
2020年6月に、リバイバルシリーズの第3弾として発売されたホンダ「ハンターカブCT125」。以来、好調な新車販売台数を記録し続けているこの一台について、その変遷を歴代カラーリングとともに振り返ってみたい。2023年モデルでは、デザインをほぼ踏襲しつつも、令和2年排出ガス規制に適合する新エンジンに換装。ニューカラーも登場した。
●文:ヤングマシン編集部
新エンジン搭載で3.4%パワーアップ、2kgの軽量化も達成
ホンダが2023年モデルの「CT125ハンターカブ」を発売したのは、2022年12月のこと。グロムからはじまり、スーパーカブC125、モンキー125、ダックス125に採用されたロングストローク設定(50.0×63.1mm)の新型エンジンを搭載した。
この空冷2バルブ単気筒エンジンは、最高出力を8.8ps→9.1psへと0.3psのパワーアップを果たしながら、ピークパワーの発生回転数を750rpm下げていた。一方で最大トルクは1.1kg-mを踏襲しながら、発生回転数は250rpm上昇。これらにより、低回転域はパンチのあった従来型からスムーズな特性へと変化し、中回転からはパワフルさが増した走りとなった。
4段リターン式で停止時にはロータリー式として振る舞うトランスミッションは、各ギヤの変速比を従来型と同一とし、一方で1次/2次減速比は変更。1次/2次の総減速比は9.329→9.284とわずかにロングになったが差はわずかであり、ほぼ誤差の範疇といえた。
ちなみに、スーパーカブC125も各ギヤの変速比は同一だが、1次/2次の総減速比は8.57とされており、8.3%ほどロング=高速寄りの設定だった。
また、2次減速比の変更にともなってホイールベースは1255mm→1260mmへと5mm伸び、全長も1960mm→1965mmになった。エンジンガードにはパイプが追加され、FIまわりをより強固に守ってくれるとともに、強度自体も高まった。
車重は120kg→118kgと2kgの軽量化を達成。さらに、リヤショックは5段階のプリロード調整機構が付いた新作に変更された。
車体色は新色のマットアーマードシルバーメタリックが設定され、初代の2020年モデルから続いたマットフレスコブラウンが廃止に。継続色のグローイングレッドは、大型キャリアがブラック仕上げになった。同じく継続色のパールオーガニックグリーンは、車体色と同じキャリアを引き続き採用。2023年モデルの販売計画台数(国内・年間)は1万4000台だった。
HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]
主要諸元 ■全長1965 全幅805 全高1085 軸距1260 最低地上高165 シート高800(各mm) 車重118kg(装備)■空冷4ストローク単気筒 SOHC2バルブ 123cc 9.1ps/6250rpm 1.1kg-m/4750rpm 変速機4段 燃料タンク容量5.3L ■ブレーキF=油圧式ディスク+ABS R=油圧式ディスク タイヤサイズF=80/90-17 R=80-90-17 ●価格:44万円 ●色:銀、赤、緑 ●発売日:2022年12月15日
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]】マットアーマードシルバーメタリック
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]】マットアーマードシルバーメタリック
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]】グローイングレッド
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]】グローイングレッド
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]】パールオーガニックグリーン
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 model]】パールオーガニックグリーン
参考:タイ仕様
タイでは新色のグレーが追加されたほか、特別仕様のスタンレースペシャルエディションが設定された。
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 Thai model]】Grey ※新色
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 Thai model]】Red
【HONDA CT125 HUNTER CUB[2023 Thai model]】Green
【HONDA CT125 STANLEY SPECIAL EDITION】クラシックランチボックス、アドベンチャーアウトドアクーラー、GOバキュームボトル、マグカップ、トップフロントキャリア&トレールランチボックス、キタコキャンピングチェア、サイドケース、センタープロテクター、ヘッドライトガード、フロントフェンダーエンブレムなどがセットされた特別仕様車。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(ホンダ [HONDA])
従来色の赤が廃止された 発売は、2022年1月20日のこと。2020年モデルでマイナーチェンジを受けたこともあり、スペックはそのまま。前モデルのアップデート内容を振り返っておこう。プラス3psの最高出[…]
2021年カラーがSP版で蘇った?! ホンダのキングオブネイキッド「CB1300スーパーフォアSP」および「CB1300スーパーボルドールSP」の2024年モデルには、赤いフレームのニューカラーが導入[…]
【岡崎静夏 おかざき・しずか】ルックスはキュートなバイク女子。走りは全日本ロードレース選手権J-GP3クラスでシリーズランキング4位を獲得する実力!! E-クラッチがもたらす超スムーズな変速に感動 今[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
その名も「V3R」と「V3R E-COMPRESSOR」だ! ホンダが全く新しい4ストロークV型3気筒エンジンのコンセプトモデルを公開したのは、2024年秋のEICMA(ミラノショー)でのこと。かつて[…]
最新の関連記事(CT125ハンターカブ)
2020年モデル:初代は2色ラインナップ スーパーカブシリーズ中で究極のアウトドアマシンとして支持されていた“ハンターカブ”が、8年ぶりに復活を遂げたのは、2020年6月26日のこと。名称は、CT12[…]
ナチュラルカラーの「パールシュガーケーンベージュ」と「パールスモーキーグレー」を追加 「CT125ハンターカブ」の2025年モデルが発売されたのは、2024年12月12日のこと。新色はいずれもアースカ[…]
“ターメリックイエロー”爆誕ッ!! CT125ハンターカブの2024年モデルが発売されたのは、2023年12月14日のこと。新色の「ターメリックイエロー」が追加された。ホンダいわく“市街地や郊外で映え[…]
“ホンダを穿く”プロジェクト 第2弾 そして見逃せないのは、ホンダ×児島ジーンズ×オーヴァーレーシングという豪華な顔ぶれによる、今回限りのトリプルコラボTシャツだ。モチーフはCT125ハンターカブで、[…]
新色はパールオーガニックグリーン アップマフラーに大型リヤキャリア、前後スポークホイール、スチール製フェンダー、そしてアンダーガードなど、アウトドアレジャーに対応した装備の数々を採用するCT125ハン[…]
人気記事ランキング(全体)
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年[…]
新5色ラインナップとなった2022年モデル 2022年モデルが発売されたのは、2022年6月23日のこと。2021年のフルモデルチェンジの際には、新設計の水冷エンジンが4バルブの「eSP+(イーエスピ[…]
まず車間が変わることを理解しておこう! ツーリングでキャリアのある、上手なライダーの後ろをついてゆくのが上達への近道。ビギナーはひとりだと、カーブでどのくらい減速をすれば良いかなど判断ができない。そう[…]
ナンバー登録して公道を走れる2スト! 日本では20年以上前に絶滅してしまった公道用2ストローク車。それが令和の今でも新車で買える…と聞けば、ゾワゾワするマニアの方も多いのではないか。その名は「ランゲン[…]
15番手からスタートして8位でフィニッシュした小椋藍 モナコでロリス(カピロッシ)と食事をしていたら、小椋藍くんの話題になりました。「彼は本当にすごいライダーだね!」と、ロリスは大絶賛。「ダイジロウ・[…]
最新の投稿記事(全体)
メンテナンスが必要になった時に必要な部品が手に入る 全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスでEXACTホイールやダイレクトドライブレーシングディスクのユーザーが増加し、MotoGP Moto2クラ[…]
従来色の赤が廃止された 発売は、2022年1月20日のこと。2020年モデルでマイナーチェンジを受けたこともあり、スペックはそのまま。前モデルのアップデート内容を振り返っておこう。プラス3psの最高出[…]
H-D正規販売店との絆を取り戻す! 「日本において、ハーレーダビッドソンは世界の中でも稀有な“ハーレー大国”であり続けています。これからもともに、一緒に走り続けていきましょう!」 ハーレーダビッドソン[…]
犬吠埼を目指し、走景に染まるハーレー乗り かつてはハーレーは、乗り手を育てる乗り物だった。走っている途中で不調を訴え、時には急に呼吸を止めたりもした。だから乗り手は路肩にバイクを寄せ、工具を片手に処置[…]
シェルパの名を復活させたブランニューモデル カワサキが、KLX230シリーズをモデルチェンジするとともに、KLX230Sとしては3年ぶり(その他の無印やSMは2~5年ぶり)に復活させたのは、2024年[…]
- 1
- 2