
中国のZ世代向けをターゲットとして開発されたとされる、電動版のズーマー『ZOOMER e:』。2023年1月の発表から、国内では動きがないと思っていたところ、なぜかオートサロン2025の会場で発見! なんと2025年春から並行輸入販売が予定されているというのだ。
●文/写真:ヤングマシン編集部(石川) ●外部リンク:フューチャースタイル
根強い人気のズーマー
2000年代、若者のライフスタイルに合ったバイクを生み出すべく始まった、ホンダの『Nプロジェクト』。そんなプロジェクトから生まれた一台であるズーマーは、スクーターながら、パイプフレームを露出させた無骨なスタイリングで、人気を集めたロングセラーモデルだ。2017年には排ガス規制をクリアできず、惜しくも生産終了となったが、今なお根強い人気を誇っている。
そんなズーマーだが、2023年1月には、このバイクをデザインモチーフにした電動バイク『ZOOMER e:』が中国で登場するというニュースもあった。「これは欲しい!」と湧いたファンも多かったことだろう。しかしその時点では、「国内導入予定なし」というアナウンスだった。
国内の規制に合わせて調整したモデルを並行輸入予定
そんな記憶も薄れてきた、2025年1月10日のこと。幕張メッセで開催されていたオートサロン2025に赴いたところ、件の『ZOOMER e:』を発見したのだ! ただし、その場所はホンダブースではなく、トヨタ・ハイエースやニッサン・キャラバンの内外装パーツやホイールなど、オリジナルパーツを展開する『HEARTS』のブース。
この展示は、HEARTSと関わりの深い、中国製品の輸入販売を手がける『フューチャースタイル』によるるもの。彼らは、2024年10月から電動バイクの販売事業に乗り出したばかりだが、中国での幅広い人脈と知見を駆使して、国内でも通用するモデルを送り出そうとしている。そのラインナップの1台として販売予定になっているのが、『ZOOMER e:』というわけだ。
ここで2023年1月の中国での発表を思い出してみよう。パイプフレームに丸目2眼の可愛いスタイリングに、電動自転車の機能を融合したモデルだったこともあり、漕ぐためのペダルがついていたような…。ところが、展示車両は普通のスクータースタイル。いったいどういうことなんだ?
じつはこれ、国内では原付一種区分で販売するために、ペダルを外しカバーをつけているのだ。「バッテリーがなくなったら、ペダルで漕げばいいや」という電動自転車の気軽さこそないが、やっぱりズーマーはスッキリしている方がカッコいい。
中国での販売モデルは、最高速25km/h以下とされていたものの、フューチャースタイルの輸入モデルでは最高速30km/h程度になるとのこと。スマートキー、クルーズコントロール、前後ディスクブレーキ、Bluetooth接続にGpsといった充実の装備はそのままだ。
電動バイクとなると、気になってくるのはバッテリー。『ZOOMER e:』の場合、着脱式だが、ホンダが日本で展開しているホンダモバイルパワーパック(MPP)とは別物だったりする。スペックは48V/24Ahで、MPPの50.26V/26.1Ahとほぼ同等で、航続距離は90km程度。ホンダが国内で流通させている電動スクーター、EM1 e:の約53kmと比べると、2倍近くて実用的だ。
価格や販売網、パーツ供給に関しては、まだまだ検討中とのこと。2025年春頃の販売開始を目指しているとのこと。加えて、ダックスやスーパーカブをデザインモチーフとした電動バイク、『Dax e』や『Cub e』も取り扱い予定だというので、続報が楽しみだ。
クルーザースタイルの電動バイクも有り!
フューチャースタイルでは、中国ホンダの3車種以外にも、クルーザースタイルの『Mangosteen FT-02 MINI』も取り扱い中。こちらも、ZOOMER e:同様、電動自転車タイプだったものを、原付一種区分に合うように調整されている。バッテリーはタンク部分に設置とのこと。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(新型ビジネス/レジャー/ファンバイク)
嬉しい、楽しい、大好きダックス! ちょっとHondaのバイクに詳しい人なら知っていることかもしれませんが、じつは「ダックス」のペットネームを持ったバイクがはじめて誕生したのは、半世紀以上も前の1969[…]
“次”が存在するのは確実! それが何かが問題だ 2018年に発売されたモンキー125以来、スーパーカブC125、CT125ハンターカブ、そしてダックス125と、立て続けにスマッシュヒットを飛ばしている[…]
エンジン積み替えで規制対応!? なら水冷縦型しかないっ! 2023年末にタイで、続く年明け以降にはベトナムやフィリピンでも発表された、ヤマハの新型モデル「PG-1」。日本にも一部で並行輸入されたりした[…]
カバーじゃない! 鉄製12Lタンクを搭載 おぉっ! モンキー125をベースにした「ゴリラ125」って多くのユーザーが欲しがってたヤツじゃん! タイの特派員より送られてきた画像には、まごうことなきゴリラ[…]
カフェだけじゃないバイク乗りのための空間 神奈川県座間市にある「ライダーズベース・リバティ」は、レンタルできる洗車場やピットなどを完備し、バイク用品やバイク本体(!)まで購入できるライダーズカフェだ。[…]
最新の関連記事(新型EV/電動バイク)
125ccスクーターよりも力強い発進加速、街中で光る静けさ ホンダがパーソナルユース向けに国内リリースした電動スクーターの第2弾「CUV e:」は、第1段の「EM1 e:」が50cc相当の原付一種だっ[…]
レンタルクーポンの利用者、先着500名に購入サポート 今回のキャンペーンは、Hondaのバイク関連サービス「HondaGO」の会員を対象としており、現在会員でない方も、新たに登録することで参加可能。キ[…]
ひと目でEVとわかる先進的なスタイリング こちらが今回発表された「CUV e:」! Hondaはこれまで、EVバイクとしてパーソナル向けに原付一種の「EM1 e:」を市販化していますが、CUV e:は[…]
【本田技研工業 電動事業開発本部 二輪・パワープロダクツ電動事業開発統括部 CUV e: LPL(開発責任者) 後藤香織さん】2006年入社。以来一貫して2輪車開発に従事し、おもに車体設計としてEV-[…]
パワフルで坂道も得意、実用的な原付二種EV 2023年のジャパンモビリティショーでコンセプトモデル「SC e: Concept」として参考出品されていたものが車名を「CUV e:」と改め、2025年6[…]
人気記事ランキング(全体)
50年の眠りから覚めたBSA、復活のファーストモデルがゴールドスター 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。輸入を手掛けるウイングフットが「BSA ゴールドスター」を取り扱い“ほぼ[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
シリーズ累計で約3万台を生産したW1の系譜 約9年に及んだ販売期間の中で、W1シリーズの人気が最高潮に達したのは、ペダルの配置が左:シフト/右:リヤブレーキに改められたW1SA。それに次ぐのはツインキ[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
最新の投稿記事(全体)
トリックスター初となるハーレー用マフラー トリックスター初となるハーレー用マフラーが、X350向けにリリースされた。今回、初の試みとして“ツインタイプ”のサイレンサーが採用されている。 X350の特徴[…]
ライディングポジション変更のおかげで操縦性も大幅アップ! 私が参戦する全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラスは、5月下旬にシーズン初戦を迎え、私自身も今季のさらなる走りの進化に期待しているのですが[…]
2024年モデル概要:赤×黒の熱いカラーリング 「エキサイティング&イージー」をコンセプトに掲げるZ900は、カワサキのフィロソフィーを体現したかのような、先鋭的な「Sugomi」デザインが特徴。エン[…]
懐かしの四角ライトに極太のブロックタイヤ 1987年に発売されたやまは「TW200」は、フロントに130/80-18、リヤには180/80-14という極太タイヤを履いたファットなオフロードスタイルで人[…]
ヤマハFZ400R:ワークスマシンと同時開発 市販レーサーと同時開発したNS250Rがリリースされた1984年5月。 400クラスにも同様の手法で開発されたマシンが、ヤマハから世に放たれた。 FZ40[…]
- 1
- 2