読者の皆様、はじめまして! Hoity’s(ホイティーズ)という名前でオリジナルのアパレルを展開しているHoyこと荒木と申します!R/NRpaint渡辺連さんに続いて、僭越ながら私のバイク遍歴をご紹介させていただきます。
普段遣いできて”わかる”とさらに楽しめるアパレルを
わたしは自身でデザインしたオリジナルのアパレルを展開していますが、モチーフがちょっとだけマニアックな内容が多いです。例えば、メロンソーダのTシャツですが、こちらは4ミニをイジる上では定番のケイヒンPC20モチーフ。「フロート室(ガソリンが溜まっている部位)」とソーダフロートを掛けていて、長年放置されたガソリンの色から連想してメロンソーダにしています。
こんな感じで、実体験を交えながらパーツの形や名称からデザインを連想し、けれどコテコテにならず日常的に着れるようなものを目指してデザインしています。ただかわいい、もしくはオシャレなだけでなく、掘り下げた内容を知っていたらもう一段階楽しめる。 そんなイメージです。勿論自己表現のための取り組みではありますが、自分の作り出したものが、同じ感覚の他人同士をつなげるきっかけになればいいなという期待も込めています。
スーパーカブ50でハマったカスタムの面白さ
私のバイク原体験は、一日中スケートボードに明け暮れる日々を送っていた2017年、19歳の頃です。難波だったり天王寺だったりと比較的近所のスポットを転々としてましたが、ちょっと遠いスケートスポットに行くための移動手段が欲しくなってきて。
一番安く早く取れる原付免許を取得後、その日のうちにドノーマルのホンダ スーパーカブ50を買いに行きました(笑)。当時のバイト代全部はたいて15万で買ったカブですが、その頃は特にカスタムにも興味がなく、せいぜいスケボー関連のステッカーを貼る程度でした。
転機となったのは、納車してしばらくしたある日、SNSでBellwoodさんという方のカッコいいカスタムカブを発見したこと。「あんな普通のバイクがここまでかっこよくなるのか!」と衝撃を受けました。しかも所在地が大阪。
「なんとか実物を見たい‼」と思って、すぐにアポイントを取りミーティングに参加したのが、自分にとって本当のバイクライフの始まりだったのかなと思います。
もともと実家が小さな町工場だったため偶然にも広めの整備ができる環境があり、とりあえず見よう見まねでバーハンドルにしたり、リアサスを変えて車高を落としたり色々いじくってみたりして。でも所詮は素人のお遊び。
何の知識もない状態でガチャガチャと加工して、配線をショートさせて電装を破壊したり、使用するネジを間違えてエンジンに穴をあけちゃったりと、まったく思い通りに行かなくて(笑)。お金もないし依頼できるお店も知らなかったので、必死にネットで調べてトライ&エラーを繰り返しました。
最初の愛車であるカブには、かなり色々なことを勉強させてもらいましたし、一番長い距離を共にしているバイクでもあるので、今でも思い入れのある一台です。
何度も挫けそうになったミニトレのレストア
次に増車したのがヤマハのGT50(通称ミニトレ)。初のマニュアルクラッチのバイクでした。友人の家で乗り方を練習させてもらい、片道10キロくらいの道のりを道中20回くらいスパークプラグを被らせながら何とか自走で帰ったことはいまや、懐かしい思い出です。
このミニトレにはいろいろと不具合があり、初めてレストアというものを経験するきっかけになりました。オイルシールやベアリングなどがまだ純正部品の供給があったこともあり、まだレストアがしやすかったものの、そのころはあまり知り合いもおらず、周りに同じ車種を乗っている人もいませんでしたし、カブとはエンジン構造も異なるので何度も壁にぶち当たりました。
1970年代のバイクはポイント点火が主流で、合わせ方もまったくわからないところからのスタート。正直何度か手放すこともよぎりましたが、一つ一つ不安要素をつぶしていきついに完調にまでもっていくことができました。
きちんと調整されたミニトレはそれまでとは全く別物で、「こんな速くなんの!?」と感動したのを覚えています。後々、自動二輪免許を取得したタイミングで80㏄に乗せ換え、ついでに5速化もして現在も通勤の足として活躍しています。
自分にできる範囲の最上級で仕上げたダックス
もう一台、自分がバイクをカスタムする上でかなり勉強になったダックスを紹介します。こちらは純正部品を流用しまくったキメラみたいなバイクなんですが、流用元はホンダ車のみに絞りました。
簡単にセットアップを説明しますと、まずはフロントフォーク。CD50用だと思われる方が多いのですが、実はCD50の部品は1つも使用しておりません。フォーク本体はダックス スポーツⅡから流用。ステムはCL50初期のもの、それに伴いフォーク幅が狭くなるのでフロントタイヤはJazz50の16インチをチョイスしました。
この組み合わせにより、CD50のフロントフォークをそのまま流用するよりも若干ホイールベースが短くなり、また前後ホイール外径差1インチ分小さくなるのでバランスが良くなります。フレーム側にハンドルストッパーの凸を付ける以外の加工はしていないくらいのシンデレラフィット具合ということもポイント。当時はすべての部品がかなり格安で手に入りました。おそらく総額1万円ちょっとくらい(笑)。
リア周りはかなり苦戦した覚えがあります。友人にスイングアームの内側だけを広げる加工を依頼したのですが、ホイールは純正のままスバル360等で使用されていた、小型トラック・バン用のチューブタイヤ、ヨコハマタイヤY45を使用することにしました。
だいぶヤヤコシイ事をしていますが、これは自分で決めた制約によるものです。それは、溶接加工を極力使わない事。本来の形をもとに再構築をするのが、自分にできる範囲内の最上級の手法なのかなと。
「溶接加工ができればいろいろと楽になって捗るんだろうな~」とは思うのですが、加工自由度が高いこともあって、極論どんなものでもできてしまうんじゃないかなと。ある程度の制約があったほうが、自分なりの創意工夫をしやすいと思うのです。本当のことを言うとガレージに溶接機が置けず、技術もないことの言い訳なんですが(笑)
日常を楽しくカッコよくしたい
自分にとってはバイクもスケートボードも根本は同じで、気楽に乗れる、移動手段でありつつも、自己表現がしやすい趣味だと思っています。特別なことができなくても、ただ乗ってるだけでカッコいいっていう部分も共通しているかな。
アパレルにしても、下駄みたいに日常的に着て行けるような、むしろそっちがメインの用途になってくれればいいな。と思っています。
知識も経験もまだまだ浅い私ですが、皆様のバイクライフを、アパレルといった形で彩るお手伝いをさせていただければと思います。オンラインで常に販売中ですので「いいな」と思うものがあれば手に取っていただけますと幸いです。
次回の「こだわりライダーSNSショッキング」は…
カミナリ・カフェ・スクランブラー系カスタムショップsammasworksさんが登場予定。どんなバイクライフやバイク愛を語ってくれるか、乞うご期待!!
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