【最新ウェーブディスクでブレーキングを変える!】サンスターとBRAKINGの技術から生まれた『EPTA Stage 0 Racing Disc』
世界中のバイクメーカーにブレーキディスクを供給し、アフターターパーツでも人気の高いサンスターが、グループで保有するBRAKING(ブレーキング)ブランドとのWネームで革新的なレーシングディスクをリリースした!
●文:ミリオーレ編集部(伊藤康司) ●写真:長谷川徹 サンスター ●BRAND POST提供:サンスター
海外のプロチームも採用する新時代のフローティングディスク
サンスターは1973年からブレーキ用ディスクローターの量産を始め、バイクメーカーへの供給はもちろん、アフターパーツとしても大きなシェアを誇る。
そのサンスターが今春、革新的なデザインと締結方式を持つ新世代のディスクローター『EPTA Stage 0 Racing Disc(エプタ ステージ0 レーシングディスク)』の国内販売を開始した。
独特なウェーブ形状のディスクにピンときた方もいるかもしれないが、インナーディスクにはサンスターのロゴと共に「BRAKING」のロゴが刻まれている。じつはイタリアのブレーキブランドであるブレーキングは2004年からサンスターグループの傘下にあり、今回登場したエプタ ステージ0は、ブレーキングの技術とサンスターが積み上げたノウハウを融合した最先端のディスクローターなのだ。
すでに昨年から海外のビッグレースで実績を重ね、今シーズンは国内のST1000/600レースで採用するチームが増加している。サーキット走行を楽しむスポーツ派や、プロチームが選ぶブレーキを体感したいライダーにとって、目を離せないアイテムといえるだろう。
フィーリングと耐久性を高める独自の締結方式
エプタ ステージ0の最大の特徴は、アウターディスクとインナーディスクを面で嵌合し、専用のカシメプレートで締結しているところだ。
ディスクローターは制動時は非常に高温になり、ブレーキをリリースすると冷える、という動作を繰り返している。その際に熱によって歪んだ形状にならないよう、元の形状に戻すのが、アウターとインナーを別体化した「フローティングディスク」の目的だ。
多くのフローティングディスクは、アウターとインナーをフローティングピンで締結している。しかしブレーキをかけるたびにピンの接触点がインナーディスクを叩くため、その部分が摩耗してくるとブレーキ時のダイレクト感が薄れていく。
しかしエプタ ステージ0のアウターとインナーを“面”で嵌合する締結方式は、インナーディスクの叩かれ摩耗を抑制し、制動トルクに対するインナーの歪みも少ないため、制動時のダイレクト感や初期バイト(食いつき感)に優れるのだ。
またフローティングピン方式だと、側面方向のガタツキを抑えるためにウェーブワッシャー等を使用する場合もあり、少なからず拘束力が生じる。しかしエプタ ステージ0は専用のカシメプレートで保持するため、ガタツキを最小限に抑えつつ、しっかりとフローティング(浮動)する。この締結方法はブレーキングの独自技術だ。
2大ブランドのノウハウが光るデザイン
アウターディスク表面のベンチレーションスリット(溝)やスリットホール(孔)は、ブレーキパッドをクリーニングすることで摩擦力を安定させ、ブレーキのコントロール性を高める効果がある。その反面、長孔のスリットホールは、高温下でクラック(ヒビ割れ)が入りやすくなるが、サンスターは数多く手掛けてきたディスクや最高峰のワークスエキスパンドなどの製作ノウハウで、そのリスクを克服している。
そしてアウターディスクの外周は、ブレーキングならではのウェーブ形状で、こちらもクリーニング効果をはじめ軽量化や冷却性能に大きな効果を発揮する。しかしよく見ると、ディスク表面はウェーブ状に削っているが、外周自体は円形のままで削り落としていない。
じつは、ブレーキ時の発熱をディスクが歪まないよう受け止めるには“熱容量”が重要で、その熱容量の大きさはアウターディスクの体積に比例する。そのため、完全にウェーブ状に削り落として(体積が減って)熱容量が不足するのを回避しているのだ。また、この形状は表面積が増えるので、冷却効果を高めるのにも有効だ。
独自の締結方法がかなえる群を抜く軽量設計
高速で回転するブレーキディスクはジャイロ効果(回転する物体が姿勢を維持しようとする力)が発生するため、軽量な方がハンドリングへの影響が少ない。エプタ ステージ0は、アウターディスクはもちろん、インナーディスクも軽さにこだわる。まず独自の締結方法がインナーを成形する上で軽量に設計できるメリットがあり、素材は軽量で高硬度の超々ジュラルミン7075材を使用して切削加工で製造することで、軽さと高強度を両立しているのだ。
すでに海外のビッグレースでトップチームが採用!
エプタ ステージ0は国内では今春からの発売だが、ヨーロッパでは2022年秋から販売している。それに先行して世界のビッグレース用に供給し、Moto AmericaのSBKクラスではFresh N lean Progressive Yamaha Racing(YZF-R1)が2022年のシリーズチャンピオンを獲得している。
国内レースも有力チームが選択
国内レースも2023年シーズンにKawasaki Plaza Racing Teamが参戦する「全日本選手権ST1000クラス」および「鈴鹿8時間耐久レース National STOCKクラス」のNinja ZX-10Rにエプタ ステージ0を採用。またHonda Dream 鈴鹿がサンデーロードレースや鈴鹿4時間耐久ロードレースのST600クラスに参戦するCBR600RRに装備するなど、有力チームがST1000/600レーサーにエプタ ステージ0を選んでいる。
ディスクローターを交換したら、ブレーキパッドも新品に!
ちなみに、新品のディスクローターに新品のブレーキパッドをセットすると、走り初めの初期はブレーキの効きが良くない。じつはディスクかパッドのどちらかが中古品の方が、良く効く…が、これは止めた方が良い。新品+中古のセットでサーキット走行のようなハードなブレーキングを繰り返すと、ディスクが熱歪みを起こしやすいのだ。
新品ディスク+新品パッドだと初期の効きが良くないが、走行しているうちにパッドの素材がディスクに定着していくことで徐々に効きが良くなっていく。そのためディスク交換時はブレーキパッドも新品にして、50~100kmくらいは徐々にブレーキ負荷を高める走りを意識し、ディスクの“慣らし”を行うのが得策だ。
※本記事はサンスターが提供したもので、一部プロモーション要素を含みます。※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。