![[バイク雑学] カワサキ/いすゞ、意外な企業がつながっていた!?〈クルマと同名のバイク=ビッグホーン〉](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
●文:モーサイ編集部(加賀)
カワサキは、鉄道や航空機は作っているものの、ヤマハ同様にクルマの製造はしていない。「それなのにクルマと同じ名前のバイクなんて…」と思う方もいるかと思う。
が、過去に1例だけ存在していた。クルマと名前が共用されていたのは、トレールモデルTRシリーズの1台=「ビッグホーン」である。
カワサキ350TRビッグホーン
カワサキのビッグホーンと言えば、トレールモデルTRシリーズの最大排気量車である350TR。1960年代後半〜1970年代初頭にかけ、当時主要市場と見られていたアメリカではオフロード走行が大流行。「このビッグウエーブに乗り遅れてなるものか!」と、各社ともトレールモデルの開発を進めており、その流れの中で誕生したモデルである。
1969年にアメリカ向けに発売され、翌年には国内でも発売が開始された。250TRバイソン/125TRボブキャットなど、同シリーズではペットネームに動物の名前を使うことが多く、ビッグホーンとはオオツノヒツジのことだ。
マイナーチェンジが施された350TRビッグホーン(1971年)
いすゞ ビッグホーン
「は〜しれ、はしれ〜♪」のCMソングが印象的だったいすゞ自動車。今ではトラックやバスの専門メーカーとしておなじみだが、かつては乗用車も作っていた(117クーペ/ベレット/ジェミニなどもあるし、クルマ好きの皆さんからは「そんなの当たり前だろ!」と言われてしまいそうだが)。
そのうちの1台が、1981年から販売された「ロデオビッグホーン」を原点とする「ビッグホーン」シリーズ。オフロード走行からシティユースまで幅広く利用できる、RV車の先駆けとも言える。その後マイナーチェンジを重ねながら、21世紀初頭の2002年まで製造が続いたロングセラーモデルだ。
いすゞ ビッグホーン ロングベーシック(1991年)
カワサキ/いすゞの場合も、ポイントとなるのは“商標権の分割移転登録”。「A社が持っている商標だけども、使いたいのならB社さんも使える様に権利を分けてあげるわよ」というものである(まぁ、かなりざっくりとした説明で、実際はそんな簡単なものではない)。
350TRビッグホーンの製造販売に合わせて、1970年に「Big horn350」を商用登録したカワサキ。当時は前述の英語表記のみだったが、1981年にカタカナ表記の「ビッグホーン」と大文字表記の「BIG HORN」を新たに出願している。これはあくまで推測だが、いすゞが使うために申請し直したのではないだろうか……
※本記事は2021年1月7日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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