
ホンダは、大阪モーターサイクルショーで「スーパーカブ110ライト コンセプト(Super Cub 110 Lite Concept)」を発表した。2024年末に商標出願が明らかになった「CUB LITE」「DIO LITE」「PRO LITE」の一角を占めるものと思われ、2025年11月以降は50cc原付に代わる存在として活躍しそうだ。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:編集部、ホンダ ●外部リンク:ホンダ
110ccベースの4kW制限モデル=新基準原付
2025年11月の新排出ガス規制導入によって50cc原付・現行モデルの継続生産が困難になり、新たに110~125ccのモデルをベースとした車両に4kW(5.4ps)に出力制限を加えることで『新基準原付』として50ccモデルと同じ扱いで販売できるようになる。2025年4月1日には新基準原付に関する法規が施行され、これに適合するモデルがホンダをはじめ各メーカーから登場する見込みだ。
これに一番乗りしたのはホンダだった。大阪モーターサイクルショーにて「スーパーカブ110ライト コンセプト(Super Cub 110 Lite Concept)」と称したコンセプトモデルをサプライズ発表。見た目はほとんどスーパーカブ110だが、60km/hメーターや『Super Cub Lite』のロゴステッカーといった違いがあった。
ホンダはすでにスーパーカブ110やディオ110をはじめ、アジアで販売されている110~125ccクラスの車両をベースに走行テストを実施したことも明らかにされていたが、まずはスーパーカブシリーズから発表された形だ。
ちなみに、本田技研工業は2024年11月25日に3つの商標を出願していたことが判明しており、いずれも『乗物』カテゴリーに属している。その名称から新基準原付のモデル名になるのはほぼ間違いないと見られていた。
正式発表は今夏以降か
2025年4月1日より改正法規が施行されるとあって、すぐにでも『Lite』が登場すると思いそうになるが、実際のところは少しだけ先の話になりそうだ。
というのも、排出ガス規制とは別に施行予定だった灯火器に関する新法規に猶予期間ができたため、50cc原付の従来モデルが2025年10月末まで継続生産できることになったからだ。
これにより、スーパーカブ50などが10月末まで継続生産され、「スーパーカブ ライト(あるいはスーパーカブ110ライト)」は市場が新原付へ切り替わっていくタイミングで投入されることになると思われる。
気になるのは価格や仕様だが、展示されたスーパーカブ110ライト コンセプトはキャストホイールや前輪ABSが装着してあり、このまま登場するのだとすれば現行50ccスーパーカブからは値段がそこそこ上昇しそう。省略する装備があればそのぶん値段は下がりそうだが、どうなるだろうか。続報を待ちたい。
Honda SUPER CUB 110 LITE CONCEPT
Honda SUPER CUB 110 LITE CONCEPT
CUB LITE の商標
続くは『ディオ ライト』、そして『プロ ライト』
『Lite』が新原付のモデル名になるのは確定的。となれば、商標出願されていた他の2機種も気になるところだ。ひとつめの「CUB LITE(カブ ライト)」はスーパーカブ110ベースのコンセプトモデルとして発表されたので、残るは「DIO LITE」「PRO LITE」だ。
「DIO LITE(ディオ ライト)」はディオ110をベースとしたモデルに間違いなさそうで、廉価なベーシック仕様(21万7800円)の価格をいかにして同等以下に抑えるのかが注目される。
DIO LITE の商標
3つめの商標「PRO LITE(プロ ライト)」から想像できるのはスーパーカブ110プロ、あるいはベンリィ110プロをベースたモデルだろうか。いずれにせよ、何らかのビジネスユースを考慮したモデルになる可能性が高そうだ。
PRO LITE の商標
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型原付一種 [50cc以下])
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
根強い人気のズーマー 2000年代、若者のライフスタイルに合ったバイクを生み出すべく始まった、ホンダの『Nプロジェクト』。そんなプロジェクトから生まれた一台であるズーマーは、スクーターながら、パイプフ[…]
PEV600のおすすめポイントをご紹介 さて、本題に入る前に昨今の電動車事情について簡単に触れておきますね。 乗り物の電動化が徐々に加速していく中で、昨年夏には特定小型原付が新たな車両区分として加わり[…]
50ccクラスは16歳から取得可能な“原付免許”で運転できるほか、普通自動車免許でもOK バイクを運転するための免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大[…]
【第1位】ホンダ スーパーカブ50/プロ:124票 チャンピオンに輝いたのは「やっぱり」と言ってもいいでしょう、スーパーカブです。パーソナルユース向きのスタンダードとビジネス向けのプロをラインナップ。[…]
最新の関連記事(新型ビジネス/レジャー/ファンバイク)
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
ダックス125[45万1000円] vs モンキー125[45万1000円]はどう違う? ホンダの原付二種リバイバルシリーズは、先駆けとなったモンキー125に続きスーパーカブC125、CT125ハンタ[…]
モンキーFSシリーズの最新作として誕生! ホンダ「CB1000F コンセプト」で往年のフレディ・スペンサーが駆ったレーシングマシンのカラーリングが話題になったばかりだが、憧れの“スペンサーカラー”をま[…]
オーディナリーホワイトとアーティザンレッドの組み合わせ 3月10日にカブハウスのSNSでスーパーカブC125の新色が公開され、詳細は記されていなかったが、1958年以来の“Sシェイプ”デザインに新たな[…]
タイホンダ創立60周年を記念したスペシャルエディション 特別仕様車の製作に旺盛なカブハウスは、タイホンダの創立60周年を記念した「New Monkey Chrome Legacy Limited Ed[…]
人気記事ランキング(全体)
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
最新の投稿記事(全体)
新型スーパースポーツ「YZF-R9」の国内導入を2025年春以降に発表 欧州および北米ではすでに正式発表されている新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」。日本国内にも2025年春以降に導入されると[…]
北米にもあるイエローグラフィック! スズキ イエローマジックといえば、モトクロスやスーパークロスで長年にわたって活躍してきた競技用マシン「RMシリーズ」を思い浮かべる方も少なくないだろう。少なくとも一[…]
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
他の積載方法とは異なる、シートバッグの利便性 2輪でツーリングをする際の荷物の積載方法は、①ストレッチコード/ネット、②タンデムシート上部に装着するシートバッグ、③後輪左右に設置するサイドバッグ、④車[…]
昨年の最終戦から連勝を続けた水野涼 2025年の全日本ロードレース選手権がようやく4月19日・20日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで開幕しました。4月9日・10日には、PRE-TEST “Roun[…]
- 1
- 2