
●文:モーサイ編集部(小泉元暉)
1994年に『週刊少年サンデー』(小学館)にて連載を開始した漫画作品『名探偵コナン』。黒の組織によって体を小さくされた高校生探偵・工藤新一が、「江戸川コナン」を名乗り、組織の行方を追いながら数々の事件を解決していく…というのはもはや説明不要の人気作品ですね。
そんな『名探偵コナン』の作中では、様々なキャラクターたちがクルマやバイクに乗っていますが、2017年に公開された劇場版『から紅の恋歌』で、西の名探偵・服部平次がバイクに乗って、ヒロイン・遠山和葉を窮地の状況から助けたシーンなどは特に印象的ですね。
また、作中で描かれているクルマやバイクは、「実車をそのまま参考にしたのでは!?」と思うほどリアルに描かれている点が特徴的です。そこで本記事では、『名探偵コナン』に登場するバイクに似ている…、そして、作者・青山剛昌先生も参考にしたかもしれないモチーフ車両について、登場人物とともに考えます。
オフロードバイクとネイキッドバイクに乗る服部平次
まず、バイクに乗るキャラクターとして思い浮かぶのは、高校生探偵・服部平次ではないでしょうか?
服部平次といえば、登場人物の中でも、映画やアニメ内でバイクに乗っているシーンが多いキャラクター。また、推理力の高さから「西の服部、東の工藤」と並び称される彼は、自動二輪免許を取得しており、バイクの操縦もスタントライダー並みだとか(どこでその腕を磨いたんだ…!?)。
しかし、事件を解決したいという熱き思いが先走って、犯人を追いかけている最中に転倒するという危ないシーンも…。そんな彼、オフロードバイクとネイキッドバイクに乗っている姿が、漫画/アニメ/映画内で描かれています。
服部平次のオフロードバイクは、カワサキKLX250ではないか?
服部平次が乗っているオフロードバイクをよく見ると、まず初めに目につくのが緑色のカラー。そのほか、マフラーまわりにゼッケンプレート風パーツがある点や、ハンドガードが装備されている点、また、フロントフォークが倒立フォークである点などを考えると、これはカワサキKLX250で間違いないのではないでしょうか?
カワサキ KLX250。エンジンは249ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ単気筒。
軽量/ハイパワーな2ストマシンに、あえて4ストエンジンで挑んだKLX250は、デビュー当時「闘う、4スト。」というキャッチコピーが付けられていましたが、数々の事件や苦難と闘っていくアグレッシブな平次らしいバイクだと思います。
劇場版『世紀末の魔術師』/『迷路の十字路』/『から紅の恋歌』にて、オフロードヘルメットを被った服部平次が乗っていましたが、そのKLX250と思われるバイクが登場すると、必ずと言ってもいいほどカーチェイスシーンがありますよね。
カーチェイスの中でも特に、『迷宮の十字路』の作中で線路の上をバイクで走行するという場面は、過激でした。そんな運転を後部座席で見ていたコナンが、「道交法違反…免停だな、こりゃ」と言っていたシーンは印象的ですね(笑)。
しかし、KLX250と思われるバイクは、登場するたびにデザインが微妙に変わっているので、じゃあ何年式のモデルなの? という特定依頼はご容赦ください…。
服部平次のネイキッドバイクはホンダCB400フォアではないか?
次に、単行本第25巻/アニメ第166話〜168話の『鳥取クモ屋敷の怪』で服部平次が乗っているネイキッドバイクは、CB400フォアにそっくりです!
ホンダ CB400Four。エンジンは399ccの水冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒。
単行本25巻の51ページに描かれている場面では、片側の2本出しマフラーや、サイドカバーの特徴的なエンブレム、タンクには「HONDA」っぽいロゴが確認できますし、さらに細かく見ると、エンジンにはフィンがあって一見空冷かと思いきやラジエターがあるなど…、外観上の特徴がこれだけ揃っていれば、もうCB400フォアで間違いないでしょう!
なお作中では、バイクに乗っているときガス欠になってしまったので、バイクを押して歩く服部平次でしたが、隣には遠山和葉もいたので、おそらく2人乗りをしていたのではないかと思われます(羨ましいわぁ〜)。
あえて言おう。世良真純のバイクはヤマハXT400E アルテシアである、と!
物語の中盤から登場するFBI捜査官・赤井秀一は、黒の組織から“組織を壊滅させ得る存在”として恐れられており、700ヤード(640m)離れた場所から1円玉より小さい盗聴器を狙撃する凄腕のスナイパー。
その赤井秀一の妹として登場するキャラクターが、世良真純(せらますみ)です……
※本記事は2021年4月29日公開記事を再編集したものです。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!? 警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希[…]
ホンダ・スズキと同じく、浜松で創業した丸正自動車製造 中京地区と同様に、戦後間もなくからオートバイメーカーが乱立した浜松とその周辺。世界的メーカーに飛躍して今に続くホンダ、スズキ、ヤマハの3社が生まれ[…]
国内のカウル認可後に生まれた、1980年代半ばのネイキッドたち オンロードモデルの中で、定着して久しいネイキッド(英語のNAKED=裸という意味)というカテゴリー名。今では「カウルの付かないスタンダー[…]
シート後部、リヤ両サイドにある白バイの計3つのボックス 白バイのボックスは3つあります。荷物を入れるためのサイドボックス、無線機を入れる無線機ボックスがあり、サイドボックスは車両後部の左右に1つずつ、[…]
非Vツインから始まった、日本メーカー製のアメリカンモデル 1969年に公開されたアメリカ映画「イージーライダー」に登場するハーレーダビッドソンのカスタムチョッパーに影響を受け、長めのフロントフォークと[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!? 警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希[…]
シート後部、リヤ両サイドにある白バイの計3つのボックス 白バイのボックスは3つあります。荷物を入れるためのサイドボックス、無線機を入れる無線機ボックスがあり、サイドボックスは車両後部の左右に1つずつ、[…]
規制の根拠は「道路法・第46条第3項」 高速道路などを走っていると、時折インターチェンジの手前などで「危険物積載車両ここで出よ」という表示を目にすることがある。この表示を見かけた場合、その先に危険物積[…]
日本語表記では「前部霧灯」。本来、濃霧の際に視界を確保するための装備 四輪車ではクロスオーバーSUVのブーム、二輪車においてもアドベンチャー系モデルが増えていることで、「フォグランプ」の装着率が高まっ[…]
白バイがガス欠することはあるの!? 今回は、「白バイが警ら中にもしもガス欠になったら!?」について、お話したいと思います。結論を先に言うと、ガス欠にならないように計画を立てて給油しています。 私も10[…]
人気記事ランキング(全体)
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
ヤフオクで入手したバイクのフレーム。ネジ穴に折れたボルトが詰まってた!? ヤフーオークションでとあるバイクのフレームを買ったところから話が始まります。 フレーム曲がりや大きな傷もなく、塗装面も小傷があ[…]
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
原付スクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があ[…]
最新の投稿記事(全体)
海外の名車を規範とした1960年代初頭以前の日本車 W1シリーズの原点はメグロのスタミナK1で、K1の規範はBSAが1946~1960年代初頭に販売したA7である。ではそもそも、なぜ1923年に創設さ[…]
新作GSX-8T/8TTに足並みを揃えて2026年モデルに スズキ独自のクロスバランサーを採用した最新776cc並列2気筒エンジンを搭載するモデルのうち、フルカウルスポーツとスポーツネイキッドとしてシ[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 年々暑さが増している夏。冷感シャツやメッシュジャケットなど様々な冷却アイテムが普及して久しいが、半端な対策ではツーリングが快適とはいかなくなってきた。 そこ[…]
構成要素のすべてに技術的な裏付けがあるSP2シリーズ そもそも山口県のバイクショップからスタートしたASウオタニ。SP2フルパワーキット/SP2パワーコイルキット/SP2ハイパワーコイルセットといった[…]
硬派なライダー向けに180°クランクの高回転ツインを搭載! カワサキがZ750FX系列の末弟としてZ250FTをリリースしたのは1979年2月。 1970年代のはじめから、250ccのスポーツバイクは[…]
- 1
- 2