
●文:モーサイ編集部(山本晋也)
「インテグラ」を名乗るホンダ2輪/4輪の歴史
2022年にアメリカで復活したホンダの4輪車「アキュラ インテグラ」。2023北米カーオブザイヤーを受賞し、さらには2023年6月に「インテグラ タイプS」も発売されるなど好調で、日本国内導入がいつになるのかと、クルマファンの間では話題になっている。
ところで、「インテグラ」という名前は、2輪と4輪の両方で使われたことのある珍しい例として挙げられることが多い。以下、その歴史を整理してみよう。(日付はメーカー発表日を基準)
- 1982年6月29日:初めて車名にインテグラが用いられた「CBX400Fインテグラ」登場(2輪のサブネームとしての使用)
- 1982年8月(2輪)「CB750Fインテグラ」が登場
- 1982年9月(2輪)「CBX550Fインテグラ」が登場
- 1983年6月(2輪)「VT250Fインテグラ」発表
- 1983年6月(2輪)「MBX80インテグラ」発表
- 1984年1月(2輪)「VF400Fインテグラ」発表
- 1985年2月(4輪)初めてインテグラの名が用いられたニューモデル「クイント インテグラ」誕生
- 1989年4月(4輪)「インテグラ」の単独名称に変更。VTECエンジン搭載
- 1993年5月(4輪)「インテグラ」がフルモデルチェンジ。1.8L化
- 1995年8月(4輪)インテグラに初めて「タイプR」が登場
- 2001年7月(4輪)インテグラ/タイプRがフルモデルチェンジ。2L化
- 2006年(4輪)インテグラ生産終了
- 2012年4月(2輪)ニューモデル「インテグラ」として名称が復活
- 2014年1月(2輪)「インテグラ」が700cc→750ccへと排気量アップ
- 2016年(2輪)「インテグラ」生産終了(販売は2017年まで)。海外向けのみ残るが、その後、生産終了。X-ADVやフォルツァ750(海外向けモデル)が後継を担う。
- 2021年8月(4輪)アメリカで「アキュラ インテグラ」の復活を発表
- 2023年6月(4輪)アメリカで「アキュラ インテグラ タイプS」発売
カウル装備モデルのサブネームとして使われ始めた「インテグラ」
1980年代、2輪のサブネームとして使われ始めた「インテグラ」は、フェアリング(カウル)装着モデルのサブネームという意味合いがあった。そのため、CB/VT/VFなど車種をまたいで使われたのだ。
その由来が、統合するという意味の英語「インテグレート」にあることを考えると、フェアリングをつけた状態を「インテグラ」と表現したのは腑に落ちる話だ。
「インテグラ」はそのまま2輪で使われるのかと思いきや、その直後に4輪にトレードされる
そもそもホンダには、「クイント」という5ドアハッチバック車があった。クイントはラテン語で5番という意味だから、5ドア車の名前としては、まさに名は体を表すものだったが、フルモデルチェンジにおいて3ドアハッチバックなどバリエーションを増やすようになると都合が悪い…。
そこで最初は「クイント インテグラ」として使われ、その次のモデルチェンジにて「インテグラ」という単独名称になった。
このリトラクタブルヘッドライトのスタイリッシュなモデルは、アメリカでスタートしたアキュラブランドの最初のモデルとして「アキュラ インテグラ」として発売された。北米ではアキュラのルーツという歴史的なモデルでもあったのだ……
※本記事は2021年11月11日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
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