“ガソリンが腐る”ってどういうこと? 意外と短い消費期限や対策方法を徹底解説【バイクメンテの疑問】
「腐ったガソリン」とは、どんな状態のこと?
「ガソリンが腐ってる」と聞いたことはないでしょうか? ちなみに「ガソリンが腐る」とはもちろん比喩表現で、生鮮食品のように腐るわけではありません。時間経過とともに燃料の品質が低下して変質したガソリンの状態を「腐ってる」と言うのですが、それがどんなものかと言いますと・・・ほらっ! ↓↓↓
風の谷のナウシカよろしく「チッ、腐ってやがる」って言いたくなるでしょ? これをさらに放置すると、ドロドロを通り越してガム状の固形物へと変化してしまうのです。
ガソリンはこうして腐って(劣化して)いく
そもそも「ガソリンが腐る」とは、酸化や揮発によって燃料の品質が低下した状態を指しますが、ぶっちゃけた話軽度の劣化であれば問題なく走行できてしまうため気づかないことも多いのです。ガソリンが劣化しはじめると、まず「臭い」が変わります。
劣化してくると新鮮なガソリンとは違って独特の「酸っぱい」臭いになり、ガソリンの色も新鮮な頃の赤っぽい色から、だんだんと濁ってきます。ただしそれは軽度な状態であり、まだ普通にエンジンをかけて走ることができるため、なかなか気づかない状態でもあります。
さらに劣化してくると「鼻にツンとくる」刺激臭になります。その頃になるとガソリンも緑っぽい色になってきて、もうエンジンで爆発できなくなってきます。いわゆる「放置してたらエンジンが始動しなくなった」状態ですね。
そこからさらに時間がたつと茶色っぽいドロドロになってきて、やがては黒いガム状の物質に変化します。そうなるとキャブレターだろうとインジェクションだろうと詰まらせる原因となり、燃料コックやフューエルホースを詰まらせたりすると大事になってしまうのです。
ガソリンの使用期限はどれぐらい?
では、ガソリンはどれぐらいの期間放置したら腐ってしまうものなのでしょうか?
じつは明確な使用期限はないものの、一般的には冷暗所に保管されているガソリンであれば半年たっても問題なく使えるようです。とはいえそれは条件が良い場合の話で、3ヶ月で劣化が始まるという話も聞かれます。
ここからは、筆者の経験談をお話ししますね。ガソリンは、少量よりも多い方が腐りにくいです。ガソリンは、空気に触れにくいほうが腐りにくいです。また、気温は高いより低い方が腐りにくいです。
つまり、キャブレターに入っているガソリンは、少量なうえに空気に触れやすいので、それこそ気温が高い季節だと最短で2~3ヶ月で怪しくなって、6ヶ月超えるとエンジンがかからなくなることが多いです。
ガソリンを腐らせないためにはどうするべきか
とはいえ、土地柄、季節柄、または仕事や諸々の事情でバイクを長期保管することもあるでしょう。そんな時はどうしたらいいか??
まずキャブレターの中のガソリンは腐りやすい上に変質するとすぐ詰まるので、できるだけ抜いておいた方がいいです。ただ抜くだけでなくて、可能であればいちどキャブレタークリーナーで洗浄したり、圧縮空気で乾燥させておくのがベストでしょう。
ガソリンタンクは酸化を減らすためにも、できるだけ空気が入らないように満タンにしておくといいでしょう。冷暗所であれば一年ぐらい放置しても大丈夫だったりしますが、理想を言えば、半年ごとのガソリン入れ替えがおすすめです。
ガソリン入れ替えのやり方としては、ポンプなどを利用してガソリンタンクから携行缶に移し入れて、日常的に乗っているバイクや車などに使ってしまうというものです。
そして、携行缶で新しいガソリンを買ってきて、ふたたびガソリンタンクいっぱいに新鮮なガソリンを入れておくのです。
まとめ
ガソリンは時間の経過とともに劣化します。そして劣化したガソリンはエンジンの始動を困難にするだけでなく、キャブレターやインジェクションのジェット類を詰まらせてしまったり、燃料コックや燃料ポンプ、さらにはフューエルラインそのものを詰まらせてしまうことさえあります。そうなると直すのが困難になるだけでなく、高い修理費用がかかってしまいます。
そうならないためにも、ガソリンを劣化させない対策はしっかりしておきましょうね。この記事が皆様の参考になれば幸いです。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました~!
私のYouTubeチャンネルのほうでは、「バイクを元気にしたい!」というコンセプトのもと、3日に1本ペースでバイクいじりの動画を投稿しております。よかったら遊びにきてくださいね~!★メインチャンネルはコチラ→「DIY道楽」 ☆サブチャンネルもよろしく→「のまてつ父ちゃんの日常」
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。
最新の関連記事(DIY道楽テツ)
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
燃料コックにも涙? それはある日の出来事。バイクで走り出そうとガソリンタンクの燃料コックをオンにした時、指先に冷たいものを感じました。 何があるのかと覗き込んでみると・・・燃料コックが泣いているぅ~![…]
ひと昔のバイクは一年中暖機運転が必須でした 昔のバイク…と行かないまでも、1990年代末ぐらいまでのバイクは、一年中エンジンの暖気が必要不可欠でした。とくに2サイクルエンジン車は、冬はなかなかエンジン[…]
チューブレスタイヤのビード落としは難しいよね!? タイヤレバーを使ったタイヤ交換、いわゆる手組でタイヤの脱着ができるという方でも、チューブレスタイヤとなると腰が引いてしまう、そんな方も多いのではないで[…]
APトライク125の積載量に興味アリ! APトライク125の特徴といえば、おもに下記の4つが挙げられます。 乗っていて面白い 雨に濡れにくい 税金が安い 3人乗りができる さらに加えるなら、「荷物がい[…]
最新の関連記事(メンテナンス&レストア)
ユーザーの好みに応える充実のラインアップ。スポーツモデルを直立させるスタンドに求められる条件とは? BMWモトラッド専門店として2010年にオープンしたモトラッドミツオカ大阪は、大阪北部に位置する人気[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
愛車を長期保管する前にやっておきたい「4項目」 本格的に寒くなるこれからの季節は、バイクに乗りたい気持ちはあっても、温かい時期に比べると走りに行く機会が少なくなってくる方も多いことでしょう。ましてや、[…]
プッシュスルースプリットビームトルクレンチ:作業後のゼロ点戻しが不要。反時計回りの測定も可能 角断面のトルクレンチ本体内部に内蔵された板バネは、調整ノブでトルクを設定した段階では負荷がかからず、ボルト[…]
高いポテンシャルを持ちながら肩の力を抜いて乗れる二面性で大ヒット セローが登場した1985年は、オンロードでは本格的なレーサーレプリカブームが到来する頃でした。オフロードも同様で、パンチのある2ストロ[…]
最新の関連記事(ビギナー/初心者)
ハイグリップ仕様でなくても溝が少なく浅い最新スポーツタイヤ! A. 確かに最新のツーリングを意識したスポーツタイヤは、少し前のサーキット専用のハイグリップタイヤのように、トレッドに刻まれた溝が少なく、[…]
場所によっては恒例行事なバイクの冬眠(長期保管) 「バイクの冬眠」…雪が多い地域の皆様にとっては、冬から春にかけて毎年恒例の行事かもしれませんね。また、雪国じゃなかったとしても、諸事情により長期間バイ[…]
チェーンの張り調整が必要なのは、チェーンが徐々に伸びるからだけど…… バイクのチェーンのメンテナンスといえば「清掃・潤滑」と「張り(あそび)のチェック」。まず、チェーンを長持ちさせるには清掃や潤滑をマ[…]
「一時停止違反」に、なる!/ならない!の境界線は? 警察庁は、毎年の交通違反の取り締まり状況を公開しています。 最新となる「令和3年中における交通死亡事故の発生状況及び道路交通法違反取締り状況等につい[…]
車体を傾けたら真っ先に接地する“バンクセンサー” カーブを曲がるために深くバンクさせると、車体のどこかが地面に接地して、ゴリッとかガーッという音と共にステップから衝撃がきてビックリしたことがあるライダ[…]
人気記事ランキング(全体)
「もしも出先でヘルメットを盗難されたら、自宅までどうやって帰るのだろう」バイクに乗っていると、こうした疑問も浮かぶのではないでしょうか。そもそもヘルメット窃盗犯は、なぜ人が使った中古のヘルメットを狙う[…]
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
一度掴んだ税金は離さない! というお役所論理は、もういいでしょう 12月20日に与党(自民党と公明党)が取りまとめた「令和7年度税制改正大綱」の「令和7年度税制改正大綱の基本的な考え」の3ページ目に「[…]
4気筒CBRシリーズの末弟として登場か EICMA 2024が盛況のうちに終了し、各メーカーの2025年モデルが出そろったのち、ホンダが「CBR500R FOUR」なる商標を出願していたことが判明した[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
最新の投稿記事(全体)
新体制で挑む10年目のFIM世界耐久選手権 TSR(TECHNICAL SPORTS RACING)が運営する「F.C.C. TSR Honda France」は、2025年シーズンもFIM世界耐久選[…]
量産モーターサイクル世界初のストロングハイブリッド搭載、デザインも新機軸 カワサキモータースジャパンは、諸事情により発売延期されていた世界初のストロングハイブリッド搭載バイク「ニンジャ7ハイブリッド」[…]
レーシングコースのイメージを細やかなグラフィックで鮮やかに表現したモデル SHOEIが積極的にグラフィックモデルを投入しているZ-8のニューフェイスは“ニーダウン”で、ずばり“ヒザスリ”だ。ヘルメット[…]
バイク王の初売り2025 企画①:「500台大放出! 初売り特選車争奪戦!」 バイク王の豊富な在庫車両から、このキャンペーンのため特別に用意された500台の特選中古車を2025年1月4日(土)から2回[…]
第1位:AV2278 DICTATOR MC[AVIREX] バイクシューズ売れ筋第1位にランクインしたのは、AVIREX(アヴィレックス)の「AV2278 DICTATOR MC」です。アヴィレック[…]