
2022年の型式変更以降、マイナーチェンジを続けているCT125ハンターカブ。2024年12月12日に2025モデルが発売されたが、その魅力をあらためて振り返りたい。本記事では、2025モデルとスペック上は同等な、新設計エンジンを初めて採用した2023モデルの試乗レビューをプレイバック!
●文:ヤングマシン編集部(大屋雄一) ●写真:山内潤也 真弓悟史
【テスター:大屋雄一】まだ新車で買えた時代のCT110に試乗した経験もある本誌テスター。CT125は気になるものの、チューブレス&ギヤ段数表示ありのクロスカブ110に惹かれる。
規制対応後も走り不変! ハンターらしさ健在だ
2020年6月の発売以来、原付二種クラスで爆発的なセールスを誇るCT125ハンターカブが、2023モデルから新型エンジンを搭載した。最新の排出ガス規制に適合しながら、最高出力は8.8psから9.1psへ。車体に関しては、リヤショックがプリロード調整付きとなったほか、リヤタイヤは銘柄をそのままに荷重指数と速度記号を44P→50Pに。これはキャンプツーリングに使われることの多い機種だけに、より高負荷に耐えられるようにするための改良だろう。
まずはエンジンから。ストロークのロング化や高圧縮比化など刷新されてはいるが、低回転域から力強さがフラットに続く特性や、シングルらしい蹴り出し感など、ハンターカブらしさは不変だ。最高出力が増えたことについては、おそらく現行オーナーがじっくり試乗して分かるかどうかの違いだろうが、排ガス規制対応後に吹け上がりのフィーリングがトーンダウンする機種もある中、まったくそうなっていない技術力の高さに感心した。
続いてはハンドリングについて。リヤショックが非調整式からプリロード調整付きとなり、合わせてフロントフォークの部品番号も変更されていることから、前後サスペンションのセッティングそのものが見直されたと考えていいだろう。
とはいえ、クラスを超えた剛性感のある車体や、どの速度域でも視線を送った方へスムーズに向きを変える扱いやすいハンドリングなど、基本的な操安性のイメージはまったく変わっていない。サスペンションセッティングが、多少ハードな方向へ振られているかとも予想したが、未舗装路での足まわりの追従性に硬すぎる印象はなく、これまでと同様にダート遊びも十分に楽しめそうだ。
CT125ハンターカブ ディテール解説
CT125ハンターカブ 主要諸元
【HONDA CT125 HUNTER CUB】◼︎空冷4スト単気筒SOHC2バルブ 123cc 9.1ps/6250rpm 1.1kg-m/4750rpm ◼︎118kg シート高800mm 5.3L ◼︎タイヤF=80/90-17 R=80/90-17 ●色: グローイングレッド/パールシュガーケーンベージュ/パールスモーキーグレー ●価格:47万3000円 ※写真色はグローイングレッド
CT125ハンターカブ ライディングポジション
リヤショックやリヤタイヤが変更されたものの、シート高800mmは変わらず足着き性は良好だ。ニーグリップはできないが、スタンディングにも対応する扱いやすいライディングポジションだ。[身長175cm/体重68kg]
CT125ハンターカブ エンジン/足まわり
φ52.4×57.9mmというもともとロングストローク型のエンジンを、2023年モデルからは63.1mmへとストロークを伸長。9.3から10.0:1へと圧縮比を高め、最高出力は8.8psから9.1psへと微増している。オイルフィルターが新設されたことでエンジンオイル容量は0.9Lから1.0Lへ。また、キックペダルの形状が変更されていたり、アンダーカバーパイプに補強が追加されたことも特徴だ。
【プリロード調整追加】リヤショックは5段階のプリロードアジャスター付き。中間の3段目が標準位置だ。また、ドリブンスプロケットは38T。
◆とくにアナウンスはないが、新旧でショーワ製のフロントフォークとニッシン製フロントキャリパーの部品番号が異なることから、仕様変更が行われた可能性あり。リヤキャリパーは2022年モデルから変更なし。
CT125ハンターカブ 主要装備
画像ではとても分かりにくいが、メーターステーの形状がわずかに変更されている。なお、メーター自体の表示内容は変わらず、ギヤポジションインジケーターや時計などはない。
2023年モデルから指定空気圧に2名乗車時の表記が加わり、リヤタイヤは荷重指数と速度記号が44P→50Pに。また、従来はオイルフィラーキャップとは別にケース前方にオイルレベルゲージがあったが、新型はこれを一体化しキャップ形状も変更。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
最新の関連記事(CT125ハンターカブ)
情報量が渋滞しすぎィ! ホンダは本日、突如としてHonda×Kuromiのスペシャルサイトを公開。Kuromiとはサンリオのキャラクターで、自称マイメロディのライバルだ。サンリオの公式ページには「乱暴[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
最短2日間で修了可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付を除い[…]
125ccクラスは16歳から取得可能な“小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり[…]
2020年モデル:初代は2色ラインナップ スーパーカブシリーズ中で究極のアウトドアマシンとして支持されていた“ハンターカブ”が、8年ぶりに復活を遂げたのは、2020年6月26日のこと。名称は、CT12[…]
最新の関連記事(試乗インプレッション/テスト)
両手を自由に使うことができる、新パーソナルモビリティ ホンダが2025年9月24日より、法人向けに販売を開始したのがパーソナルモビリティの「UNI-ONE(ユニワン)」です。 法律的には「移動用小型車[…]
オーバー500cc・ビッグシングルの力強さ 世界最古クラスの英国ブランド、BSAが再び日本に上陸した。 歴史的ビッグネームの「ゴールドスター」は1938年から1963年まで製造された、BSAの代名詞の[…]
ツーリングの楽しさを気軽に、疲れ知らずで ウェット路面に翻弄され、全日本ロードレース選手権のJ-GP3クラス今季初戦は、決勝9位という不本意な結果に…。その悔しさを癒してもらおうと、新型のRebel […]
世界の二輪市場にBSA復活を知らせる2台の新型車 BSAブランドが再び動き出したのは2016年。自動車や二輪車、物流や不動産など多角的に事業を展開するインド/マヒンドラ・グループが、新たに起ち上げたク[…]
“クラシック”シリーズ初の2気筒モデル ミドルクラスでグローバルな存在感を増しているロイヤルエンフィールドは、空冷350cc単気筒シリーズと空冷650cc 2気筒シリーズを多数展開。これに水冷450c[…]
人気記事ランキング(全体)
125ccクラス 軽さランキングTOP10 原付二種は免許取得のハードルも低く、手軽に楽しめる最高の相棒だ。とくに重要なのは「軽さ」だろう。軽ければ軽いほど、街中での取り回しは楽になるし、タイトなワイ[…]
コンパクトで使いやすいワイヤーロック ヘンリービギンズの「デイトナ ワイヤーロック DLK120」は、質量約90gの軽量設計で、ツーリング時の携行に適したポータブルロックです。ダイヤルロック式のため鍵[…]
日本仕様が出れば車名はスーパーフォアになるか ホンダの名車CB400スーパーフォアが生産終了になって今年ではや3年目。入れ替わるようにカワサキから直列4気筒を搭載する「Ninja ZX-4R」が登場し[…]
どうする? スクーターのエンジンがかからない ※これはまさに、筆者が直面した実話です。我が家のスクーター(TODAY)に乗ろうと思って、車庫から引っ張り出しました。ちょっと久しぶりですね。エンジンをか[…]
50レプリカのフルサイズからミニバイクレースを経てデフォルメフルサイズへ! VR46カラーのTZR50……実はヨーロッパで1997年から2012年まで生産されていたイタリアのミナレリ製エンジンで、現地[…]
最新の投稿記事(全体)
軽さと安全性を両立した定番モデル プーマセーフティー「ライダー2.0 ロー」は、JSAA A種認定を取得した先芯合成樹脂を装備し、衝撃吸収機能を備えたメンズ用安全靴です。Amazonレビューは4.0([…]
コンパクトで携帯性に優れた携帯灰皿 「プルプラ クリップオンケース」は、ヒートスティック(加熱式タバコ)専用の携帯灰皿です。商品重量は約10gと非常に軽く、ポケットやバッグの隙間でも邪魔になりません。[…]
トレリスフレーム+ユニトラックサスペンションの本格派 カワサキは欧州で、15psを発揮する水冷125cc単気筒エンジンをスチール製トレリスフレームに搭載し、前後17インチホイールを履かせたフルサイズス[…]
2025年モデルで排気量アップしたニンジャ1100SX カワサキは欧州で、スポーツツアラーの2シリーズを2026年モデルに更新。「ニンジャ1100SX」および「ニンジャH2 SX」それぞれの標準モデル[…]
バイクを取りまく、さまざまな環境の向上を目指す バイク(二輪車)ユーザーがより安全で快適なバイクライフを過ごせる社会をめざし、二輪車を取りまく環境の向上のために活動している日本二普協。 同協会安全本部[…]