
2024年11月のEICMAで驚きとともに公開されたホンダの新V型3気筒エンジン。じつは2003年にも開発の噂があったのだ。2ストローク×4ストロークのハイブリットということで、業界は騒然となったが、2024年12月現在でもまったく音沙汰ナシ! 当時の担当者によれば、「出るって言ってたんだけどなァ」とのことだったが…。仮称「RVW」がモトGPマシンに搭載されることを報じた、ヤングマシン2003年2月号をプレイバック! ※記事内容は公開当時の情報に準拠
●文:ヤングマシン編集部
ホンダV3 どうなる新型モトGPマシン
築き上げた栄光にしがみつくことなく、常に挑戦を続けるホンダ。デビュー初年度に圧倒的な強さで王座に輝いたRC211Vとて例外ではない。すでに次期エンジンを搭載した、新モトGPマシンの開発プロジェクトはスタートしている。
その第1弾として、ヤングマシンではV型3気筒エンジン、しかも2ストローク&4ストロークハイブリッドをスクープした。では、無敵のV型5気筒を捨ててまで採用する、新エンジン搭載マシンは、いったいどのようなものになるのか? あるいは、もっと違った新たなる挑戦か。大胆に迫るぞっ。
ヤングマシン2003年2月号
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
2003年はV型5気筒ラストイヤーだ
モトGPへの参戦には、2つの側面がある。まず、市販車のプロモーション効果。これは、RCVスタイルとなったCBR600RRが脚光を浴びていることでも、明らかだろう。もうひとつは、技術開発のための実験場としての役割だ。V型4気筒、直列4気筒、直列3気筒、そしてL型4気筒と、2003年は初年度以上にさまざまな形態のライバルが、V型5気筒包囲網を形成する。確実に勝ちを狙うだけなら、今のV型5気筒の戦闘力を高めていくのが近道だが、今やRCVに2002年ほどのアドバンテージは見込めない。今後も不動の優位を保つには、HRC首脳が言うように「V型5気筒にはこだわらない」新技術開発が必要なのだ。
ヤングマシンがつかんだ情報では、ホンダはすでに2004年用の新エンジンとしてV3を完成。名称は、「RVW」とも囁かれている。球体に近いV型ならではの利点である「マスの集中」と同時に、軽量化での戦闘力強化を狙うという。
RCVのサテライト供給が本格化し、V型5気筒全盛のように見える2003年。だが、すでに終わりは始まっている。ワークルが新型を投入する2004年には、RCVは過去のマシンになるだろう。かつて最強を誇ったNSR500が、RCVの手で瞬時に無力化されたように。
ヤングマシン2003年2月号
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
2+4ストロークV3のRVW vs 4ストロークV5のRC211Vを比較すると?
【左】前2気筒を4ストローク、後1気筒を2ストロークとした新規エンジン(本誌CG)。4ストロークとハイブリッド化が可能な2ストロークの構造は、トヨタやスバルにも研究実績がある。名称はRVWという耳慣れないものだが、これはRCVの内部開発コードである可能性も。
【右】前3気筒+後2気筒の4ストロークV5。最高出力は220ps以上。Vバンク角75.5度により、バランサーなしで一次新藤/一次カップル振動を消去。2輪ではかつてない構造で、一躍モトGPの中心的存在となった。目下2輪最強を誇るエンジンだ。
RC211VにニューハイブリッドV3エンジンを搭載した本誌CG。マスを集中させつつ、4ストローク4気筒よりコンパクトに設計できる上に、フロント荷重も稼げる。ただ、上のエンジン写真の構造も含めて、その実際の姿がこのままの状態になることは、まずありえないだろう。
テスト中の2003RCV。外観は’02仕様だが、エンジンは2003スペックだ。2002シーズン後半戦でも、2003をにらんだ発展型エンジンを実戦で試していた。
2&4ストロークハイブリッドV3は実質4ストロークV4と同効率! 数々の伝説を残してきたNSR500が2001年シーズンで最後の年を迎えた。これで2ストローク全盛に完全な終止符が打たれたわけだ。対する[…]
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
最新の関連記事(ニュース&トピックス)
なぜ「ヨンフォア」は伝説なのか Honda CB400FOUR、通称「ヨンフォア」は、日本のバイク史の中で今も特別な輝きを放つ一台だ。1974年に登場したヨンフォアは、その流れるように美しいスタイルと[…]
フェラーリのスペシャルモデルの系譜に新たな歴史が築かれる スーパーカーと呼ばれる高性能かつラグジュアリーなクルマのトップブランド、フェラーリ。世界中のエンスージアストを熱狂させ、そのファンは「ティフォ[…]
雨の日の滑るポイント「滑るMAXな四天王+1」 バイクが雨の日に滑る場所って、だいたい決まってます。もうわかりますよね? ライダーならみんな一度はヒヤっとしたことある、あの“定番トラップ”たちです。滑[…]
GSX-8R特別仕様車「Kiiro Limited Edition」を限定発売 スズキは、英国市場向けにスーパースポーツモデル「GSX-8R」の特別仕様車「GSX-8R Kiiro Limited E[…]
6/6発売:スズキ「バーグマンストリート125EX」 低回転トルクを重視したSEP-αエンジンを搭載したスズキの原付二種スクーターだ。アドレス125、アヴェニス125に続くスズキ最新世代の原付二種スク[…]
最新の関連記事(スクープ/未来予想)
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
完全に消える? それとも復活する? ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し、唯一無二[…]
2025年こそ直4のヘリテイジネイキッドに期待! カワサキの躍進が著しい。2023年にはEVやハイブリッド、そして2024年には待望のW230&メグロS1が市販化。ひと通り大きな峠を超えた。となれば、[…]
その名も「V3R」と「V3R E-COMPRESSOR」だ! ホンダが全く新しい4ストロークV型3気筒エンジンのコンセプトモデルを公開したのは、2024年秋のEICMA(ミラノショー)でのこと。かつて[…]
2ストローク90ccの「CO-29」は、キーレスにポップアップスクリーン採用 1988年に劇場版「AKIRA」が公開された翌年、1989年8月にウェルカムプラザ青山で「MOVE HONDA MOTOR[…]
人気記事ランキング(全体)
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
涼しさの心臓部。それは「素材」と「構造」の魔法的組み合わせ うだるような暑さと、じっとりと肌にまとわりつく湿気。毎年繰り返されるこの季節に、多くの人が少しでも快適に過ごせる服を探し求めている。そんな中[…]
最高のハイバランス600ccマルチ! 今回ご紹介するカワサキGPZ600Rは、1985年6月1日に66万9000円(限定1000台)で発売されました。 1980年代半ばといえば400ccクラスが人気の[…]
前輪荷重多めでスポーティーなPG-1 ヤマハPG-1の現地向けプロモーションビデオは、往年のスズキ バンバンやドゥカティ スクランブラーシリーズを連想させる、アクティブ&ポップなテイストで構成されてい[…]
グローバル展開では『500cc』のほうが有利になる地域も ホンダ「GB350」シリーズといえば、直近ではクラシカル要素を強化したGB350Cも新登場し、走りのフィーリングまで変えてくるこだわりっぷりが[…]
最新の投稿記事(全体)
なぜ「ヨンフォア」は伝説なのか Honda CB400FOUR、通称「ヨンフォア」は、日本のバイク史の中で今も特別な輝きを放つ一台だ。1974年に登場したヨンフォアは、その流れるように美しいスタイルと[…]
シュアラスターの「バイク洗車図鑑」 バイクが違えば洗い方も変わる! 車種別の洗車情報をお届けするシュアラスターの「バイク洗車図鑑」。 今回は、軽量かつパワフルな油冷エンジンを搭載した本格アドベンチャー[…]
2019年モデル概要:カラー&グラフィック変更 現行モデルにつながるZ900の初登場は、2016年11月のミラノショーでのこと。それまで存在していたミドルクラスのスポーツネイキッドZ800の後[…]
左右2本出しマフラーやベルトドライブ、6速ミッションも採用 ヒョースンモータージャパンは、水冷124.7cc・V型2気筒エンジンを搭載したクルーザーモデル「GV125Xロードスター」を発売する。 挟み[…]
フェラーリのスペシャルモデルの系譜に新たな歴史が築かれる スーパーカーと呼ばれる高性能かつラグジュアリーなクルマのトップブランド、フェラーリ。世界中のエンスージアストを熱狂させ、そのファンは「ティフォ[…]
- 1
- 2