
本田技研工業が2025年6月5日に商標「SUPER CUB PRO LITE」の商標を出願していたことがわかった。公開日は2025年6月13日で、区分は『乗物』だ。
●文:ヤングマシン編集部
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付、第3の存在か
2025年11月の新排出ガス規制導入によって現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)に出力制限を加えることで『新基準原付』として50ccモデルと同じ扱いになる……というのは既報通り。2025年春のモーターサイクルショーでは新原付のニューモデルを想定した「スーパーカブ110ライト コンセプト(Super Cub 110 Lite Concept)」が公開され、2025年4月1日には法規も改正された。
ホンダはすでにスーパーカブ110やディオ110をはじめ、アジアで販売されている110~125ccクラスの車両をベースに走行テストを実施したことも明らかにされており、さらにはCB125Rというスポーツバイクもテスト車が製作されたという。
これに先立ち、本田技研工業は2024年11月25日に3つの商標を出願。いずれも『乗物』カテゴリーに属しており、その名称から新基準原付モデルに付けられることがほぼ確実と思われた。
このとき出願されていたもののひとつは「CUB LITE(カブ ライト)」で、のちのMCショーで公開されたスーパーカブ110ベースのモデルを指しているものと見ていいだろう。
2つめは「DIO LITE(ディオ ライト)」。こちらはディオ110をベースとしたモデルと思われ、廉価なベーシック仕様(25万800円)の価格からいかにして同等以下に抑えるのかが注目される。
最後の3つめが、今回の出願情報にかかわるものと思われる。その名は「PRO LITE(プロ ライト)」で、スーパーカブ110プロ、あるいはベンリィ110プロをベースとしていることが想像された。
そして今回、出願が明らかになったのは「SUPER CUB PRO LITE(スーパーカブ プロ ライト)」。前回の「PRO LITE」がより現実的な名称になったものなのか、あるいは別のものなのかは不明だが、プロライトでは何のバイクかはっきりしない名称になるため、スーパーカブプロライトの名称が採用されると考えるほうが自然なのではないだろうか。
答えが明らかになるのは2025年11月以降と思われるが、庶民の足として必要な原付を市場から切らさないようにというホンダの決意が垣間見える、今回の商標出願だった。続報については入り次第お届けしたい。
SUPER CUB PRO LITE の商標
大阪モーターサイクルショーで初お披露目された「スーパーカブ110ライト コンセプト」
ホンダは、2025年3月の大阪モーターサイクルショーにて「スーパーカブ110ライト コンセプト(Super Cub 110 Lite Concept)」と称したコンセプトモデルをサプライズ発表。見た目はほとんどスーパーカブ110だが、60km/hメーターや『Super Cub Lite』のロゴステッカーといった違いがあった。
2025年4月1日より改正法規が施行されたこともあって、すぐにでも『Lite』が登場するかと思われたが、実際のところは排出ガス規制とは別に施行予定だった灯火器に関する新法規に猶予期間ができたため、50cc原付の従来モデルが2025年10月末まで継続生産できることがわかっている。
これにより、スーパーカブ50などが10月末まで継続生産され、「スーパーカブ ライト(あるいはスーパーカブ110ライト)」や「ディオ ライト」、そして今回出願が明らかになった「スーパーカブ プロ ライト」は市場から現行の50cc原付が姿を消すタイミングに合わせて投入されることになりそうだ。
Honda SUPER CUB 110 LITE CONCEPT
Honda SUPER CUB 110 LITE CONCEPT
「ディオ ライト」にも期待
ディオ110には廉価な「ベーシック」仕様があり、2025年3月のカラーチェンジにともない価格は3万3000円上昇して25万800円に。これがディオライトのベースモデルになると予想されるが、価格はどの程度に落ち着くのか注目だろう。参考までに、50cc原付のディオの最終モデルは2013年登場で当時価格15万9600円、現行50cc原付はタクト=17万9300円、ダンク=22万9900円だ。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型原付一種 [50cc以下])
ゼロハンが一番熱かった夏 多くの若者がバイクを愛し、GPライダーが同世代共通のヒーローとなった1970年代後半。 それでもフルサイズの“バイク”は、経済的理由や悪名高い“三ナイ運動”の影響からなかなか[…]
原付でエンジンがかからない主な原因 「原付 エンジン かからない 原因」とネット検索する方が多いように、バッテリー上がりやプラグの劣化、燃料不足など、複数の原因によってエンジンを始動できなくなるケース[…]
原付バイクのオイル交換目安とは? 交換頻度のポイント 内燃エンジンにとって、潤滑/冷却/密封/清浄分散/防錆を担うエンジンオイルは、まさに血液とも言うべき重要なパーツです。 常に高温にさらされてエンジ[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
2025年10月末をもって現行50ccバイクの継続生産ができなくなることを受け、各バイクメーカーは50cc原付から110~125ccを出力4kW以下に制御した新基準原付、いわゆる新原付の導入に向かうこ[…]
最新の関連記事(新型ビジネス/レジャー/ファンバイク)
国内導入予定はないけれど……のZ125プロ カワサキは北米で2026年モデルを続けざまに発表している。ここで紹介するZ125プロは、前年から全カラーに採用したゴールドの倒立フロントフォークに加えて20[…]
左右で違うイラストが楽しめる! ホンダは、サンリオの人気キャラクター「クロミ」ちゃんのかわいらしいデザインを施したモンキー125用の純正アクセサリー「“Honda × Kuromi” モンキー125用[…]
ダークカラーに往年のオマージュカラーを乗せて 特別仕様車の製作を定期的に行うカブハウスは、1970年代のダックスをオマージュしたような限定仕様「DAX Royal Limited Edition」を発[…]
その姿、まるでハンターカブ×ミニトレ?! タイ仕様は新型に切り替わるとともにカラーバリエーション変更&グラフィックが変更された。 一方ベトナム仕様は、従来モデルを標準仕様として併売。この標準モデルはカ[…]
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
人気記事ランキング(全体)
新型CBは直4サウンドを響かせ復活へ! ティーザー画像から判明したTFTメーターとEクラッチ搭載の可能性 ホンダは中国がSNS『微博』にて、新たなネオクラシックネイキッドのティーザー画像を公開したのは[…]
ゼロハンが一番熱かった夏 多くの若者がバイクを愛し、GPライダーが同世代共通のヒーローとなった1970年代後半。 それでもフルサイズの“バイク”は、経済的理由や悪名高い“三ナイ運動”の影響からなかなか[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたヤマハ「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
低く長いデザインが個性マシマシ! レトロモダンなボバークルーザー 中国から新たな刺客がやってきた! ベンダは2016年設立の新興メーカーで、独自設計のエンジンを搭載したクルーザーを中心に、ネイキッドな[…]
既存の常識を打ち破る驚異的な動力性能 昨今ではあまり話題にならないものの、’70年代以降の2輪業界で、もっとも長く”世界最速”の称号を保持していた…と言うより、もっとも世界最速に”こだわっていた”メー[…]
最新の投稿記事(全体)
ハンドルまわりだけでも用語はたくさん 「いつかは旧車に乗り、自分専用のカスタムをしたい」と、憧れを抱いている筆者。その夢を叶えるためには、ひとつの大きなハードルがあったりする。そもそも、各部の名称や役[…]
まめなオイル管理が、良コンディションを維持できる秘訣 新型スーパーカブが発表されて以降、新型のシリーズモデルは、週末に限らず、毎日のように街中で見かけるようになった。軽く気ままに走ることができるモデル[…]
電子制御CVTにより街乗りもスポーティ走りも思いのまま! ヤマハは、インドネシアや日本に続いて新型スクーター「NMAX155」を欧州市場に投入する。これまでNMAX125のみラインナップ(一部地域では[…]
本当に初速でZX-10Rを上回ると感じる加速っぷり エンジンにプラスしてモーターの力で走るハイブリッド(HV)モード、モーターのみで走るEVモード、それに加えて自動クラッチにATミッションと、現在にお[…]
初の2ストGPマシンNS500を応援するホンダファンは3気筒のエンジンのMVX250Fに目が釘づけ! 1979年、ホンダは世界GP復帰宣言で500ccの4ストロークV型4気筒(当初はオーバルピストン3[…]
- 1
- 2