
●記事提供:モーサイ編集部 ●レポート:山本晋也 ●写真:トライアンフ/ホンダ/スズキ/BMW ●編集:上野茂岐(モーサイ編集部)
660ccの3気筒エンジンを搭載するトライアンフ「デイトナ660」
イギリスのバイクメーカー・トライアンフから新型車「デイトナ660」が発表された際、クルマ好きの中でも話題となったことをご存知でしょうか。
デイトナ660のエンジンは、近年のトライアンフが力を入れている3気筒で排気量は660cc。まさに日本独自の四輪規格である軽自動車を思わせるエンジンで、それでいて95馬力の最高出力を誇ります。
2024年3月に発売されたトライアンフのデイトナ660。最高出力95psの660cc 3気筒エンジンを搭載するフルカウルスポーツモデルで、価格は108万5000円〜
軽自動車ではターボエンジンでも64馬力(自主規制ですが)、自然吸気では50馬力前後が多いことを考えると、トライアンフの3気筒エンジンは驚異的なスペックだと言えます。クルマ好きが「このエンジンを軽自動車に載せたらどんな凄いスポーツモデルになるんだろう」と沸き立ったのも納得ではないでしょうか。
ほかにも660cc前後の排気量を持つバイク用エンジンは数多くありますし、いずれも軽自動車用エンジンより高いパフォーマンスを誇っています。では、バイク用エンジンを軽自動車に載せると、どれほどの高性能を示してくれるのでしょうか。
当記事では660ccちょうどのデイトナ660を例としつつ、軽自動車代表としてホンダ N-BOX、スズキ アルトのエンジンスペックを比べてみましょう。
バイク用エンジンは「トルクが細い、圧縮比が高すぎる」説は関係ない?
軽自動車のエンジンスペック
昔から「バイク用エンジンはトルクが細いから車重のある四輪には向かない」という声もありますが、最大トルクを見比べるとそんなことはないのがわかります。
デイトナ660のトルクはNA(自然吸気)の軽自動車エンジンとしてはトップクラスの性能を誇るi-VTEC採用のN-BOX用エンジンを凌駕しています。数値上では軽自動車に載せても、十分な性能を持っているように思えます。こうしたエンジンが登場すれば、性能的にはターボ不要論さえ出てきそうです。
また「バイク用エンジンは圧縮比が高いから……」というイメージもあるかもしれませんが、上記の比較を見てもわかるように、どれも圧縮比は12前後となっています。その点については気にせずともよさそうです。
スズキ アルト。パワーユニットはハイブリッドとガソリンエンジンの2種が用意されるが、当記事ではガソリンエンジンを比較対象とする。
ホンダ N-BOX。パワーユニットはNAの「i-VTECエンジン」とターボエンジンの2種が用意される。ターボ仕様の「カスタム」(写真右)はデザインも異なる。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
モーサイの最新記事
仕事を通じてわかった、足を保護すること、足で確実に操作すること 今回は、乗車ブーツの話をします。バイクに乗る上で、重要な装備の一つとなるのが乗車ブーツです。バイクの装備といえばヘルメットやジャケット、[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
松戸市〜成田市を結ぶ国道464号の発展 かつて、千葉県の北総地区は高速道路のアクセスが今ひとつ芳しくなかった。 常磐自動車道・柏インターや京葉道路・原木インターからもちょっとばかり離れているため、例[…]
創業100年を迎えた青島文化教材社「草創期から異端派だった?」 中西英登さん●服飾の専門学校を卒業するも、全く畑違い(!?)の青島文化教材社に2000年に入社。現在に至るまで企画一筋。最初に手がけたの[…]
最新の関連記事(バイク雑学)
オートバイって何語? バイクは二輪車全般を指す? 日本で自動二輪を指す言葉として使われるのは、「オートバイ」「バイク」「モーターサイクル」といったものがあり、少し堅い言い方なら「二輪車」もあるだろうか[…]
【燃料タンク容量考察】大きければ良いってもんではないが、頻繁な給油は面倒だ 当たり前の話ではあるけれど、燃費性能とともに、バイクの航続距離(無給油で連続して走れる距離)に関係してくるのが、燃料タンクの[…]
バイクいじりで手が真っ黒、そんな時どうしてる? バイクいじりにつきものの、手の汚れ。 特に、チェーンのメンテナンスやオイル交換など、油を使った作業となるとタチが悪い。 ニトリル手袋やメカニックグローブ[…]
白バイ警察官になるためのファーストステップ、必要なのは執拗なアピールや根回し!? 警察官になっても、すぐに白バイ警察官になれる訳ではありません。白バイ警察官になるには、まず「白バイ隊員になりたい」と希[…]
シート後部、リヤ両サイドにある白バイの計3つのボックス 白バイのボックスは3つあります。荷物を入れるためのサイドボックス、無線機を入れる無線機ボックスがあり、サイドボックスは車両後部の左右に1つずつ、[…]
最新の関連記事(トライアンフ)
世界中のビルダーがボンネビルをカスタム 今回開催されたバイクカスタムの世界規模コンペティションには、世界各地から8チームが参加。その中からファイナリストに選出されたのは、ブラジル、フランス、イタリア、[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は、2025年モデルで各部のブラッシュアップが行われたトライア[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
アドベンチャー仕様としてオフロード性能を強化 新型モデル「スクランブラー400XC」は、トライアンフが誇る400ccモダンクラシックシリーズの新顔だ。既存のスクランブラー400Xをベースに、さらなるオ[…]
ニューカラーをまとった2026年最新トラをチェック プレミアム志向の輸入ブランドとしても、国内でも地位を確立した感のあるトライアンフ。その2026年モデルが、ニューカラーをまとって出そろった。 話題の[…]
人気記事ランキング(全体)
最新の投稿記事(全体)
2021年に底を打ったバイク盗難の件数は近年、再び上昇傾向にある。2021年の7569件に対し、2024年は1万1641件まで増加しており、原付一種/原付二種が89%を占めているという。[…]
トラコン装備で330ccの『eSP+』エンジンを搭載するタフなスクーター シティスクーターらしい洗練されたスタイリングと、アドベンチャーモデルのエッセンスを高次元で融合させ人気となっているのがADVシ[…]
今季限りでフルタイム参戦から退くジョナサン・レイ選手の最新レプリカ登場 WSBK(スーパーバイク世界選手権)で活躍しているジョナサン・レイ選手(ヤマハ)の最新レプリカヘルメットが登場する。もちろんレイ[…]
「断然ネコ派!」なライダーにぴったりのかわいいネコが描かれたアライのフルフェイス このたび追加されるニューグラフィック『ASTRO-GX NEKO』は、YF DESIGNがデザインを手がけたキュートな[…]
ヤングマシン電子版2025年11月号[Vol.636] 【特集】◆サーキット行こうぜ!・CB1000F コンセプト、丸山浩のお気軽カスタム術・モリワキが見据える極限の走り・サーキットで走ってみよう!・[…]
- 1
- 2