよ」

パルクフェルメでもアレイシの感極まった様子はとても感動的だった。弟のポルやかつてのスズキのスタッフにも祝福されていた姿が印象的。ちなみにアレイシはライダーランキングもトップに浮上。バイクの仕上がりがとても良いだけに今シーズンのさらなる躍進に期待したい!

32歳でMotoGP初勝利を上げたアレイシ。アプリリアは世界グランプリ125ccおよび250ccクラスで数えきれないほどの優勝を誇ってきたが、アレイシの勝利はアプリリアにとって世界グランプリでの295勝目となる。

国産未勝利はどこまで続く⁉︎

開幕戦カタールGPはグレーシーニ・レーシングMotoGPでドゥカティを駆るエネア・バスティアニーニが勝利。第2戦インドネシアGPはレッドブル・KTMファクトリー・レーシングのミゲル・オリベイラが、そして第3戦アルゼンチンGPではアプリリア・レーシングのアレイシ・エスパルガロが勝利した。

今のことろ突出しているチームやライダーはなく、毎戦、誰が勝つかまったく読めないレース展開が続く。しかし、今シーズン、日本メーカーは未勝利。次戦4月11日のアメリカズGP以降に期待したい!

ポールポジション、優勝、そしてレースでのファステストラップを記録し、週末のスターとなったアレイシ。開幕戦は4位、第2戦は9位。今回の勝利でポイントは合計45ポイントになり、ライダーランキングもトップに浮上した。


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