
トライアル競技は、スピードを競うのではなく、セクションと呼ばれる採点区間をいかにミスなく走破できるかを競う。通常は8〜10ヶ所のセクションがあり、オブザーバーが規則に沿った採点をして、最終的にミスの少ないライダーが勝者となる。2022年4月3日に愛知県キョウセイドライバーランドにて開幕した日本トライアル選手権シリーズの模様を紹介する。
●文/写真:ゴーライド編集部(MFJ)
小川友幸、V12に向け好発進。黒山健一が追従し王者奪還を目指す
前日から雨が降り続け、ライダーたちを苦しめた全日本トライアル選手権シリーズ第1戦。その状況のなか、最高峰の国際A級スーパークラスで好調なライディングを見せたのは、ヤマハのファクトリーライダー黒山健一選手。ほとんどの選手が各セクションで減点5点となるなか、唯一クリーン(失敗なし)を出し、’21年のチャンピオン小川友幸選手に14点差をつけて優勝した。
第2戦の九州大会では、開幕戦の雪辱を晴らすように、スペシャルセクションにて小川友幸選手が小川毅士選手を逆転して勝利。第2戦終了時点でのランキングトップは小川(友)選手、9点差でここしばらくチャンピオン獲得から遠ざかっている黒山選手が追うが、国際A級スーパークラスは、’22年トライアル世界選手権にスポット参戦する予定だという小川(毅)選手、マシンを乗り換えた柴田暁選手、チャンピオン争いの常連・野崎史高選手、成長著しい若手・廣畑伸哉選手、元世界チャンピオン藤波貴久氏の甥・氏川政哉選手など、強者が揃うだけに第3戦以降も混戦模様となった。
国際A級クラスは、永久保恭平選手や田中善弘選手といった、元国際A級スーパークラスに参戦していた実力派から、浦山瑞希選手や黒山陣選手など中学生が出場し、ベテランvs若手の戦いも見どころ。
開幕戦で優勝を飾ったか黒山健一選手のライバルで、ディフェンディングチャンピオンの小川友幸選手。10連覇へ向けて渾身のライディング!
第3戦のレディースクラスには、女性で初めてトライアルの国際A級ライセンスを取得した片桐(萩原)真理子選手と、彼女の姉でクラス6連覇を果たしている西村亜弥選手が出場し、姉妹対決の行方が注目された。ブランクを感じさせないダイナミックな走りを見せた片桐選手だが、1ラップ目は西村選手が1点差でリード。2ラップ目に好調な走りを見せたのは小玉絵里加選手だったが、優勝争いを繰り広げたのは西村選手と片桐選手。結果、2点差で女王・西村選手が勝利した。
最高峰の国際A級スーパークラスは、減点5点となったのは1ヶ所のみと、ガッチこと小川友幸選手が圧勝した。国際A級は田中善弘選手/国際B級は宮﨑 航選手/元国際A級スーパークラスのライダーが勝利している。
レディースクラス6連覇中の西村亜弥選手。妹・片桐選手に2点差をつけて関東大会を制した。
’16年に誕生したレディースクラスは西村亜弥選手が6連覇中。ライダーの年齢層も幅広くなり、高校生ライダーたちの活躍にも注目。
ケガの影響により西村選手の欠場が発表され、女王不在で迎えた第4戦。雨予報だったため、それに合わせたセクション設定だったものの、国際A級スーパークラスのスペシャルセクションまで雨は降らず。逆にそれがひとつのミスで大きく順位が入れ替わる結果に。
レディースクラスは、’22年全日本にデビューし第2戦では3位に入った高校生・山森あゆ菜選手が1ラップ目トップ。2ラップ目は同じく高校生の中川瑠菜選手がトップと、若手が大活躍。しかし、’17年から全日本に出場している山中玲美選手が、3ラップ目を減点3に押さえて全日本初優勝を飾った。
2位の小玉絵里加選手と減点15で同ポイントだったが、クリーン(減点0)の多さで全日本初優勝となった山中玲美選手。
国際Aスーパークラスは小川友幸選手が連勝/国際A級は永久保恭平選手/国際B級は宮﨑 航選手が勝利した。
10連覇12度目のチャンピオン獲得に向け、好調な走りを見せる小川友幸選手。第4戦終了時点で2位に26ポイント差をつけている。
’22年のスケジュールは、9月4日に行われる第6戦中国大会(広島県灰塚ダムトライアルパーク)/10月9日に行われる第7戦近畿大会(和歌山県湯浅トライアルパーク)/10月23日に行われる第8戦東北大会(宮城県スポーツランドSUGO)と、残すところあと3戦。ぜひ生でトライアル観戦を楽しんでほしい。
※本記事は“ゴーライド”が提供したものであり、文責は提供元に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
あなたにおすすめの関連記事
青き森を走る〜みちのく林道ツーリング 現在では福島以北を指す"みちのく"。そんな東北地方の上東北にスポットをあて、ゴー・ライド副編集長コイがツーセロとともにロング林道ツーリングを敢行。北海道よりも近い[…]
オフロードパッケージ:トータル19色からコーディネートできるカラーバリエーション ボスコ・モトが取り扱うベリックの「オフロードパッケージ」は、これから林道ツーリングやオフロードレースを始めようというユ[…]
オフロードも林道走行も楽しめるのはやはりトレールマシン オフロードマシンとひと口にいっても、競技用モデルと公道モデルでは、その作りも大きく変わってくる。モトクロス/エンデューロ/トライアルとあるが、モ[…]
ファンティック XEF125/250:本格装備のプレミアムトレール 低中速で粘るトルクと高回転までスムーズに伸びるエンジンを、軽量な車体に搭載。軽さと扱いやすさが、高いオフロード走破性として結実してい[…]
国内4メーカーのトライアルの軌跡… これからトライアルブームがやってくる!? '20年からトライアルにハマってしまった筆者だから、ひいき目フィルターがかかっているのは否めない。しかし、有名著名人がトラ[…]
人気記事ランキング(全体)
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
滑りにくさと耐久性を両立したソール設計 アシックスの安全靴「WINJOB CP113」は、油で劣化しにくく耐久性に優れたCPグリップソールを採用。濡れた床や油で汚れた現場でも安定したグリップ性能を発揮[…]
デビュー時は2スト125で敵ナシ状態! 1982年のヤマハRZ125が生んだムーブメントは、高速道路へ入れないマイナーな125スポーツだったのを、2ストの水冷化で通勤通学だけでなくレースへ興じる層が加[…]
最新の記事
- ホンダ新型「CB500スーパーフォア」重慶ショーで登場! 俺たちの「CB400スーパーフォア」も帰ってくる!!
- 家族で楽しむ交通安全! ブリヂストンの「ファミリー交通安全パーク」でバイクもクルマも安全再確認
- 世界GP王者・原田哲也のバイクトーク Vol.150「マルク・マルケスは引退後に何を語る?」
- 元SKE48「梅本まどか」&人気インフルエンサー「MIISA」も来場! 道の駅 飯高駅でJAFバイクミーティングが10/19開催
- 【限定】ホンダ「ダックス125 ロイヤルリミテッド」登場! キタコ製クロームフェンダーや3Dエンブレムの特別仕様【海外】
- 1
- 2