ネオクラシックとは? 旧車/クラシックバイクとの違いを有名バイクショップ店員に聞いてみた
「やっぱ旧車かっこいいな…」。そんな思いからネットサーフィンをしていると、クラシックバイクという単語を見つけた。「旧車のことかな?」と調べを進めてみると、さらに「ネオクラシックバイクが人気!」という話も出てきたではないか。はたしてこれらは何を示していて、どんな違いがあるのか? 知り合いの有名バイク屋さんに確認しつつ、調べてみた。
旧車とクラシックバイクの違いは?
旧車とクラシックバイクは基本的にはどちらも、ほぼ同じ意味合いだということがわかった。設計が古く、インジェクションや電子制御といったハイテクな機能がない、昔ながらのバイクを指す。そのため、現代のバイクより速さや扱いやすさはないものの、ダイレクトで荒々しいフィーリングを楽しむことができるといった特長があるのだ。
1978年から大きな設計変更を受けることなく、2021年まで販売されていたSR400。クラシックバイクの代表格だ。
旧車/クラシックバイクとネオクラシックバイクの違いは?
じゃあ旧車やクラシックバイクと、ネオクラシックバイクの違いはというと…、簡潔に言うのであれば「中身」だ。ネオクラシックバイクは、旧車やクラシックバイクに寄せた見た目をしているものの、中身は近代的。インジェクションにABS/トルクコントロール/走行モードなど、現在のバイクと同じ機構や装備を採用しているのだ。
ネオクラシックバイクって何が良いの?
ネオクラシックバイクがどのようなものなのかは理解できたが、いまいちネオクラシックバイクが選ばれる理由がわからない。何かしら人気の理由があるのだろうか?と知り合いのバイク屋に話を聞いてみた。以下に、その内容をまとめてみる。
ネオクラシックバイクだからこそのメリットって何?
ネオクラシックバイクだからこそのメリット、それは「比較的安価で安全、手間をかけずに見た目クラシカルなバイクに乗れる」ことだ。
やはり、私のように、旧車の見た目に憧れるライダーは多い。しかし、キャブレターをイジれたり、絶版パーツをいかに揃えるかなど、維持には知識と資金が必要。そして、なにより旧車は現在、価格がどんどん高騰していて、人気車種ほど手が出せない状況が続いている。
一方で、ネオクラシックは中身が安心の現代仕様。初心者でも扱いやすく、故障しにくいから維持費も抑えられる。それに人気の旧車と比べれば、はるかにネオクラシックの方が安いというのも魅力だ。
つまり、「見た目は旧車が良いが、お金も技術もない…」という私のような人間にとっては、とても助かるバイクなのだ。
バイク屋目線ではクラシックバイクとネオクラシックバイクどっちがおすすめ?
あくまでバイク屋としては、パーツを取り寄せられるネオクラシックの方が助かるとのこと。旧車は、実際に触れたことのない若いスタッフもいるので、メンテナンスの簡単さで言えば、やはりネオクラシックに軍配が上がる。
とは言え、「どちらがおすすめか?」と言われると、一概にはなんとも言えないという。生粋の旧車好きからすれば、見た目だけを寄せているネオクラシックは本物ではないからだ。メンテナンスの手間がかかるところも含めて「旧車」なのだ。
2019年にスズキの現行KATANAがデビューしたときには、「これはカタナじゃない」という昔ながらのカタナ乗りから、否定的な意見も出たという。個人的にはかっこいいと思うけど…。
形から入るならネオクラシックバイクはいい!
ネオクラシックバイクに関しては、本物の旧車好きからは賛否両論というところだろう。しかし、私のように、旧車の見た目が好きなバイク初心者にとっては、これほどありがたいことはない。
安全安心に形だけでも当時の雰囲気が味わえるからこそ、ネオクラシックは人気なんだなと感じた調査であった。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名城政也)
二輪免許こそない私だけれど、子供の頃から「特攻の拓」や「バリバリ伝説」のようなバイク漫画がとにかく好きだった。学生時代ともなれば、漫画から読み取れた知識だけで「バリバリ伝説の主人公、巨摩 郡みたいにC[…]
世の中は忘年会シーズン真っ只中。あっちに行ったりこっちに行ったりと、一次会や二次会などで都心を駆け回るビジネスマンをよく見かける。でも、忘年会の会場が駅や会社から離れた場所にあるときは、移動が面倒…。[…]
「いつかは旧車に乗り、自分専用のカスタムをしたい」と、憧れを抱いている筆者。その夢を叶えるためには、ひとつの大きなハードルがあったりする。そもそも、各部の名称や役割についてよくわかっていないのだ。そこ[…]
幼い頃、ファーストフードのドライブスルーを「自転車でもできるのかな!?」と想像したことがある。大人になった今となっては、もうそんなことはしないが、実際はどこまで可能なのだろうか? と考えたときに、ひと[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 高速道路を走ってみたいが…怖い ライダーの先輩に、高速道路を走る注意点やポイントについて聞いた。一般道すら走ったことない私からすると、高速道路は正直なところ怖いという印象[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
2025年上半期の国内登録台数は3099台で販売新記録! 発表会の冒頭、BMW株式会社モトラッド・ジェネラルマネージャーの大隈 武氏が壇上に立ち、2025年上半期のビジネス概要/取り組みを発表した。 […]
カワサキ「W230」「メグロS1」の2026年モデルが登場【欧州】 カワサキが欧州で、日本でも人気のレトロバイク「W230」と「メグロS1」の2026年モデルを発表。とくに注目はW230のニューカラー[…]
5月まで数々の噂に揺れたKTMだったが── KTMの親会社であるピエラ・モビリティが戦略的経営再建計画を発表したのは、昨年11月26日のことだった。そして今年5月22日、KTMはインドのバジャジ(Ba[…]
バイク王公式アンバサダーに就任した虹色侍の“ずま” 今年2025年4月から始まったバイク王の新CMで、ハイテンポで歌い上げる「バイクを売るならGO〜バイク王〜」のフレーズに気づいたライダーも多いはず。[…]
スズキ ジクサー150試乗インプレッション 全日本ロードレースを走るレーシングライダー、岡崎静夏選手がスズキ「ジクサー150」の2025年モデルを試乗。彼女は想像以上にスポーティーな乗り味に驚いたと語[…]
最新の関連記事(Q&A)
バイク エンジン かからない原因を症状別に解説 さあ、ツーリングに出かけよう! 荷物をシートにくくりつけ、ヘルメットとグローブを装着してキーをシリンダーに差し、セルスイッチをプッシュ……え、エンジンが[…]
バイクのパンク修理を自分でやるときに知っておきたい基本知識 どんなに注意して走っていても、路面の釘やネジなどを拾ってパンクすることは少なくありません。とくにバイクは路肩を走行する場合も多く、路肩には車[…]
バイクオイル交換とは? エンジンオイルの役割 バイクのオイル交換とは、エンジン内部の潤滑や冷却、清浄などを担うエンジンオイルを新しいものに入れ替える作業です。 エンジン(内燃機)内部は精密パーツが高速[…]
A:どちらも不具合。後ろはアフター、バックは戻ると覚えるべし 未燃焼ガスがシリンダー外で燃えるという意味では、どちらも同じ”不調”を表している。アフターファイアーはマフラー側に流れた未燃焼ガスが引火す[…]
A.クラッチを切らずにギヤチェンジできるクイックシフターは便利なはずですが、確かに操作するときの状況によっては仰るようにギクシャクしたりショックがあって怖い思いをするかも知れません。加速(増速)側の場[…]
人気記事ランキング(全体)
スマホ連携TFTやスマートキー装備のDX ホンダがミラノショーで発表した2025年モデルのPCX125(日本名:PCX)。2023年には欧州のスクーターセグメントでベストセラーになった同車だが、日本で[…]
ニューカラーにスマートフォン接続機能が進化 2026年モデルでパッと目を引くのは、やはりカラー&グラフィックの変更だ。「Ninja ZX-4R SE」は、パールロボティックホワイト×メタリックスパーク[…]
みんながCBを待っている! CB1000Fに続く400ccはあるのかないのか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「[…]
意外と複雑な一方通行の表示 一方通行規制のおもな目的は、車両の相互通行による複雑で危険な交通状況を単純化し、交通の安全と円滑を図ることにある。とくに、道幅が狭く、歩行者や自転車の通行が多い住宅地や繁華[…]
スズキ ジクサー150試乗インプレッション 全日本ロードレースを走るレーシングライダー、岡崎静夏選手がスズキ「ジクサー150」の2025年モデルを試乗。彼女は想像以上にスポーティーな乗り味に驚いたと語[…]
最新の投稿記事(全体)
「ワインディングの覇者を目指すならCB-1」のキャッチコピーだったら評価は変わった!? カウルを装着したレーサーレプリカが出現する以前、1970年代までのスーパースポーツはカウルのないフォルムが一般的[…]
軽量コンパクトなフルフェイスがカーボンモデルとなってさらに軽く強く! Kabutoのフルフェイスヘルメット『AEROBLADE-6』は、軽量&コンパクトな帽体を空力特性に優れる形状に仕上げたモデルだ。[…]
バイク専用設計で干渉しにくいL字コネクター デイトナのUSB-A to USB-C充電ケーブルは、バイク乗りの使いやすさを徹底的に追求した設計。スマホ接続部がL字コネクターになっており、走行中もハンド[…]
2025年上半期の国内登録台数は3099台で販売新記録! 発表会の冒頭、BMW株式会社モトラッド・ジェネラルマネージャーの大隈 武氏が壇上に立ち、2025年上半期のビジネス概要/取り組みを発表した。 […]
サスペンションのオーバーホールとは? バイクのメンテナンスで必要な項目と言えば、多くの方がまず“エンジンオイルの交換”を思い浮かべるのではないでしょうか? 実は、サスペンションも同様にメンテナンスが必[…]