
直列4気筒ニーゴーの名機が続々と生み出された1980〜1990年代をプレイバック。レプリカの流れを汲む強心臓を備えたネイキッドたちを紹介していこう。「レッドゾーンは何回転だったのか」もわかるぞ。
●文:ヤングマシン編集部
1989年以降、400ccを中心にネイキッドブームが到来。250でもレプリカの直4エンジンを活用した数々のモデルが生み出された。中低速寄りに調教した心臓を専用フレームに積み、扱いやすい速さが美点。特にバリオス(カワサキ・ZXR250系エンジン)とホーネット(ホンダ・CBR250RR系エンジン)は人気を博し、ロングセラーとなった。
- 1 1985 GF250[SUZUKI]:ネイキッド版も早期に登場[Red Zone 13000rpm~]
- 2 1989 COBRA[SUZUKI]ルックスも走りも過激[Red Zone 17000rpm~]
- 3 1989 BANDIT250[SUZUKI]:欧風の美麗デザインと先進メカを融合[Red Zone 17000rpm~]
- 4 1995 BANDIT250/V[SUZUKI]:高度なバルブ可変機構で全域がモリモリ![Red Zone 16000rpm~]
- 5 1991 Zeal[YAMAHA]:アイデア満載のイルカ[Red Zone 15000rpm~]
- 6 1991 GSX250S KATANA[SUZUKI]:元祖のスタイルを見事に再現した小刀[Red Zone 16000rpm~]
- 7 1991 BALIUS[KAWASAKI]:ZXRの心臓を公道向けにチューン、懐が広く、扱いやすい神馬[Red Zone 19000rpm~]
- 8 1996 HORNET[HONDA]:ダイナミックな走り&外観でクラスを超越した傑作[Red Zone 16000rpm~]
- 9 1991 JADE[HONDA]:ホーネットの前身は正統派ネイキッドだった[Red Zone 16000rpm~]
1985 GF250[SUZUKI]:ネイキッド版も早期に登場[Red Zone 13000rpm~]
直4ニーゴーの始祖、GS250FWがネイキッドに転生。DOHC2バルブの心臓は内部パーツの改良で3ps増を果たし、新作フレームに搭載した。翌1986年には、45psでハーフカウル付きのSもデビュー。
【SUZUKI GF250 1985】主要諸元■車重139kg(乾)■41ps/12500rpm 2.4kg-m/10500rpm
1989 COBRA[SUZUKI]ルックスも走りも過激[Red Zone 17000rpm~]
GSX-R250Rをカウルレス化したスポーティ仕様。多くはベース車と共通だが、5&6速を低速寄りに。アップハンや丸眼、張り出したコブラのようなシュラウドで独自のスタイルとしている。
【SUZUKI COBRA 1989】主要諸元■車重139kg(乾)■45ps/11500rpm 2.6kg-m/10500rpm
1989 BANDIT250[SUZUKI]:欧風の美麗デザインと先進メカを融合[Red Zone 17000rpm~]
コブラの2か月後に登場したモデルで、鋼管フレームを強調したボディとモノサスによる欧州デザインが自慢。車体は兄貴分の400と共通で、質感と車格もクラスレスだ。心臓はGSX-R250R譲りの水冷直4だが、実用域を重視した特性と専用マフラーを与えた。
【SUZUKI BANDIT250 1989】主要諸元■軸距1435mm 車重156kg(乾)■45ps/14500rpm 2.6kg-m/10500rpm■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17
【ロケットカウルのカフェレーサースタイル[BANDIT250LTD]も登場】欧州フォルムと絶妙にマッチする、低く構えたロケットカウルを採用。LTDはセパハンだが、STDはアップハンも選択可能。
1995 BANDIT250/V[SUZUKI]:高度なバルブ可変機構で全域がモリモリ![Red Zone 16000rpm~]
アルミスイングアームなどで12kgもの車重減を達成。外装も刷新され、より洗練度を増した。さらに、分厚い低中速域と高回転パワーを両立するバルブ可変のVC機構を備えたVを追加。赤いヘッドカバーが目印だ。
【SUZUKI BANDIT250/V 1995】主要諸元■車重146kg(乾)■40ps/14000rpm 2.5kg-m/10000rpm
【驚異のVC機構!】吸気&排気側双方のカムシャフトに中低速用カムと高速用カムを設置し、回転数に応じて油圧で切り替えるVC機構。バルブ休止のハイパーVTECよりハイテクだ。1997年モデルからは吸気側のみに変更。
1991 Zeal[YAMAHA]:アイデア満載のイルカ[Red Zone 15000rpm~]
「ジャンプするイルカ」をイメージした外観で話題に。FZR250R ベースの心臓に独自の右2本出しマフラーを組み合わせ、走りは中低速が得意。新設計スチールフレームによる低重心設計や良好な足着き性もイージーさに貢献する。タンク前方の収納と標準の防水シートバッグで実用性もマル。
【YAMAHA Zeal 1991】主要諸元■軸距1370mm 車重145kg(乾)■40ps/12000rpm 2.7kg-m/9500rpm ■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17
小物入れを完備!
1991 GSX250S KATANA[SUZUKI]:元祖のスタイルを見事に再現した小刀[Red Zone 16000rpm~]
1990年に限定復刻した名車、GSX1100Sカタナの好セールスを受け、翌1991年250にもカタナが登場した。大柄なボディと一部に用いた1100の共通パーツで雰囲気を忠実に再現。バンディット譲りの水冷直4はサイドドラフト化され、専用のカムとクランク、空冷風ヘッドも与えた。
【SUZUKI GSX250S KATANA 1991】主要諸元■軸距1435mm 車重160kg(乾)■40ps/13500rpm 2.7kg-m/10000rpm ■タイヤサイズF=110/70-17 R=140/70-17
メーターも忠実に再現。リミットは1万7000回転だ。セパハンは、やや高めの設定。
ガンメタ+黒エンジンの特別仕様も限定500台で登場。当時、大人気だった。
1991 BALIUS[KAWASAKI]:ZXRの心臓を公道向けにチューン、懐が広く、扱いやすい神馬[Red Zone 19000rpm~]
大ヒットした400のゼファーに続いて投入された意欲作。専用の鋼管ダブルクレードルフレーム+モノサスに、ZXR250の高回転ユニットを搭載する。吸排気系の変更などで低中速トルクを増強しつつ、45psを堅持。扱いやすさと速さを兼ね備える上に、安楽なアップハンドルや抜群の足着き性で万人から支持された。車名は、ギリシャ神話に出てくる不死身の神馬を意味する。
【KAWASAKI BALIUS 1991】主要諸元■軸距1380mm 車重141kg(乾)■45ps /15000rpm 2.6kg-m/11500rpm■タイヤサイズF=110/70R17 R=140/70R17
【KAWASAKI BALIUS-Ⅱ 1997】1993年モデルで40ps化。1997年モデルでは2本サスのⅡに進化し、スロットルポジションセンサーも投入。2007年モデルで惜しくも生産終了となった。
2002年、業務提携でスズキにバリオスがOEM供給され、「GSX250FX」として販売。
2眼の砲弾型メーターを採用。目盛りは2万1000回転まで刻まれる。2000年モデル以降はレッド1万8000回転にダウン。
1996 HORNET[HONDA]:ダイナミックな走り&外観でクラスを超越した傑作[Red Zone 16000rpm~]
「クラスレスのインパクト」を掲げ、1996年デビュー。専用の鉄製モノバックボーンフレームで軽量スリムな車体を実現し、これにCBR250RR由来のカムギアトレーン水冷直4を積む。エンジンは低中速トルクの向上と同時に吹け上がり感が強調され、爽快。直4ニーゴーの傑作として2007年まで生産された。
【HONDA HORNET 1996】主要諸元■軸距1415mm 車重149kg(乾)■40ps/13000rpm 2.4kg-m/11000rpm■タイヤサイズF=130/70ZR16 R=180/55ZR17
【1999年モデル】1999年モデルで排ガス規制適合のため、触媒などを搭載。2003年モデルでシート高ダウン、2005年モデルでライトを変更と年々熟成が進んだ。
【フォルムがグラマラス!】スズメ蜂の車名のとおり抑揚のある造形とアップマフラーが特徴。リヤタイヤもSS並みにワイド。
1991 JADE[HONDA]:ホーネットの前身は正統派ネイキッドだった[Red Zone 16000rpm~]
ホーネットのベースは、落ち着いた雰囲気のジェイド。ダブルクレードルフレームにCBR250RR譲りのカムギア直4を搭載した。1996年に生産終了。
【HONDA JADE 1991】主要諸元■軸距1420mm 車重146kg(乾)■40ps/14000rpm 2.4kg-m/11000rpm■タイヤサイズF=100/80-17 R=140/70-17
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(名車/旧車/絶版車)
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
キーロック付きタンクキャップ:スズキGT380(1972) バイクの燃料キャップは、そもそもは転倒時の漏れ防止の安全対策からキーロック式が採用されるようになったが、その最初は1972年のスズキGT38[…]
長距離ツーリングがさらに楽しくなる進化 発売は、2021年2月25日。2021年モデルでは、大型二輪AT限定免許でも乗れるDCTのみのラインナップとなった。シリーズ共通で55Wスピーカーを採用。イコラ[…]
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
かつての人気モデル「キャンパー」のDNAと手巻きムーブメントの融合 「MK1ハンドワインド」のルーツは、1980年代に登場し、シンプルかつ実用的なデザインで人気を博したキャンパーモデルに遡る。そのデザ[…]
都市型イベント「My Yamaha Motorcycle Exhibition」開催へ ヤマハは、2025年9月20日に桜木町駅前(神奈川県横浜市)にて「My Yamaha Motorcycle Ex[…]
コーポレートアイデンティティとユニフォームを39年ぶり刷新へ スズキ株式会社は、2025年4月1日よりコーポレートアイデンティティ(CI)とユニフォームを39年ぶりに一新すると発表した 。 従来のCI[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
ダレノガレ明美さんがCB1300SFファイナルエディション購入 タレントのダレノガレ明美さんが、ホンダのビッグネイキッド「CB1300スーパーフォアSPファイナルエディション」のオーナーになったことが[…]
人気記事ランキング(全体)
実は大型二輪の408cc! 初代はコンチハンのみで37馬力 ご存じ初代モデルは全車408ccのために発売翌年に導入された中型免許では乗車不可。そのため’90年代前半頃まで中古市場で398cc版の方が人[…]
エアインパクトレンチ:手のひらに収まるサイズで500Nmを発揮。狭い場所で活躍する力自慢 ガレージにエアコンプレッサーを導入したら、まず揃えておきたいのがエアブローガンとエアゲージ、そしてインパクトレ[…]
カワサキの新世代モビリティが大阪万博で公開 2025年日本国際博覧会、通称「大阪万博」のカワサキブースで、未来のオフロードビークル「CORLEO(コルレオ)」が注目を集めている。バイクのように乗車する[…]
2ストエンジンの新時代を切り開いた名車 1980年代中頃、スズキのガンマ、ホンダのNSと、高性能レプリカが矢継ぎ早に出揃い、大ヒットを記録していた。 この潮流をみたヤマハはRZ250Rにカウルを装着し[…]
筑波サーキットにH-D Xたちが集合 H-D Xでのサーキット走行をおすすめしたい。X350はあきらかにXR750をモチーフとしたデザイン。「スポーツライディングを楽しんでほしい」というメーカーからの[…]
最新の投稿記事(全体)
新型スーパースポーツ「YZF-R9」の国内導入を2025年春以降に発表 欧州および北米ではすでに正式発表されている新型スーパースポーツモデル「YZF-R9」。日本国内にも2025年春以降に導入されると[…]
北米にもあるイエローグラフィック! スズキ イエローマジックといえば、モトクロスやスーパークロスで長年にわたって活躍してきた競技用マシン「RMシリーズ」を思い浮かべる方も少なくないだろう。少なくとも一[…]
アルミだらけで個性が薄くなったスーパースポーツに、スチールパイプの逞しい懐かしさを耐久レーサーに重ねる…… ン? GSX-Rに1200? それにSSって?……濃いスズキファンなら知っているGS1200[…]
他の積載方法とは異なる、シートバッグの利便性 2輪でツーリングをする際の荷物の積載方法は、①ストレッチコード/ネット、②タンデムシート上部に装着するシートバッグ、③後輪左右に設置するサイドバッグ、④車[…]
昨年の最終戦から連勝を続けた水野涼 2025年の全日本ロードレース選手権がようやく4月19日・20日に栃木県・モビリティリゾートもてぎで開幕しました。4月9日・10日には、PRE-TEST “Roun[…]
- 1
- 2