![[バイク駐車場問題] 神戸市に見る、”道路上”を活用した先進的な駐車場の例](https://young-machine.com/main/wp-content/uploads/2024/11/2412_riyokankyo_IMG_2750.jpg?v=1732680180)
たびたび話題に上がる、バイク用駐車場の不足問題。今回は、道路上を活用した先進的なバイク駐車場が多い、神戸市の事例について紹介しよう。民間事業者による設置事例をメインに取り上げるが、次回では神戸市役所にもインタビューをし、その背景や課題にも触れていく。
●文:田中淳麿(ヤングマシン編集部)
繁華街に多く設置されている”路上駐車場”
県下随一の繁華街として、買い物客や観光客で賑わう三宮(さんのみや)/元町(もとまち)の周辺を歩いていると、バイク駐車場が次々と目に入ってくる。なぜなら、その多くが路上駐車場であり、行き交う人々の目に触れるような造りになっているからだ。
都市の駐車場整備について定める”駐車場法”に基づく”路上駐車場”は、道路の路面に一定の区画を設けて地方公共団体が設置するものだ。
都市部に多いコインパーキングなどの”路外駐車場”や大規模商業施設等の敷地内に設置される”附置義務駐車場”と違い、構造的にはとても簡単なもの。
もっと全国的にも増えてほしいものだが、どちらかといえば駐車需要に対応するための暫定的な措置とされているために、取り組む自治体が少ない現状がある。
【エコステーション21 東町線バイク駐車場5】
2024年5月、東遊園地(都市公園)沿いの路上にオープンした125cc以下/40台/時間貸しのみの駐車場。歩道を切り込む形で駐車スペースを確保している。駐輪後1.5時間無料、以後8時間ごとに200円とリーズナブルだ。
【エコステーション21 東町筋バイク駐車場】
神戸市役所の裏通り(東町筋)の路上に作られた125cc以下/40台のバイク駐車場。料金は駐輪後1.5時間無料、以後8時間ごとに200円。一般的な歩道切り込み型ではなく、2車線一方通行/両側路肩ありの道路の右側路上にバイク駐車スペースを作り、1車線一方通行の道路となっている。
【若菜神戸線(サンセット通り)【B】24時間原付(125cc以下)専用駐車場】
神戸高速鉄道阪急線の高架下北側の路上にはバイク駐車場が複数か所設置されている。どれも元町駅や神戸三宮駅に近く使い勝手が良い。駐輪後1時間無料、以後無料時間を含み4時間ごとに100円。ここだけでも60台が駐車できるが、少し歩いた先には自動二輪用区画もある。
【エコステーション21 阪急三宮高架下バイク駐車場】
JR神戸線の高架下スペースを活用したバイク駐車場。意外と奥行きがあり50台収容の設計で、三宮駅や三宮センター街へもアクセスしやすい。料金体系は少し複雑。排気量に関係なく駐輪後1時間は無料。以降50cc以下は12時間まで240円、以後6時間ごと100円。50cc超は8時間まで360円、以後6時間ごと150円。
神戸市では道路再編などのタイミングに合わせ設置
2006年の道路法施行令の改正(内容は後述)以降、神戸市では道路再編などのタイミングに合わせ、一方通行の道路沿いに路上駐車場を設置するなどして放置駐車対策を実施。既存の駐車場で満たせない、バイク利用者の需要にも応えている。
六甲山を背にした坂の多い港町で知られる神戸市だが、そこでは小さなモビリティたちが目いっぱい活用されていた。
そういった背景もあり増えていった”路上駐車場”。バイクユーザーとしては、他の自治体にもぜひ、積極的に取り組み増やしていってもらいたい駐車場だ。
2006年の道路法施行令改正では、道路管理者以外の主体でも道路上に自動二輪車/自転車駐車場を占用物件として設置できるようになり、道路上に設置する駐車場の一般的技術的指針も策定された。2006年11月に改正、翌年1月に施行。
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