BMWモトラッドもノークラッチ化! R1300GS Adventure登場

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日本上陸が秒読み段階となったアドベンチャーセグメント界のキング・オブ・キング『BMW R1300GS アドベンチャー』。国内デリバリーに先立ってメディア向けの技術発表会が開催された。その驚愕とも言える内容をお届けしよう。

●文と写真:小松男 ●BRAND POST提供:BMW Motorrad

トラベル・エンデューロの最高峰に自動クラッチ制御が装備!

BMWモトラッドのロングセラーモデルであるGSシリーズ。その最上位モデルにあたるのがGSアドベンチャーだ。初代モデルの登場は’02年のR1150GSアドベンチャーであり、R1150GSをベースとし、ロングスクリーンや大容量ビッグタンクなどを装備した、まさしく大地の彼方を目指す冒険マシンであった。

R1150GSアドベンチャーの登場時に私も試乗したが、触れることを拒むかのような大きな体躯を持ち圧倒されたことをよく覚えている。しかし、それでありながらも、いざ走り出すと意外なほど従順で、ギア比などの変更からむしろベースとなったR1150GSよりも扱いやすいとすら感じられたことが脳裏に焼き付いており、その後登場した各GSアドベンチャーもまたスタンダードモデルよりも大きいものの、乗りやすいキャラクターと言うのが印象だ。

BMW主催のライダートレーニングにおいて公認インストラクターを務めている鈴木大五郎氏は、先だって参加した試乗会での感想をスピーチ。ASAの作動はごく自然でオフロード走行も快適だったとのこと。

なお、アドベンチャーというイニシャルが備わったのはここからではあったが、GSの歴史を遡ると、R80G/Sの登場、そしてオフロード走破性能を向上させ1989年に登場したR100GS-PD(パリダカール)ということになる。

80年代のパリダカールラリーでの活躍はラリーレイドファンだけでなく伝説として語り継がれており、そこから脈々と続く系譜が今日のR1300GSアドベンチャーへと続いているのである。

“崇高、存在感、権威、頑強、雄大、本格的…”など数々の言語を元にインスピレーションを受けてデザインされたという新型R1300GSアドベンチャー。地上最強のタフさを備えたモーターサイクルとして誕生した。

そして、R1300GSアドベンチャーは、想像以上に驚愕なバイクとなってこの世に君臨したのだ。

ついにBMWモトラッドもノークラッチ化へ!

まずパッと見て、R1300GSアドベンチャーは畏怖感さえ覚えさせるほど圧倒されるスタイリングである。横から見ると四角く、上面がフラットな燃料タンクは幾つも上に積み重ねることができるような形状で、クチバシ(フロントノーズ)はショートカットされているように見える。

R1300GSと正面から見比べると、R1300GSはなで肩スタイルなのに対してR1300GSアドベンチャーはいかり肩だ。これまでのモデルはベースとなるGSの派生モデル的なデザインがもたらされていたが、今回は明確に差別化が図られていることが伝わってくる。

R1300GSアドベンチャーは、ツーリング、ツーリングASA、GSスポーツと大きく分けて3モデル展開とされる。GSスポーツにはASAの設定はないほか、よりオフロード走行性能を引き上げた装備が奢られる。車両価格は333万5000円から。

R1300GSアドベンチャーのフロントノーズ部分はR1300GSと比べてショート化されている。これはスタンディング時にフロントタイヤを確認できるという計らい。ウインカーカバーなどは車体カラーに応じて異なるものが備わる。

R1300GSアドベンチャーの大きな特徴でありその存在感に驚かされる燃料タンクのデザイン。容量は30Lと巨大であり専用タンクバックのアタッチメント機構なども兼ね備えているのもポイント。

エンジンは基本的にR1300GSと同様だが、車重の増加もありやや優しいフィーリングとなっているという。従来は燃料タンクサイド部まで覆うようになっていたサイドガードは形状を見直しエンジン周辺のみとなっている。

パニアケース、トップケースステーも備えるテールセクション。多くの荷物を積載することも考慮し、より強度の高いアルミ鍛造製リアフレームを採用。なお、トップケースベースはフローティングタイプとなっている。

R1300GSアドベンチャーはより過酷な環境下での使用を考慮したタフネスな設計とされており、サスペンションのスプリングレートの最適化やアルミ鍛造製のリアフレームを採用するなど細部まで抜かりがない。

そして、なんとBMWモトラッド初となるノークラッチシステム【ASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)】搭載モデルが設定されているのだ。

ASAモデルではクラッチレバーが撤廃されたので、より一層スロットルワークに集中することができるだろう。クラッチ操作に慣れ親しんできた方は戸惑うかもしれないが、ものの数分で慣れ、しかも安楽で快適に感じることだろう。

欧州マーケットにおいて、日本メーカーのオートマチックトランスミッションモデルのニーズが相当数あり、これまでのBMWモトラッドのテクノロジーを振り返ってみてもクラッチの操作なくシフトアップを可能とするシフトアシスト機構が徐々に進化し、その先に今回のASAに辿り着いたと考えてもなんら不思議なことはないのだ。

左側のスイッチボックスにあるボタン操作で、D(ドライブ)とM(マニュアル)レンジの切り替えが可能だ。Dレンジであってもシフトペダルを操作すればマニュアルでシフトチェンジをすることもできる。

基本的にはR1300GSに搭載されているエンジンの下にミッションが備わるパッケージを使用しており、各種センサーと2つのアクチュエーターを用いてトランスミッションとクラッチを自動化する機構となっている。

それは必然? 数年後には当たり前となるのか…

今回の技術説明会では残念ながらロードテストを行うことはできなかったが、センタースタンドを使用した停車状態でASAの動作テストをすることはできた。

座学の後、実車を使ったASAの実演が行われた。ふだんはクラッチが切れている状態でサイドブレーキはないが、停車時にはP(パーキング)レンジに入れることでクラッチが繋がり、車体が前後に動かなくなる。

そもそもミッション内にN(ニュートラル)の位置はないそうで、メーターにNと表示されている時には、1速でクラッチを切っている状態となっている。

D(ドライブ)レンジでは、回転数や速度などをセンシングし自動的にシフトアップ、ダウンを行い、M(マニュアル)レンジではライダーがシフトペダルを任意に操作することでシフトチェンジをすることができる。ただこのシフトペダルもミッションに繋がっているのではなく、電気信号を送るスイッチと繋がっている。

リヤタイヤを空転させている状態だからか、アクチュエーターと思われるカチャカチャ音が奥で聞こえたが気になるものではない。むしろ、それほどこまめにセンシングしているのかと思わせてくれる。それにD、Mレンジともにシフトチェンジはスムーズで、早く走らせてみたいという気にさせられた。

R1300GSから搭載される新型ボクサーエンジン。このエンジンはエンジンの下側にミッションがレイアウトされるためとてもコンパクトにできている。今回の説明会では実機を分解しASAがどのような仕組みで作動するかを実演してくれた。

ライダーとは乗り物を操作することが好きな生き物だと、私は長い間考えてきたものだが、ここ10年程の新しい技術を見てみたらどうだ、ABSやトラクションコントロールに留まらず、ドリフトさせることすらバイク任せのオートマチック機構まで誕生している。

そしてASAのようにクラッチ操作を不要とするトランスミッションも次々と誕生しているではないか。

バイクの進化というものに私自身がついていけてない感じもするが、ただしR1300GSアドベンチャーの場合はASA搭載モデルだけでなく通常トランスミッションモデルも併売されるので、つまりこれは選択肢が広がったのだと考えれば良い。

時代の流れを考えると今回R1300GSアドベンチャーに初採用されたASAは、そう時間をかけずとも一般的なものとなっていくのだろう。


※本記事はBMWが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。