
元MotoGPレーサーの中野真矢さんが主宰するレーシングチームは2025年より「56RACING(フィフティシックス レーシング)」から「SDG Jr. 56RACING」へ。今年も次世代を担うライダーの育成に尽力している。
●文:ヤングマシン編集部 ●写真:56RACING
ウエットレースで痛恨の転倒
2025年5月24日・25日に宮城県スポーツランドSUGOで開催された全日本ロードレース第2戦、SUPERBIKE in SUGO。JSB1000以外のクラスにとってはこれが開幕戦となる。
元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いる「SDG Jr. 56RACING」は、昨年まで10年以上にわたって活動してきた「56RACING」から、SDGとのコラボレーションによってさらに若手育成の色を強めたレーシングチームだ。そして、新チームにとっての初戦がこのSUGOラウンドになる。
ライダーは中学2年生の富樫虎太郎選手。世界を戦ってきたチームオーナー中野真矢さんが、富樫選手の秘めるポテンシャルの高さを見込んで起用し、着実にステップアップを果たして今年からはJ-GP3クラスのチャレンジクラスに参戦する。
チャレンジクラスはHRCが設定しているクラスで、車両はセッティングパーツ以外、基本的にスタンダード仕様のまま。タイヤも指定タイヤを使用と、ほぼ無改造の車両で全日本J-GP3を走るクラスだ。富樫選手はこのクラスのチャンピオンをねらい、その先にあるイデミツ・アジア・タレントカップ参戦権獲得を目指している。
1週間前に行われた事前テストから、金曜日のフリー走行でも自己ベストを更新。順調な流れでレースウイークをクリアし、土曜日の予選は1分35秒304のタイムで11番手、チャレンジクラス2位となった。決勝日は前夜から降り続いた雨がレース前に止んだものの、フルウエット。富樫選手はうまくスタートで飛び出し、その後は12位あたりを走行していたが転倒。リタイヤとなった。
J-GP3 #50 富樫虎太郎選手のコメント
「事前テストから昨日まで気持ちよく走れていたのですが、今日はウエットコンディションになってしまい、攻めの走りができませんでした。接触して他車も転倒してしまったので、そこは申し訳なくミニバイク時代から正直に言うとウエットに対して苦手意識があり、今日の朝の気持ちは正直に言うと、ちょっと落ち気味でした。そこは練習で克服していきたいですし、次戦はホームコースとなる筑波なのでしっかり巻き返し、チャレンジクラスのチャンピオンを獲ってアジア・タレント・カップの出場権を得たいと思います」
SDG Jr. 56Racing 中野真矢監督のコメント
「事前テストから自己ベスト更新し、土曜日の予選は位置取りがうまくできずに11番手、クラス2位となりましたが、そこまでは90点のできだったと思います。残念ながら決勝はウエットとなってしまい、ここスポーツランドSUGOでの初レースがウエットというのは、ちょっとかわいそうでしたし、私自身のこのコースでの初レースがウエットで転倒という結果に終わっているので、ちょっとそこに関してはコメントしにくいですね(苦笑)。彼に足りないのは経験なので、しっかり練習をして、不足しているところを埋めていってほしいと思いますし、全力で引き続きサポートしていきます。今回もたくさんのサポートをいただき、ありがとうございました」
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(レース)
伊藤真一さんが代表兼監督を務める『Astemo Pro Honda SI Racing』は、、FIM世界耐久選手権第3戦”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第46回大会(8月3日決勝)のチーム参[…]
φ355mmとφ340mmのブレーキディスクで何が違ったのか 行ってまいりました、イタリア・ムジェロサーキット。第9戦イタリアGPの視察はもちろんだが、併催して行われるレッドブル・ルーキーズカップに参[…]
ブレーキディスクの大径化が効いたのはメンタルかもしれない 第8戦アラゴンGPでも、第9戦イタリアGPでも、マルク・マルケスが勝ち続けています。とにかく速い。そして強い。誰が今のマルケスを止められるのか[…]
現代の耐久レーサーはヘッドライト付きのスーパーバイクだが…… 近年の耐久レーサーは、パッと見ではスプリント用のスーパーバイクレーサーと同様である。もちろん細部に目を凝らせば、耐久ならではの機構が随処に[…]
「2025 鈴鹿8耐 Kawasaki応援グッズ」を期間限定でオンラインショップにて販売 株式会社カワサキモータースジャパンは、2025年鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦するカワサキチームを応援するた[…]
最新の関連記事(56デザイン)
関東ロードミニ選手権で木村隆之介選手が活躍 富樫虎太郎選手、全日本ロードレース選手権へ 2023年FIM MiniGP日本チャンピオンであり、同年の世界大会で2位、2024年筑波ロードレース選手権J-[…]
ハイセンスなバイクライフへと誘う充実の品揃え 56designが、ついに関東圏以外にショールームをオープン! 千葉県の本店、渋谷のアンテナショップに次ぐ3店舗目として「56design NARA」が4[…]
オイルの匂いとコーヒーの香り。隠れ家へようこそ。 56designが4月12日に奈良県奈良市にオープンさせる「56design NARA」。以前から要望が多かったという、同社初となる関西圏の新店舗だ。[…]
今シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、新加入は木村隆之介 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2025年のレース活動概要を発表した。 […]
昨シーズンに続き富樫虎太郎選手を起用、小田喜阿門選手へのサポートを継続 元MotoGPライダーの中野真矢さんが率いるレーシングチーム「56RACING(56レーシング)」が、2024年のレース活動概要[…]
人気記事ランキング(全体)
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
スズキが鈴鹿8時間耐久ロードレースの参戦体制を発表! スズキは2025年8月1日(金)から3日(日)に鈴鹿サーキットで開催される「2025 FIM 世界耐久選手権 鈴鹿8 時間耐久ロードレース」に「チ[…]
高評価の2気筒エンジンや電子制御はそのままにスタイリングを大胆チェンジ! スズキは、新世代ネオクラシックモデル「GSX-8T」および「GSX-8TT」を発表。2025年夏頃より、欧州、北米を中心に世界[…]
なぜ「モンキーレンチ」って呼ぶのでしょうか? そういえば、筆者が幼いころに一番最初の覚えた工具の名前でもあります。最初は「なんでモンキーっていうの?」って親に聞いたけども「昔から決まっていることなんだ[…]
最新の投稿記事(全体)
【モリワキエンジニアリング取締役名誉会長・森脇護氏】1944年、高知県生まれ。愛車だったホンダCB72のチューニングをヨシムラに依頼し、それをきっかけにPOPこと吉村秀雄氏に師事し、チューニングを学ぶ[…]
北海道という「ハードルの高さ」 ライダーにとってのひとつのあこがれ、北海道ツーリング。しかしフェリーの予約が面倒だったり、北海道までの移動で疲れてしまったり。 そういったライダーの悩みを解決し、「手ぶ[…]
カワサキ「エリミネーター」2026年モデルへ!! カワサキが人気ミドルクルーザー「エリミネーター」シリーズの2026年モデルを発表。2025年7月15日に発売予定だ。主要諸元に変更はなく、カラーリング[…]
フリュガンの展示会に行ってきました! どうも、2輪ジャーナリスト兼動画クリエイターの相京です。 フランスのバイク用品メーカー・フリュガンの展示会に行ってきました。 この日はゲストスピーカーとして呼んで[…]
ホンダ CB1300スーパーボルドール(2018)試乗レビュー この記事では、平成28年度排ガス規制に対応しモデルチェンジを行った2018年モデルについて紹介するぞ。 ※以下、2018年6月公開時の内[…]
- 1
- 2