クラシカルなモデルから電動まで。モータリスト取り扱い全ブランド一気試乗【前編】「BRIXTON」「GOWOW」「FELO」「MOTORIST E-COMMUTER」
2023年春、静岡県のバイカーズパラダイス南箱根で、モータリストが「FANTIC」「Lambretta」といったおなじみのブランドをはじめ、「BRIXTON」「GOWOW」といった今話題のブランドを含めた、取り扱い全ブランドの試乗会を開催しました。実際に乗ってみてもらうことで、モータリストが多ブランド展開する意味が鮮明になってきました。前編では「BRIXTON」「GOWOW」「FELO」「MOTORIST E-COMMUTER」を紹介します。
●BRAND POST提供:MOTORIST(モータリスト)
125ccから1200ccまでフルラインナップするBRIXTON
オートバイや工作機器の商社として長い歴史を持つオーストリアのKSR社。そのKSR社の社長はオートバイが大好きで、長年オートバイのインポーターとして活動しているうちに、いつかオートバイメーカーになりたいと思うように。そして、その夢を実現させたのが「BRIXTON」なのです。
オーストリアは技術に特化した工業国なのですが、自国のブランドはKTMグループしかありません。そこでKSR社はKTMとは異なる、自分たちが好きなスタイルのオートバイを作りたいと思い、イギリスのクラシカルなデザインをモチーフとしたラインナップを完成させたのです。
とはいえ、ただレトロなだけではなく、デザインモチーフは大切にしながらも自分たちのオリジナルのエンジンを製造し、最新の機能を盛り込むことで、「BRIXTON」らしさも身に着けているのです。
豊潤なトルクのオリジナル1200ccエンジン
ブリクストンには「クラシックレンジ」と「クロスファイアレンジ」の2つのファミリーから構成されています。
クラシックレンジは「クラシック・ブリティッシュ・スタイル」をイメージしていて、その中にもスタンダードな「クロムウェル」、カフェレーサー・スタイル「サンレイ」、スクランブラー・スタイル「フェルスベルク」、ストリート・スタイル「レイバーン」の4シリーズに分かれています。
このクロムウェル1200はクラシックレンジの最大排気量、かつブリクストンのフラッグシップとも呼べるモデルです。水冷4ストローク並列2気筒エンジンは自社で新開発した専用エンジンで、「エコ」と「スポーツ」のライディングモードを選べます。が、どちらも極低回転から豊潤なトルクが立ち上がり、とくに「スポーツ」の加速は圧倒的です。
「エコ」よりもスロットルバルブが速く開くので、アクセル操作に対するダイレクト感がより鮮明になりますが、この時のトルクとパワーを車体がしっかりと受け止めてくれます。なので、ハンドリングも正確さを維持したままで、不快な振られなどなく安心してマシンコントロールができます。
前後サスもしっとりとストロークして、つねにフラットな乗り心地を提供してくれるので、ワインディングではスポーツライディングも楽しめます。
一方の「エコ」は、アクセル操作に対するマシン挙動がニュートラル。最高出力と最大トルクは「スポーツ」同様なのでダルさはなく、大排気量らしいゆったりとした、心地よいクルージングが楽しめます。ジェントルさのあるこの乗り味は、クロムウェル1200のスタイルとよくマッチしていると思います。
クロムウェル1200用に開発された自社エンジンの完成度が予想以上で、KSR社の技術力の高さに驚いたのが正直なところです。
シンプルで扱いやすい軽量250cc
クロムウェル・シリーズは1200、250、125がラインナップされ、この250はスタンダード的なモデルです。2トーン・デザインのタンクが目を引くスクランブラー・スタイルにはシンプルな空冷シングルが搭載されています。
このエンジンはスズキ製で、全域でトルクが粘る「グラストラッカー」の扱いやすさが健在です。145kgと車体が軽量なこともあって、街中からフラットダートまで軽快な走りが楽しめます。さまざまな場所で気負わずに乗れ、250シングルらしいオールマイティな1台です。
メーカーメイドのカフェレーサー「サンレイ」
サンレイ125はクロムウェル・シリーズをベースに、メーカー自らカスタムを施したカフェレーサーです。低く構えたハンドルバーにはバーエンドミラーを装着し、シートはシングル風のデザインを採用。
マフラーはエンド部を跳ね上げ、躍動感のあるスタイルを演出しています。この空冷エンジンもスズキ製で、最新EFIを装備しています。
前後17インチホイールには、ややファットなタイヤが装着されていることもあり、しっとりしたハンドリングで落ち着いた乗り味です。洗練されたカスタムマシンをリーズナブルに楽しめるのも魅力です。
美しい仕上がりのビンテージオフ「フェルスベルク」
ドイツの丘陵と砂礫の街「フェルスベルク」から名付けられたモデルで、125と250がフラットトラッカー・スタイルでラインナップ。
さらに125のみ、アップフェンダーを採用したビンテージオフ・スタイルの125XCがラインナップされます。エンジンは同じくスズキ製空冷シングルで、驚くほどのパワーはないものの、アップライトなライディングポジションと良好な足着き性を両立していて、ダートでも安心のマシンコントロール性を発揮します。
サスのストローク感も分かりやすく、軽い車体と相まって林道を苦も無く走破できます。そうしたダート走破性も魅力ですが、シルバーのメッキタンクの仕上がりがとにかく美しい。ビンテージオフ好きはもちろん、軽量なトレールバイクに乗りたい人にもおすすめの1台です。
Xをアイコンにしたストリートモデル「クロスファイア」
クロスファイア・レンジは、Brixtonの「x」をアイコンとしてデザインされたストリートモデル。xには未知数、多様性、エッジの効いたもの、といった意味があり、ブリクストンの中でも走行パフォーマンス寄りに開発されていて、500と125が設定されています。
500にはスタンダードとなる「Crossfire500」と、少しオフに立ち入る「Crossfire500X」、アドベンチャースタイルの「Crossfire500XC」の3タイプがラインナップ。この水冷並列2気筒エンジンはホンダ製エンジンをライセンス生産したもので、その乗り味にはCBR500同様の扱いやすさがあります。
Crossfire500の前後サスはKYB製アジャスタブルで、ノーマルではソフト目のセッティングになっています。このサスの乗り心地と全域で扱いやすいエンジン特性のマッチングがよく、路面状況がまさに手に取るように分かりやすく、マシンコントロールする楽しさが存分に味わえます。
他社製エンジンを使っていても、ブリクストン独自の乗り味に仕上げられているのも特徴です。
クロスファイヤの末弟は唯一の空冷
クロスファイヤ・レンジで唯一空冷エンジンを搭載する「Crossfire125XS」。コンパクトで軽量な車体とエンジン特性のバランスがよく、高回転まで気持ちのいい加速感を味わえます。
さらに前後12インチタイヤがキビキビしたハンドリングを実現していて、ワインディングの楽しさは予想以上でした。ブリクストンの走りの楽しさを感じるなら、このCrossfire125XSがオススメ。
125には水冷シングルを搭載したカフェレーサー「Crossfire125」もラインナップされます。価格:60万5000円。
GOWOWはバイク好きが作った電動オフ
モーターやウインチを製造しているモード社が、取り引き先企業だけでなく、個人ユーザーにもブランドを広めるきっかけとして創立したのが「GOWOW」です。
なぜ、それが電動オフロードモデルなのかというと、モード社社長がモトクロスをやっているオートバイ好きだから。これまでのモーターやウインチ製造で培ってきた技術力を生かし、オートバイを知らないメーカーが理想のモデルとして完成させたのが、この電動バイクなのです。
「ゴーワオ・オーリ」は「安全」をキーワードに開発されていて、使用しているすべてのパーツの角を落としています。また、アルミを取り扱ってきた経緯もあり、フレーム、フロントフォークのインナーチューブもアルミで製造し、タイヤやサスペンションは自分たちの理想に合わせてメーカーに製造してもらっています。
車重は73kgと軽量で、その内バッテリー重量は20kg。充電は4時間半で、最高速度100km/h、航続距離100km、48通りのライディングモードを実現しています。シート高は890mmとやや高く、沈み込みも少ないです。
ただ、車体は軽量でスリムなので、数値ほど扱いにくさは感じません。モーターのパワー感というよりトルク感が圧倒的で、アクセル開け始めから一気に加速していきますが、モード変更で穏やかな加速にも変更できます。
乗車時の沈み込みは少ないものの、ダートでのサスのストローク感はよく、路面からの衝撃をしっかり吸収してくれます。ガッチリしつつも扱いやすい車体と、モーターの特性を幅広くセッティングできるモードのおかげで、オフロード走破性はかなり高いと言えます。まさに新時代のオフロードモデルです。
15万km以上のテスト走行を経た電動スポーツスクーター
「FW-06」は2019年のEICMAで発表されて以来、15万km以上に及ぶ走行テストを行ない、5年、50万kmのバッテリー保証を提供するほどの信頼性を確保しました。
そのバッテリーパックはフレームの強度メンバーとして機能するように設計され、フレーム重量を30%減少しつつ、強度は50%向上しています。風洞実験を経たウイングレットは車体の安定性を高めるとともに、モーターの冷却に効果的な導風も実現し、安定した駆動力にも貢献しています。
車体はコンパクトかつ高剛性で、高速巡航時に高い安定性が感じられます。スムーズな加速を実現しているのが第6世代まで進化した「自動ギア式変速機」で、モーターが発生する強力なトルクを受け止め、アクセレーターボタン(一時的加速スイッチ)を押せばさらなる加速力も発揮します。
乗った感じも単なる電動スクーターではなく、アクセルワークだけでキビキビしたマシンコントロールが楽しめる、オートマチックスポーツモデルのようです。
定格出力5Kwで公道走行には普通二輪免許(AT限定普通二輪免許も可)が必要で、高速道路の通行に対応しているのも特徴です。
安全を考慮したモータリストの電動モビリティ
GOWOWやFELOといった電動スポーツモデルだけでなく、ラストワンマイルを気軽に楽しめる電動コミューターをモータリストは独自に開発しています。もちろん気軽なだけではなく、サスを装備して安定性を高め、安全性を考慮した車体作りが特徴となっています。
MOTORISTS E-COMMUTER
ECS-01
前後10インチFATタイヤを装着し、安定した走行性を発揮します。フロントにはサスペンションが装備され、段差からの衝撃を吸収し、高い走破性も実現しています。最高速度は35km/h、航続距離35km。
MOTORISTS E-COMMUTER
ECS-02
前後に8.5インチノーパンクタイヤを装着した軽快なハンドリングのシティランナバウトモデル。リヤサスペンションが装備され、積極的に荷重することでマシンコントロールが楽しめます。最高速度は25km/h、航続距離30km。
本格的なキッズ用電動オフ「TORROT」もラインナップ
「トロット」はスペインで生まれた競技専用の電動キッズバイクです。モトクロスとトライアルでフレームを専用設計し、3~7歳向けの「ONE」と6~11歳向けの「TWO」でもフレームを変更し、搭載モーターも最適化しています。
体重制限があり大人のライディングには対応していないので、キッズによるインプレッションを参照してください。
本格ダート走行が楽しめる、作り込まれた電動キッズバイク〈トロット〉
https://young-machine.com/go-ride/2023/03/02/430742/
https://young-machine.com/go-ride/2023/03/02/430742/
※本記事はMOTORISTSが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。