
●文:ヤングマシン編集部(石川英彦)
一般人ほど相続に気をつけろ!
相続は金持ちだけの問題ではありません。遺産分割については早めに話し合っておくことが大切です。
“相続”は「金持ちの問題」と思っている人が多いようですが、それは大間違い! 少しでも物やお金を持っていれば、相続は誰にでも関係します。そして、一般人ほど面倒です。
お金持ちは相続や相続税のことに敏感で、専門家を使って事前に対策をしているので比較的スムーズに相続が進みます。一方、一般人は「相続(税)なんか関係ない」と思っている人が多く、話し合いもしていないケースがほとんど。
だからもめやすく問題が長引くことが多々見られます。では一般人にとって、相続の何が問題なのでしょうか? それは「遺産分割」です。相続税がかからなくても、遺産分割の取り決めができていないとスムーズに相続はできません。
簡単な例でいうと、自宅の相続です。兄弟が2名いたとしましょう。親から自宅を相続する場合、2人の共有名義にするか(おすすめしません)、どちらかが自宅を相続することになります。自宅が立っている土地が大きくて分割しやすければ”分筆”して相続することもあります。いずれにしてもどのように相続するかは事前に話し合っていないと、相続が発生してからもめること間違いなしです。
相続税について少し補足すると、計算の際にあらかじめ財産の評価から差し引いてくれる「基礎控除」があります。その額は3000万円+(600万円×法定相続人)です。
たとえば配偶者と子ども2人が相続する場合、3000万円+(600万円×3人)=4800万円が基礎控除です。
遺産総額(相続税の評価額)がこの基礎控除額を超えない限り、相続税はかかりません。自宅については条件を満たせば、評価額が20%になるなどの特例があるので、基礎控除を超える人は稀ですが(令和4年で課税された人は亡くなった人のうち9.6%)、近年は不動産が高騰しています。小規模な持ち家でも、基礎控除を超える地域もあるので要チェックです。
バイクは立派な相続財産
バイクは立派な相続財産です。下取り価格が相続評価額の目安になります。
“相続財産”と聞くと、不動産や株式、預貯金が思い浮かぶと思いますが、バイクや車も立派な相続財産です。相続の評価額は、概ね売買の実例価格です。下取り価格が現実的でしょうか。
たとえばカワサキ Z400FXの下取り額を、いろんな下取り査定サイトなどで調べてみると、2023~2024年の実績では平均200万円前後ぐらいでした。私の愛車カワサキ GPZ900R-A7は、平均100万円ぐらいです。なかなか高額な財産ですね。旧車をたくさん所有している人なら、その金額は数千万円になる人もいるでしょう。
バイクのような財産は、「一般動産」と呼ばれています。車や電化製品、楽器、骨董品、貴金属も一般動産です。金額の小さいものは一式で評価したり、骨董品などは鑑定依頼をしたりして、評価額を決めます。
分けられないバイクを相続する方法は?
バイクは分割できない財産なので誰が受け継ぐかは事前に決めておきましょう。
現金や株式は相続人で分けることができますが、不動産やオートバイは物理的に分けることができないですよね。そんな財産を公平に相続する方法があります。
方法1:売却して現金化して分ける(換価分割)
とりあえず誰かが相続して、売却してからお金を分ける方法です。
方法2:誰か相続して、他の人に相応の現金を渡す(代償分割)
たとえば兄弟2人のうち、兄が評価額100万円のバイクを相続したときに、兄が弟に50万円を渡すといった方法です。
方法3:共有名義にする
共有名義にする方法もありますが、バイクを売却することになった場合に名義人全員の同意が必要になるなど面倒ですのでおすすめしません。
方法3以外は、遺産分割協議書にその旨を記載しておく必要があります。相続が発生してから、相続人同士で協議して、遺産分割協議書をつくることになりますが、事前にどのように分割をするか決めておけば、スムーズに事が進みます。場合によっては、遺言書を作成して相続する人を決めておくことも必要でしょう。
相続税が発生するかどうかに関係なく、「どうやって分けるか」は事前に話し合っておくと安心です。私もそろそろ妹と話をしておかないと!
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