
イタリアを拠点とするフレームビルダーのビモータは、カワサキ製1043cc水冷並列4気筒エンジンを搭載するスポーツネイキッド『KB4RC』を発表した。全国のビモータ正規販売店にて3月25日に発売される。
●文:ヤングマシン編集部(山下剛) ●外部リンク:bimota(カワサキモータースジャパン)
待望のビモータ第2弾がいよいよ上陸、走行性能を極めたハイパーネイキッドを見よ!
カワサキとビモータがコンビを組んだのは2019年。KB4を皮切りに現在では6車種をラインアップしているが、カワサキモータースジャパンとして日本に導入したのはKB4のみ(ほかにモトコルセがテージH2を導入)だ。しかしこのたび、待望の国内第2弾のビモータが上陸する。
『KB4RC』は、その名称どおりエンジンとシャシーはKB4と共通するユニットを用いたネイキッドだ。エンジンはカワサキ・Ninja1000SXなどに搭載されている1043cc水冷並列4気筒で、142ps/10000rpmを発生。そのエンジンを強度メンバーとするフレームはフロント部がクロモリ鋼トレリス構造で、切削アルミのピボットプレートでアルミ製3ピース構造のスイングアームと接続する。
bimota KB4RC
誤解を恐れずいえば、KB4RCはビモータがフレームをはじめとするシャシーを製造したZ1000だ。しかも量産車では重要視される部品開発や生産のコストよりも、走行性能を優先して切削アルミやカーボンファイバーなどの高性能で贅沢な素材による卓抜した車体構造を持つ、スペシャルラグジュアリーハイパーネイキッドといえる。
そんなKB4RCの開発コンセプトは『フリーダム』。KB4が持つスポーツ性能をより多くのライダー、さまざまな走行環境で楽しめるよう開発・設計された。
まずは車体構造の特徴を羅列していこう。
- 142psを発生する1043cc水冷並列4気筒エンジン
- クロモリ鋼トレリスフレーム
- 切削アルミのピボットプレートと3ピース構造のロングスイングアーム
- オーリンズ製フルアジャスタブル前後サスペンション
- エキセントリックアジャスターによるステップ位置と車高調整機構
- 600ccクラスのショートホイールベース
- ビモータの理想に非常に近い『53.3:46.7』の前後荷重配分
- ブレンボ製ブレーキシステム
- OZ製鍛造アルミ前後ホイール
- アシスト&スリッパークラッチ
- カワサキ製最新電子制御デバイス群
- カーボンファイバー製外装パーツ
- 本革製シート
- メーターカバーを飾るシリアルナンバープレート
これらにより徹底した軽量化とマスの集中化が図られ、車重を感じさせない軽快なハンドリング、素早いスロットルレスポンスと鋭い加速性能を実現。ビモータ独特のエクステリアにより、唯一無二のスポーツネイキッドバイクに仕上がっている。
bimota KB4RC
独自の車体構成で600ccクラス並みのホイールベースを実現
前述したとおり、エンジンとシャシーはKB4と共通の仕様だ。しなやかさと高剛性を両立したフレームは、クロモリ鋼トレリス構造のメインフレームと、切削アルミのピボットプレートから成る。ピボットプレートとスイングアームは、アルミニウム合金の中でも耐腐食性と強度と応力に優れ、軽量なアンチコロダル6082を用いている。さらにスイングアームは3ピース構造で、一般的なものより長い555mmとしている。これらによって最適な剛性を得ることができ、優れたトラクションとハンドリングを生み出している。
こうした部材の採用や構造は、量産車では実現できない。しかもKB4RCは、熟練工による手作業で組み立てられている。
これらのシャシーは、1390mmというショートホイールベースを作り出すことにも成功している。この数値は600ccクラスの短さで、それゆえのハンドリングは鋭く、回頭性に優れるコーナリングマシンとなっているのだ。
マスの集中化を推進し、理想的な前後荷重配分を生み出したもうひとつの要因は、ラジエターをカーボンファイバー製リヤフレームの後端(シート後方の下部。一般的なバイクのリヤシート下)に配置したこともよっている。このためエンジン搭載位置が前方へ寄せることができ、『53.3:46.7』の前後荷重配分を実現している。また、ラジエターへの導風路は、サイドフェアリングも兼ねるカーボンファイバー製のエアダクトがインテークとなり、サイドパネル内部を通過してラジエターに入り、リヤフレーム裏側から抜けていく。
サスペンションは前後ともにオーリンズ製。フロントフォークは『FG R&T 43 NIX30』、リヤショックは『TTX36』で、もちろんどちらもフルジャスタブルだ。
また、エキゾーストシステムはアロー製ハンドクラフトデュアルパイプマフラーで、『bimota』のロゴがレーザー刻印されている。
そうしたビモータのフレームエンジニアリングに、カワサキの最新電子制御デバイス群が強力なサポートをしている。6軸IMUによるコーナリング対応のABSとトラクションコントロール、クルーズコントロール、クイックシフター、そしてパワーモードによってファンライドを安全かつ快適に堪能できる。
フルLEDながらクラシカルな丸目を採用したヘッドライト、バーエンドミラー、そしてカーボンファイバー製のエアインテーク兼サイドフェアリングが織り成すエクステリアは、ビモータらしい個性とイタリアンプロダクトならではの独創性にあふれている。
ふつうのバイクでは飽き足らないエンスージアストの心をゆさぶる、クラフトマンシップの結晶。それがKB4RCというバイクなのだ。
カワサキモータースジャパンは、大阪・東京・名古屋モーターサイクルショーに、また日本自動車輸入組合(JAIA)が主催するメディア向け試乗会で、KB4RCのほかにビモータ初のクロスオーバーツアラー『TESI H2 TERA』と、スーパーバイク世界選手権(WSBK)のホモロゲーション取得のための市販車『KB998 Rimini(リミニ)』を参考出品として展示する予定だ。これらのモデルの国内導入にも期待がかかる!
bimota KB4RC のカラーバリエーションとスペック
bimota KB4RC
| 車名 | KB4RC |
| エンジン型式 | ZXT02KE |
| 全長×全幅×全高 | 2050×773×1160mm |
| 軸距 | 1390mm |
| 最低地上高 | 130mm |
| シート高 | 835mm(±8mm) |
| キャスター/トレール | 24.0°/102mm |
| 車両重量 | 191kg |
| エンジン型式 | 水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ |
| 総排気量 | 1043cc |
| 内径×行程 | 77.0×56.0mm |
| 圧縮比 | 11.8:1 |
| 最高出力 | 142ps/10000rpm |
| 最大トルク | 11.3kg-m/8000rpm |
| 始動方式 | セルフ式 |
| 変速機 | 常時噛合式6段リターン |
| 燃料タンク容量 | 19.5L |
| WMTCモード燃費 | 18.6km/L |
| タイヤサイズ前 | 120/70ZR17 |
| タイヤサイズ後 | 190/50ZR17 |
| ブレーキ前 | φ320mmダブルディスク+4ポットキャリパー |
| ブレーキ後 | φ220mmディスク+2ポットキャリパー |
| 乗車定員 | 1名 |
| 価格 | 473万円 |
| 車体色 | ロッソリミニ×ネーロペペ (WT1) |
| 発売日 | 2025年3月25日 |
KB4RC のディテール
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
bimota KB4RC
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ビモータ)
購入希望者は改めての発売案内を待つべし Ninja ZX-10RRのエンジンを搭載したビモータ製スーパーバイク「KB998 Rimini」が正式発表されたのは2025年5月。スーパーバイク世界選手権を[…]
「bimota by Kawasaki Racing Team」の公式チームウェアがついに登場 「bimota by Kawasaki Racing Team」の公式チームウェアは、洗練されたホワイト[…]
ビモータの工房があるイタリアの都市「リミニ」をその名に冠する Ninja ZX-10RRのエンジンを搭載したビモータ製スーパーバイクが、ついに正式発表された。すでにスーパーバイク世界選手権を走っている[…]
「KB4RC」「KB998 Rimini」の2機種を展示(予定) 株式会社カワサキモータースジャパンは、イタリアの⾼級ハンドメイドモーターサイクルブランド ・bimota(ビモータ)の⽇本総輸⼊元とし[…]
カワサキモータースジャパンは、2025年3月に開催予定の「第41回大阪モーターサイクルショー2025」「第52回 東京モーターサイクルショー」、4月に開催予定の「第4回名古屋モーターサイクルショー 」[…]
最新の関連記事(カワサキ [KAWASAKI])
2026年2月発売! 注目のカワサキ製新型ネイキッド3モデルに早速触れてみる 10月30日から11月9日までの期間に開催されたジャパンモビリティショーで初披露となったカワサキの人気モデルZ900RSの[…]
Z1100とZ1100 SEもZ900RSシリーズと同日発売 ジャパンモビリティショーで上級モデル“SE”が日本初公開され、国内発売日とスペックの正式発表を待つのみだったがZ1100シリーズの全容が明[…]
火の玉「SE」と「ブラックボールエディション」、ビキニカウルの「カフェ」が登場 カワサキモータースジャパンは、ジャパンモビリティショー2025で世界初公開した新型「Z900RS」シリーズについてスペッ[…]
2025年モデルで排気量アップしたニンジャ1100SX カワサキモータースジャパンは、スポーツツアラー「ニンジャ1100SX」シリーズを2026年モデルに更新。標準モデルとSEモデルそれぞれにニューカ[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転可 バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原[…]
人気記事ランキング(全体)
さほど高性能でもない2台のスズキ製250ccスポーツは、なぜ意外と目立つのか? 車検がないのに高速道路に乗れるのが、125cc超~250cc以下の軽二輪モデルのメリットだ。そのため国内各メーカーもこの[…]
3Mシンサレート採用の4層構造で冬走行の冷えを軽減する 本商品は、防風ポリエステル生地/3Mシンサレート中綿/裏起毛の4層構造で手全体を効率よく保温する設計。一般的なポリエステル綿と比べて中綿が軽く、[…]
想像を上回る使い勝手のよさ SHOEIが2026年1月9日にSHOEI Gallery(SHOEI Gallery Online Storeを除く)で先行発売する電子調光ドライレンズ「e:DRYLEN[…]
16か所発熱で走行中の冷えポイントを広くカバーする 冬の走行時にとくに冷えやすいのが、肩/背中/腹部などの体幹部である。本モデルは16か所にヒーターを内蔵しており、一般的な電熱ベストより発熱面積が広い[…]
ホコリや汚れを呼ぶ潤滑スプレー 鍵を差すときに動きが渋いなーとか、引っ掛かるなーと感じたことはありませんか? 家の鍵や自転車の鍵、倉庫の南京錠など、身の回りにはいろいろな鍵がありますが、屋外保管しがち[…]
最新の投稿記事(全体)
開口幅調整不要でピッタリフィット。潰れたネジを掴める縦溝付き 通常のウォーターポンププライヤーは掴む相手に合わせてあらかじめ開口幅を調整する必要があるが、この製品は最大開口幅のままグリップを握るだけで[…]
失敗したくない中古車選び、レッドバロンなら安心できる 「新車よりも安い」というのは一般的な中古車の特徴の一面であって、それだけがすべてではない。「空冷のスポーツスターが欲しい!!」となれば中古車を探す[…]
映画の世界を正確に再現したEVバイクをカスタムビルド トロンは1982年にディズニーが作ったSF映画で、全面的にコンピュータグラフィックスを使ったのは世界初の試みでした。コンピュータのプログラム世界の[…]
250cc並列2気筒エンジンで国産最強の42psの性能を持つホンダCBR250RR メリットも多そうな軽二輪(126〜250cc)モデルだけど、気になる排気量や性能での不安etc. 扱いやすいサイズと[…]
スペックから読み解く、SとSMの決定的な違いと最新デバイスの全貌 まずトレールモデルの「S」とモタードモデルの「SM」、どちらを選ぶべきかスペックから再確認しておこう。両車ともに119万9000円とい[…]
- 1
- 2












































































