
日本で販売好調のCT125ハンターカブは、北米でも「トレール125」の名で2021年モデルとして新発売され、2023年に新型エンジンを搭載してモデルチェンジ。2024年モデルのイエローに続き、2025年モデルはレッドとグレーがラインナップされることになった。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ)
原付二種の白テープなし、1人乗り専用で、カラーバリエーションは日本と一部共通
北米で2021年モデルとして初登場したトレール125(TRAIL 125 ABS)は、日本でいうところのCT125ハンターカブ。基本的に日本やアジア圏で販売されているものとほぼ同じだ。2023年モデルではロングストロークの新型エンジンに切り替わり、2024年モデルは一部で“カレー色”とも呼ばれる(?)ニューカラーに。そして2025年モデルでは、グローイングレッドおよびパールスモーキーグレーという2色のニューカラーが登場した(日本仕様にあるパールシュガーケーンベージュは省略された)。
日本仕様「CT125ハンターカブ」との外観上の違いは、ナンバープレートホルダーが大きいことや、日本仕様で添付される原付二種を表す白いステッカーがないことで、どことなくヘビーデューティさが増している……ような気がしないでもない。車名に応じてロゴが「CT125」→「TRAIL125」となっているほか、タンデムステップが装備されていない点が目に付く。スイングアームに取り付けを想定したボルト穴もなく、これをタンデム可能な仕様とするにはそこそこの加工が必要になりそう。もちろんパッセンジャー向けのマフラーカバーもない。
ABS標準装備は日本仕様と同じ。車重は換算すると116kgで、日本仕様の118kgよりも軽いのはタンデム用装備の省略が主な理由だろう。2次減速比は同じ2.714だ。
アメリカの改造バイクがはじまりだったハンターカブ=CTブランド
北米市場では「トレール125」を名乗るCT125ハンターカブだが、このシリーズ、元々は1960年頃にアイダホ州のディーラーがスーパーカブ50を改造し、この地域の険しい山岳地帯で使用するために販売したものが出発点。1961年3月にアメリカンホンダがこのマシンを日本に紹介したことで、正式に北米向けモデルとしてCA100Tトレール50が誕生することになった。CA100Tトレール50は49ccのOHV単気筒エンジンを搭載。5psの最高出力と3速ミッションで17インチホイールを駆動した。その後5ccの排気量アップや厚みのあるシート、アップマフラーなどのアップデートが施され、市場では「ハンターカブ」の愛称が付けられた。
1964年に発売されたCT200トレール90は、87ccエンジンに4速ミッションを搭載。ハイマウントインテークやアップマフラーを備え、よりヘビーデューティに。2年後には車名がCT90トレール90となり多数のアップグレードが施された。1969年にテレスコピックフォーク導入、翌年には折り畳み式ハンドルバーが追加され、ピックアップトラックなどでの運搬がしやすくなった。1974年のウインカー追加により、アメリカ50州すべての公道でのライディングが合法となった。
一方、ミニバイクベースのCT70トレール70は1969年に導入され、1982年でいったん販売終了。1991年に復活して3年間販売された。
1981年には105ccのエンジンを搭載したCT110が発売された。最初の“トレール”シリーズ導入から20年後であり、この頃にCTのブランドはハンター、キャンパー、フィッシャーなどの間だけでなく、オフロードでの実用性と信頼性が評価され、経済的な農業用車両としても高い評価を得ていたという。北米市場におけるCTシリーズは、約30年で72万台を超える販売台数に達している。
主要な1960年代のハンターファミリーについては以下の関連記事を参照していただきたい↓
1959年からアメリカで初代スーパーカブC100の輸入が始まった。間もなく、西部のディーラーをを中心にダート仕様への改造が流行。そこで'61年3月、アメリカホンダ自らが発売したモデルがCA100Tであ[…]
それからしばらく間を置くことになったが、2019年の東京モーターショーでCT125コンセプトが発表され、翌年に市販モデルが登場。北米では2021年にホンダ「トレール125」が発売されたわけだ。
今回発表された「トレール125」の2025年モデルは、2023年モデルとしてデビューした新型エンジン搭載モデルのカラーチェンジ版。190Wの発電能力やフルLED灯火類、四角いウインカーレンズ、オフロードでの使用に耐えるアンダーガードなど、“ハンターらしさ”を象徴する装備はそのまま継承している。
現地価格は4099ドル(日本円換算約63万9000円・1/28現在)。発売時期は2025年3月だ。
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
主要諸元■軸距1257.3 シート高800.1(各mm) 車重116.12kg■空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 124cc 出力未発表 変速機4段 燃料タンク容量5.3L■タイヤサイズ前後=80-90-17
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]Glowing Red
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]Pearl Smoky Gray
【参考】CT125ハンターカブ[日本仕様2025年モデル]
トレール125 走行シーン&ディテール
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
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HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
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HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
HONDA TRAIL125[2025 U.S. model]
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