新品の革靴が傷や汚れに強くなる! 履き下ろす前の靴磨き「プレメンテナンス」教えます【元白バイ 伊藤由里絵のレザーケアレッスン】

●文:[クリエイターチャンネル] 伊藤由里絵
いよいよ春真っ只中! 新年度になって色んなものを買い足したくなってしまう衝動をどうにか抑えているいとです笑。私のようについつい物欲が増してきてしまったり、新生活に合わせて新しい靴を買った方もいらっしゃることでしょう。
新品の靴って、履き下ろすのが楽しみでワクワクしますよね! 箱から取り出す時のあの高揚感! 傷一つ無い綺麗な状態…でも実は新品の靴こそ履く前に靴磨きをしてあげると良いのをご存知でしたか?
履き下ろす前の靴磨きを『プレメンテナンス』と呼びます。プレメンテナンスをするのとしないのとでは、靴の寿命が大きく変わってきますよ!
なぜプレメンテナンスが必要なの?
「新品は綺麗だし、磨かなくていいんじゃないの?」と思うかも知れませんが、違うんです! 実は製造されてから私たち購入者の手元に渡るまで長い時間が経っています。
そしてその間お手入れはされていない以上、革は乾燥している状態なんです。履き始める前にしっかりと保湿することで革に必要な保湿成分が入ると同時に、傷や汚れが付きにくくなるといったメリットがあります!
革が乾燥すると何が起こる…?
革は動物の皮膚から作られるものですから、乾燥は大敵です。私たち人間の肌と置き換えて考えてみるとわかりやすくなります。
真冬の乾燥する季節、肌がかゆくなったり、かかとや指の皮膚がぱっくりと割れてしまった経験はありませんか? そんな時はクリームなどを塗って保湿したりしますよね。
同じように、革製品も水分が不足すると乾燥して、それが続けばぱっくりと革が割れてしまうことがあるんです! 人間の肌はクリームを塗っておけば自然治癒していきますが、一度割れてしまった革を元に戻すことは簡単ではありません。
さらには、靴のシワが深く刻まれたり、シミが入りやすい状態になってしまうこともあります。なんだか人の肌の解説のようですね…笑。
そうしたダメージを防いで長持ちさせるためにも、革製品の保湿はマストですよ!
プレメンテナンスのやり方
①靴クリームを塗り込む
馬毛ブラシで靴表面のホコリをササッと払ったあと、全体に靴クリームを塗り込みます。クリームは良く伸びるので、うすーく塗り込むことを意識してみてください。このとき布や小さいブラシを使って塗り込んでも良いですし、素手で塗り込めば指の体温で溶かしながら塗り込むことが出来ます。
②ブラッシング+から拭き
靴全体にクリームを塗り終えたら豚毛ブラシで全体をブラッシング。靴クリームの成分を革に馴染ませます。靴クリームにはツヤ出しのロウが含まれているので、ブラッシングをすることで靴がツヤツヤと輝き始めます!「ホコリを払う馬毛ブラシ」「磨くための豚毛ブラシ」と分けて使うことがポイントです。
最後の仕上げに布でから拭きをして余分な成分を拭き取ります。この時に使う布は使い古しのTシャツや靴下などでもOK!
終わったあと、靴の表面を触ってみてください。しっかりと保湿されてもっちり、ふっくらとしているはずです!
いと流! ワンポイント
さらにしっかりと保湿したい方は、通常の靴クリームよりも水分量の多い『デリケートクリーム』を使ってみましょう。靴の表面だけでなく、靴の履き口や内側にも塗り込んでみてください。(サラッとしているのでベタつく心配はありません)デリケートクリームを塗った後に同じプレメンテナンスの工程をします。新品の靴特有の硬さが和らいで靴擦れを防いでくれますよ!
いかがでしたか?? 意外と知られていないプレメンテナンス。履き下ろす前にプレメンテナンスを行うことで革も長持ちするし愛着も増して一石二鳥です! 是非チャレンジしてみてくださいね!!
※本記事の文責は当該執筆者(もしくはメディア)に属します。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(伊藤由里絵)
みなさん、こんにちは! 靴磨きしながら愛車のヤマハボルトで日本一周している、いとです! 「靴磨きを始めたいけど、どんなアイテムを用意すればいいのか分からない!」なんてお悩みをよく耳にします。昔はミンク[…]
みなさんこんにちは、靴磨きしながら愛車のヤマハボルトで日本一周中のいとです! まだ暑さが残る日も続いていますが、涼しい日も多くなり、ツーリングシーズン到来となりました。この時期のおすすめは、なんといっ[…]
こんにちは! 愛車のヤマハボルトで日本一周しながら靴磨きしている靴磨き職人のいとです! みなさん、靴磨きの応用技「鏡面磨き」ってご存知ですか?? あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、文字通り鏡のよ[…]
1分でわかる記事ダイジェスト 北海道をバイクで走りたいと思う人も多いかもしれないが、本州から離れ、フェリーでないと行けないので、ハードルはちょっと高い。そんな方に向けて、筆者が日本一周旅の道中で走った[…]
皆さんこんにちは! 愛車のヤマハボルトで日本一周しながら靴磨き職人として働くいとです! 暑~いこの季節、皆さんいかがお過ごしですか~?? さてさて、この季節にお客様からよくこんな相談を受けます。夏の間[…]
最新の関連記事(バイク用品)
冷却効果だけでなく疲労の緩和も実現したお役立ちインナー スポーツウェアブランド「ZEROFIT」と、ボディケアのパイオニア「ファイテン」が強力タッグを組んで生み出した「ICE WEAVE ナノメタック[…]
初期段階から「ユーザビリティ」を考え設計 ドライブレコーダーやスマートモニターなどの製品で知られる、ミオ。その開発・生産を行っているのは、マイタックデジタルテクノロジー社だ。 マイタックデジタルテクノ[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 年々暑さが増している夏。冷感シャツやメッシュジャケットなど様々な冷却アイテムが普及して久しいが、半端な対策ではツーリングが快適とはいかなくなってきた。 そこ[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 「THERMO-GEAR BELT」の最大の魅力は、なんといっても「冷暖対応デュアルペルチェ搭載」という点だ。一台で夏場の猛暑対策はもちろんのこと、冬場の厳[…]
ニーズに応じて使いやすい4種のUSB電源 もはやスマホやナビ、ドラレコなど、電子機器が手放せない時代。バイクに乗る上で電源の確保は、ツーリングの快適性を大きく左右する要素となっている。2020年代の新[…]
最新の関連記事(シューズ&ブーツ)
Hondaスピリットを足もとに。cciluコラボシューズ第2弾が登場 ツーリング先での散策、キャンプサイトでのリラックスタイム、そしてレース観戦。そんなバイクライフのあらゆるシーンに寄り添う一足が、シ[…]
履きやすさそのままに雨天時の不快を防ぐ機能満載 「MT074WP」はダイヤル式ライディングシューズ「MT074」の派生モデルだ。履きやすさはそのままに、メッシュライニングの下に建物の外壁や屋根にも使用[…]
幅広/甲高の日本人特有の足型に対応 きっちりとライディングの装備をする上半身に比べて、下半身がカジュアルな装いのライダーは意外と多い。とくに頻繁にペダルを操作する靴は、足の保護とともにライディングには[…]
第1位:AV2278 DICTATOR MC[AVIREX] バイクシューズ売れ筋第1位にランクインしたのは、AVIREX(アヴィレックス)の「AV2278 DICTATOR MC」です。アヴィレック[…]
皆さんこんにちは! 愛車のヤマハボルトで日本一周しながら靴磨き職人として働くいとです! 暑~いこの季節、皆さんいかがお過ごしですか~?? さてさて、この季節にお客様からよくこんな相談を受けます。夏の間[…]
人気記事ランキング(全体)
50年の眠りから覚めたBSA、復活のファーストモデルがゴールドスター 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。輸入を手掛けるウイングフットが「BSA ゴールドスター」を取り扱い“ほぼ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
シリーズ累計で約3万台を生産したW1の系譜 約9年に及んだ販売期間の中で、W1シリーズの人気が最高潮に達したのは、ペダルの配置が左:シフト/右:リヤブレーキに改められたW1SA。それに次ぐのはツインキ[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
最新の投稿記事(全体)
トリックスター初となるハーレー用マフラー トリックスター初となるハーレー用マフラーが、X350向けにリリースされた。今回、初の試みとして“ツインタイプ”のサイレンサーが採用されている。 X350の特徴[…]
ライディングポジション変更のおかげで操縦性も大幅アップ! 私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬にシーズン初戦を迎え、私自身も今季のさらなる走りの進化に期待しているのですが[…]
2024年モデル概要:赤×黒の熱いカラーリング 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エン[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
- 1
- 2