
ホンダは、並列2気筒エンジンを搭載するミドルクラスのアドベンチャーツアラー「XL750 TRANSALP」の2025年モデルを5月29日に発売すると発表した。従来モデルからの主な変更点は2眼LEDヘッドライトへのフェイスリフトと、一部外装へのバイオエンジニアリングプラスチックの採用など。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●外部リンク:ホンダ
フェイスリフトと前後サスペンションの再設定
ホンダが「XL750トランザルプ」の国内2025年モデルを発売する。CB750ホーネットに似た2眼ヘッドライトを新たに採用し、センターダクトを設けたウインドスクリーンにはバイオエンジニアリングプラスチック“DURABIO”を使用。前後サスペンションのセッティングを変更し、乗り心地を向上している。
カラーバリエーションは、スタイリッシュで落ち着いた印象の「パールディープマッドグレー」を新たに追加し、アドベンチャーイメージを引き立てる「ロスホワイト」とあわせ、計2色の設定だ。
トランザルプ=TRANSALPはアルプスの山越え『Trans Alp』を語源とし、荒れた峠道や未舗装路を走り抜けていくというオリジナリティの高いコンセプトで1986年に初代モデルが登場。当初は583cc Vツインエンジンを搭載し、瞬く間に欧州で人気モデルになった。日本では400ccバージョンも追加された。
その後、Vツインエンジンを継承しながらモデルチェンジが繰り返され、2000年までにエンジンは647ccへと拡大、2008年の最終バージョンではFI採用の680cc、車重214kgのマシンへと成長・熟成されていった。
いったんは市場から消えたトランザルプだったが、2023年モデルで新開発の270度クランク並列2気筒エンジンを搭載して復活。このエンジンはCB750ホーネットにも搭載されているもので、シングルカムながら片方のバルブを直押し&もう一方をロッカーアームで開閉するユニカム機構を採用している。
電子制御のライダー支援はスロットルバイワイヤ(TBW)を軸にスポーツ、スタンダード、レイン、グラベルの4つのライディングモードが設定され、さらにユーザーカスタムモードでは4段階のエンジンパワー特性、3段階のエンジンブレーキ特性、5段階のホンダセレクタブルトルクコントロール(トラコン)とウイリーコントロール、後輪側のシステムOOFFが可能なオフロードABSをそれぞれ設定可能。
フレームは単体重量18.3kgのスチール製ダイヤモンドで、新たにセッティングし直されたSHOWA製φ43mmSFF倒立フロントフォーク/プロリンクリヤサスペンションを装備。前21/後18インチホイール、フロントダブルディスクブレーキなどが組み合わされる。
5インチTFTカラーディスプレイはHonda RoadSync対応、自動キャンセル機能付きウインカー、エマージェンシーストップシグナル(ESS)などを装備するほか、新型クイックシフターやパニアケースなどさまざまな純正アクセサリーのラインナップも見どころだ。
HONDA XL750 TRANSALP[2025 model]
通称名 | XL750 TRANSALP |
車名・型式 | ホンダ・8BL-RD16 |
全長×全幅×全高 | 2325×840×1455mm |
軸距 | 1560mm |
最低地上高 | 210mm |
シート高 | 850mm |
キャスター/トレール | 27°/111mm |
装備重量 | 210kg |
エンジン型式 | 水冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ |
総排気量 | 754cc |
内径×行程 | 87×63.5mm |
圧縮比 | 11.0:1 |
最高出力 | 91ps/9500rpm |
最大トルク | 7.6kg-m/7250rpm |
始動方式 | セルフスターター |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
燃料タンク容量 | 16L |
WMTCモード燃費 | 23.1km/L(クラス3-2、1名乗車時) |
ブレーキ前 | φ310mmダブルディスク+2ポットキャリパー |
ブレーキ後 | φ256mmディスク+1ポットキャリパー |
タイヤサイズ前 | 90/90-21 |
タイヤサイズ後 | 150/70R18 |
乗車定員 | 2人 |
価格 | 132万円 |
車体色 | 灰、白 |
発売日 | 2025年5月29日 |
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
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