
●文:モーサイ編集部(鷹橋公宣/元警察官)
全国各地に存在する、危険な“地元走り”
方言のように、クルマの走らせ方にも地域ごとのクセがあるといいます。
それを表すかのような、“地域名を冠した走り方”を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか?
たとえば令和3年8月に茨城県警がTwitter公式アカウントで取り上げ、話題となった“茨城ダッシュ”のようなもの…。その地域では許されている地元ルールのようにも聞こえますが、そういった“地元走り”の正体は、単なる危険運転や交通違反。
そう、なぜ茨城県警が取り上げたかというと、“危ないから”なんです!
ほかの地域の人から見て危ないというだけでなく、地元の人にとっても、実際に危ないからなんです。
では、具体的に“茨城ダッシュ”とはどんな走り方なのか、なぜ危ないのかについて見ていきましょう。
茨城県警が「茨城ダッシュは違反です」と発信する理由とは?
茨城県警の公式サイトによると、茨城ダッシュとは、青色信号に変わった瞬間に猛ダッシュで対向直進車よりも先に右折する行為。
「(茨城ダッシュは)違反です」というからには、なんらかの交通違反に該当するわけですが、茨城県警ではケースによって違反に当たる可能性を示唆しています。
- 交差点右左折方法違反
- 交差点優先車妨害違反
- 信号無視(赤色等)
それまで人々の間で語られるものでしかなかった茨城ダッシュという呼び名ですが、県警公式サイトにまで登場してしまったことで、茨城の名を冠した悪しき習慣を茨城県警が公認したともいえるでしょう。
現実問題として、茨城県は交通死亡事故の死者数がほかの県と比べ多い傾向にあります。令和5年の死者数は93人*と、全国的に見ても決して褒められた数字ではありません……
* 警察庁警察局交通企画課「令和5年中の交通事故死者数について」より
※本記事は2021年11月25日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
日本語表記では「前部霧灯」。本来、濃霧の際に視界を確保するための装備 四輪車ではクロスオーバーSUVのブーム、二輪車においてもアドベンチャー系モデルが増えていることで、「フォグランプ」の装着率が高まっ[…]
Z1とともに、CB750Fourを挟み撃ちするねらいで生まれた、Z1ジュニア=Z650 公害やマスキー法、オイルショックなどが社会問題として声高に叫ばれ始めた1970年代、カワサキは2サイクルのマッハ[…]
意外なる長寿エンジン「ザッパー系」が積み重ねた31年の歴史 2006年12月、ゼファー750ファイナルエディションの発売がアナウンスされ、1990年初頭から続いたゼファー750の16年におよぶ歴史が幕[…]
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
1998年登場のロングセラーモデル、ホンダCB1300シリーズの魅力とは? 今回は、私が白バイ隊員として約10年間、ホンダ CB1300に乗ってきた経験や感想を交えて、CB1300シリーズをお勧めする[…]
人気記事ランキング(全体)
最新モデルはペルチェデバイスが3個から5個へ 電極の入れ替えによって冷却と温熱の両機能を有するペルチェ素子。これを利用した冷暖房アイテムが人気を博している。ワークマンは2023年に初代となる「ウィンド[…]
アウトローなムードが人気を呼んだフルフェイスがついに復活! 6月3日付けでお伝えしたSHOEIの新製品『WYVERN(ワイバーン)』の詳細と発売日が正式に発表された。 1997年に登場したワイバーンは[…]
バイクツーリングにおすすめの都道府県ティア表 バイクツーリングの魅力は、ただ目的地に行くだけでなく、そこへ至る道中のすべてを楽しめる点にある。雄大な自然が織りなす絶景、心地よいカーブが続くワインディン[…]
水冷Vツイン・ベルトドライブの385ccクルーザー! 自社製エンジンを製造し、ベネリなどのブランドを傘下に収める中国のバイクメーカー・QJMOTOR。その輸入元であるQJMOTORジャパンが、新種のオ[…]
東洋の文化を西洋風にアレンジした“オリガミ”のグラフィック第2弾登場 このたびZ-8に加わるグラフィックモデル『ORIGAMI 2』は、2023年1月に発売された『ORIGAMI』の第2世代だ。前作同[…]
最新の投稿記事(全体)
日本でも正式発表が待たれる400ccオフロード/スーパーモト スズキは、昨秋のEICMA(ミラノショー)にて、新型400ccデュアルパーパスモデル「DR-Z4S」およびスーパーモトモデル「DR-Z4S[…]
2003年モデル概要:MotoGP直系の先進技術を取り入れたSSとして登場 発売は2003年7月4日。2003年当時、最先端のMotoGPマシンだった「RC211V」で培った先進技術とスタイリングを随[…]
今年発表されたばかりの最新キャンパー。ホテル代を考えたら検討の価値あり トイファクトリーが運営しているキャンピングカーレンタルサービス「ShareCamper(シェアキャンパー)」は、フィアット・デュ[…]
現代の耐久レーサーはヘッドライト付きのスーパーバイクだが…… 近年の耐久レーサーは、パッと見ではスプリント用のスーパーバイクレーサーと同様である。もちろん細部に目を凝らせば、耐久ならではの機構が随処に[…]
高回転&高出力主義の権化 250クラスでも高性能な直4を望む声が高まっていた’80年代前半、スズキが世界初の250cc水冷直4エンジンを搭載した量産車、GS250FWを投入。以降、ヤマハ、ホンダが追随[…]