威圧感の少ない上質アドベンチャー【トライアンフ タイガー1200GT エクスプローラー】試乗インプレッション
トライアンフ・アドベンチャーの最高峰であるタイガー1200シリーズは、’22年にかつてない大胆なモデルチェンジを実施。エンジン&車体&制御を一新し、世界的にブームであるこのカテゴリーに本気で勝負をかけてきた!
●文:ヤングマシン編集部(小川勤) ●写真:折原弘之 ●BRAND POST提供:トライアンフ
【テスター:小川勤】WEBヤングマシンの姉妹サイト『ミリオーレ』のディレクター。数々のバイク誌の編集長を経験し、フリーランスに。最近はアドベンチャーに目覚めつつある。
’22 トライアンフ タイガー1200GT エクスプローラー
ライダーにフィットする、巨体を感じさせない親近感
早朝に都内を抜け出し、山梨県の清里を目指す。曇はすぐに濃くなり、中央自動車道に乗る頃には雨足が強まってきた。しかし、タイガー1200GTエクスプローラーはコンディションにまるで左右されず、巨体を信じられないほどスムーズに加速させていく。
ニュータイガー1200シリーズの3気筒エンジンは、新設計の不等間隔爆発で、車体は25kg軽量化。電子制御やそれに連動するサスペンションも充実した。GTとラリーの2カテゴリーを用意し、GTは前19/後18インチを組み合わせ、ラリーは前に21インチホイールを装着して、オフを重視。
ともに上位グレードのエクスプローラーがあり、燃料タンク容量の増大(20L→30L)/各種ガード類/タイヤ空気圧管理機能/シートヒーター/隣接する車を察知するブラインドスポットレーダーなどを装備する。そんな4機種から今回セレクトした相棒は、オンロードメインの上位グレードであるタイガー1200GTエクスプローラーだ。
大柄ながらとっつきやすいライディングポジション
今回、驚いたのは、身長165cmと小柄な僕が乗ってもバイクからの威圧感があまりないこと。850&870mmから選べるシート高は、低い方にしておけば足着き性も悪くない。また乗り降りや取り回しがその巨体の割にしやすいのも特徴。
とっつきやすさは、燃料タンク容量30Lのアドベンチャーの中では随一で、この好バランスは、’22年にかつてないほど大きくフルモデルチェンジされたタイガー1200シリーズのいちばんの美点だと思う。
試乗インプレッション:悪コンディションでも不安は皆無
清里に近づいても雨足は強まるばかり。モードはレインで走り続ける。エンジン特性が穏やかで、サスペンションがよく動くため、過酷なシーンでも不安がない。峠に入っても路面はウエットで落ち葉も多いが、前後タイヤはしっかりと路面を追従。電子制御式サスペンションの動きがとても良い。
そして、こういった路面でこそ不等間隔爆発の3気筒エンジンの個性が光る。低回転からスロットルを大きめに開けると、トラクションが途切れずに続き、コントロールしている醍醐味を得やすい。繰り返し行うUターンも簡単。軽々と回れるのは驚きでしかない。
季節や天候で様々な冒険を楽しめる!
4時間ほど雨の中を走ると、ようやく路面の一部が乾いてきた。レインモードでもかなりのアベレージで走れるが、ロードとスポーツモードも試す。モードを上げるとサスペンションの減衰力が強まり、車高も上がる感じ。エンジンもスロットル操作に対するレスポンスが向上する。
低中速域でも違いは明確で、これならシーンはもちろん、路面やタイヤのコンディションなどに合わせて好みを探しやすいはずだ。ダートや林道でも注意する必要はあるが、警戒しすぎなくてもよい。
走行中は欲しいものがすぐに手に入るから長距離も快適。ミラー下の警告表示で危険を察知でき、30Lタンクは給油の手間を減らせる。
クルーズコントロールの使い方も簡単で、シートヒーターは冬の必需品だ。そしてパワーモードで、不等間隔爆発の3気筒の個性と制御の介入度合いを変えれば、常に自分の思い描く理想のバイクに乗っていられるのだ。だから楽しいし、疲労も軽減できる。
まずは、大きさに畏怖せず、試乗して見ることをオススメしたい。
トライアンフ タイガー1200GT エクスプローラー 各部紹介
スタイリング
エンジン:トライアンフだけのTプレーン3気筒でドライバビリティが向上
足まわり
主要装備
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