![[バイク駐車場問題] 神戸市に見る、”道路上”を活用した先進的な駐車場の例](https://young-machine.com/main/wp-content/themes/the-thor/img/dummy.gif)
たびたび話題に上がる、バイク用駐車場の不足問題。今回は、道路上を活用した先進的なバイク駐車場が多い、神戸市の事例について紹介しよう。民間事業者による設置事例をメインに取り上げるが、次回では神戸市役所にもインタビューをし、その背景や課題にも触れていく。
●文:田中淳麿(ヤングマシン編集部)
繁華街に多く設置されている”路上駐車場”
県下随一の繁華街として、買い物客や観光客で賑わう三宮(さんのみや)/元町(もとまち)の周辺を歩いていると、バイク駐車場が次々と目に入ってくる。なぜなら、その多くが路上駐車場であり、行き交う人々の目に触れるような造りになっているからだ。
都市の駐車場整備について定める”駐車場法”に基づく”路上駐車場”は、道路の路面に一定の区画を設けて地方公共団体が設置するものだ。
都市部に多いコインパーキングなどの”路外駐車場”や大規模商業施設等の敷地内に設置される”附置義務駐車場”と違い、構造的にはとても簡単なもの。
もっと全国的にも増えてほしいものだが、どちらかといえば駐車需要に対応するための暫定的な措置とされているために、取り組む自治体が少ない現状がある。
【エコステーション21 東町線バイク駐車場5】
2024年5月、東遊園地(都市公園)沿いの路上にオープンした125cc以下/40台/時間貸しのみの駐車場。歩道を切り込む形で駐車スペースを確保している。駐輪後1.5時間無料、以後8時間ごとに200円とリーズナブルだ。
【エコステーション21 東町筋バイク駐車場】
神戸市役所の裏通り(東町筋)の路上に作られた125cc以下/40台のバイク駐車場。料金は駐輪後1.5時間無料、以後8時間ごとに200円。一般的な歩道切り込み型ではなく、2車線一方通行/両側路肩ありの道路の右側路上にバイク駐車スペースを作り、1車線一方通行の道路となっている。
【若菜神戸線(サンセット通り)【B】24時間原付(125cc以下)専用駐車場】
神戸高速鉄道阪急線の高架下北側の路上にはバイク駐車場が複数か所設置されている。どれも元町駅や神戸三宮駅に近く使い勝手が良い。駐輪後1時間無料、以後無料時間を含み4時間ごとに100円。ここだけでも60台が駐車できるが、少し歩いた先には自動二輪用区画もある。
【エコステーション21 阪急三宮高架下バイク駐車場】
JR神戸線の高架下スペースを活用したバイク駐車場。意外と奥行きがあり50台収容の設計で、三宮駅や三宮センター街へもアクセスしやすい。料金体系は少し複雑。排気量に関係なく駐輪後1時間は無料。以降50cc以下は12時間まで240円、以後6時間ごと100円。50cc超は8時間まで360円、以後6時間ごと150円。
神戸市では道路再編などのタイミングに合わせ設置
2006年の道路法施行令の改正(内容は後述)以降、神戸市では道路再編などのタイミングに合わせ、一方通行の道路沿いに路上駐車場を設置するなどして放置駐車対策を実施。既存の駐車場で満たせない、バイク利用者の需要にも応えている。
六甲山を背にした坂の多い港町で知られる神戸市だが、そこでは小さなモビリティたちが目いっぱい活用されていた。
そういった背景もあり増えていった”路上駐車場”。バイクユーザーとしては、他の自治体にもぜひ、積極的に取り組み増やしていってもらいたい駐車場だ。
2006年の道路法施行令改正では、道路管理者以外の主体でも道路上に自動二輪車/自転車駐車場を占用物件として設置できるようになり、道路上に設置する駐車場の一般的技術的指針も策定された。2006年11月に改正、翌年1月に施行。
※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※掲載されている製品等について、当サイトがその品質等を十全に保証するものではありません。よって、その購入/利用にあたっては自己責任にてお願いします。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。※画像の一部を加工しています。
最新の関連記事([連載] 2輪車利用環境改善部会)
地域活性化ツーリングを開催、移動課題改善への提言も 2024年9月29日に開催された地域活性化・ライダー誘致イベント“伊豆ライダー誘致ツーリング”。 主催は若年層を中心に構成。バイクやクルマ、特定原付[…]
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
EVは脱炭素社会実現と移動課題の改善に寄与するか 「バイクラブフォーラムin南国みやざき」で実施されたパネルディスカッション、「電動二輪車利活用による社会課題(脆弱な二次交通)解決」において、次のトー[…]
100万都市・千葉市のバイク駐車場問題 上総台地の平坦地に位置する千葉市は、人口98万人強の大きな自治体で、現在も増加中であることから「最後の100万都市」とも呼ばれている。 高度経済成長期には大規模[…]
原付バイク安全運転スキルアップ講習会について 本講習会は原付バイクに特化した安全運転講習会で、原付利用者の交通安全意識と安全運転技能の向上を図り、交通事故を防止しようという狙いで2024年から開始され[…]
最新の関連記事(交通/社会問題)
偵察用KLX250、救命救助のセロー250などが登場 東京都北区の浮間舟渡駅の真ん前にある浮間公園。「釣りのできる公園」として周辺住民から人気で、池に向かって釣り糸を垂らす人の姿が多数見られます。 そ[…]
規制の根拠は「道路法・第46条第3項」 高速道路などを走っていると、時折インターチェンジの手前などで「危険物積載車両ここで出よ」という表示を目にすることがある。この表示を見かけた場合、その先に危険物積[…]
地域活性化ツーリングを開催、移動課題改善への提言も 2024年9月29日に開催された地域活性化・ライダー誘致イベント“伊豆ライダー誘致ツーリング”。 主催は若年層を中心に構成。バイクやクルマ、特定原付[…]
バイク駐車場の拡充に取り組む千葉市 千葉市内には6区で50の鉄道駅がある。中でも千葉駅は千葉県の中心駅として、JR東日本の在来線6線と京成電鉄、さらに千葉都市モノレールが乗り入れている。 都心や成田空[…]
「危険なら道路を改善しないの?」との疑問を感じるが…… 市中の道路を走っていると「事故多発交差点」と書いた立て看板を見かけることがあります。 その交差点で交通事故が多発しているので気を付けて運転してほ[…]
人気記事ランキング(全体)
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 「THERMO-GEAR BELT」の最大の魅力は、なんといっても「冷暖対応デュアルペルチェ搭載」という点だ。一台で夏場の猛暑対策はもちろんのこと、冬場の厳[…]
16歳から取得可能な普通二輪免許で乗れる最大排気量が400cc! バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があり、原付以外[…]
新作GSX-8T/8TTに足並みを揃えて2026年モデルに スズキ独自のクロスバランサーを採用した最新776cc並列2気筒エンジンを搭載するモデルのうち、フルカウルスポーツとスポーツネイキッドとしてシ[…]
脇を冷やすことで全身を効率的にクールダウン 年々暑さが増している夏。冷感シャツやメッシュジャケットなど様々な冷却アイテムが普及して久しいが、半端な対策ではツーリングが快適とはいかなくなってきた。 そこ[…]
原付スクーターは16歳から取得可能な“AT小型限定普通二輪免許”で運転できる バイクの免許は原付(~50cc)、小型限定普通二輪(~125cc)、普通二輪(~400cc)、大型二輪(排気量無制限)があ[…]
最新の投稿記事(全体)
冷却効果だけでなく疲労の緩和も実現したお役立ちインナー スポーツウェアブランド「ZEROFIT」と、ボディケアのパイオニア「ファイテン」が強力タッグを組んで生み出した「ICE WEAVE ナノメタック[…]
あの頃の中型 青春名車録「2気筒の時代」(昭和51~53年) 昭和50年(1975)10月1日、免許制度が改正され401cc以上のバイクに乗るためには大型免許(=限定なしの自動二輪免許)が必要になった[…]
白線が滑りやすいのは事実。その原因は? まず、道路の白線が滑りやすいのは紛れもない事実だ。路面標示用塗料メーカー10社で構成される路面標示材協会によると、白線の滑り抵抗性は湿潤時で40〜5[…]
零戦と同じサムライ魂が成し遂げた「究極」の直4 時代を決定的に「それ以前」と「以降」に画してしまうエポックメイキングなモデルはいくつか存在する。中でもZ1は紛れもない革命児である。 量産車として世界初[…]
ある日チョークが折れてた エンジン始動でチョークを引っ張ったらいきなり「スポッ」と抜けた。何事かと思ったら・・・折れてたんですよ、チョークケーブルのアウターが。 アクセルやクラッチ、スロットルやチョー[…]
- 1
- 2